〈経済学部通信〉仕事を学ぶこと(On-the-Job Training)

今回は三谷先生にご寄稿いただきました。


1930年代半ば、スウェーデンのある製鉄所で不思議なことが起こった[i]。当時ファーゲルスタ社のホーンダール製鉄所は本社から見放されていた。すなわち、最低限の修理と壊れた装置の交換(新型に代えることはなかった)を除き、15年間もの間新たな設備投資はまったく行われなかったのである。そして、生産方法にも大きな変更はなかった。それにも関わらず、マン・アワー1時間当たりの生産量(=生産性)が、この期間年率で平均2%増加していたのだ。ちなみに、同社の他の工場ではこの間重要な新規の設備投資が行われており、全社平均での生産性の伸びは年平均4%であった。

ホーンダール製鉄所の生産性の伸びは何によって生じたのであろうか?生産設備や生産方法に変化がなかったのであれば、労働者の技能が高まったためとしか考えられない。何か特別の訓練を行った形跡もないので、仕事をすることによって仕事の習熟度=技能が高まっていったものと考えられる[ii](「ホーンダール効果」と呼ばれることもある)。こうした仕事に就きながら仕事を学び、技能や技量を高めていくことは企業内訓練あるいはOJT(On-the-Job Training)と呼ばれている。この中には、先輩や上司による指導・教育や座学での学習なども含まれる[iii]。ホーンダール製鉄所の事例は、特段の訓練プログラムを実施しなくてもOJTの効果が馬鹿にならないことを示している。

なぜ、OJT(仕事をやりながら仕事を覚えること)が大切なのか?それは、仕事を遂行する技能・技量には、言葉にできるは知識(命題知)だけでなく、言葉にできない知識(技能知)が必要だからである[iv]。そして、技能知は実地で仕事をしながら覚えていくしか習得できない。たとえば、テニスでラケットを使ってボールを打つことを学ぶにはいくら言葉で説明を受けてもだめである。実際にボールを打ってみないと習得できない。その時自己流でやると悪い癖がついてしまうが、よい指導者について教えてもらえば上達が早い。アリストテレスは『ニコマコス倫理学』の中で、「人は建築をすることによって大工となり、…」と述べており[v]、OJTの本質を見抜いている。大工になるには、実際に建築をして大工の仕事を覚えていくしか方法はないのである。

日本では、大企業を中心としてOJTによる巧みな技能形成システムが形成されている。幅広い持ち場を移動することによって変化や異常に対応できる技能形成を図るとともに、技能の幅と深さを査定し、それを賃金に反映して技能形成へのインセンティブを高める賃金制度との組み合わせである[vi]。

政府は「新しい資本主義」で「人への投資」を主要政策に掲げているが、経済社会の構造変化の中で日本企業が長年培ってきたOJTによる技能形成システムを生かす知恵が求められている。そして、もし、学生諸君が就活で企業の選択に迷ったら、人を育てることに熱心な企業かどうかもひとつの重要な判断基準になるのではないだろうか。

(経済学部 三谷)

【注】

[i] Lazonick and Brush (1985).

[ii] “Learning by Doing” と呼ばれることもある。ここではOJTに含める。

[iii] 職場外の研修所などで行われる訓練をOff-the-Job TrainingとしてOJTと区別することもある。本稿ではこれらの座学も含めてすべての企業内訓練をOJTとする。

[iv] 詳しくは信原(2022)などを参照されたい。

[v] アリストテレス(1971)p.72.

[vi] 詳しくは、小池(2005)。

【参考文献】

小池和男(2005)『仕事の経済学』第三版、東洋経済新報社。

信原幸弘(2022)『「覚える」と「わかる」―知の仕組みとその可能性』ちくまプリマ―新書。

アリストテレス(1971)高田三郎訳『ニコマコス倫理学』上、岩波書店。

Lazonick, W. and T. Brush (1985), “The “Horndal Effect” in Early U.S. Manufacturing”, EXPLORATIONS IN ECONOMIC HISTORY 22, 53-96.

 

2023年度入学宣誓式(入学式)が挙行されました。

 2023年4月3日(月)、陽光ふりそそぐ中、2023年度入学宣誓式が執り行われました。4年ぶりに保護者の参列を伴う、新入生、大学関係者だけでなく、ご家族でも晴れの日をお祝いしていただける式典となりました。開式までの間、正門や中庭では新入生とその保護者が記念撮影をする様子が見られました。

 式典では、国歌吹奏の後、入学許可が宣言され、学長の式辞では「本学は『やりたいことを見つける幸せ。』というタグラインを掲げています。皆さんが成りたい自分になれるよう、おのれを磨き自立心を涵養してください」と激励の言葉がありました。

 在学生を代表して、経営学部経営学科3年の田野裕菜さんから「何かを始めたい、やりたいと思えば自分自身の行動に『責任』を持つことで多くのことに挑戦することができます」「これからの大学生活で、ひとりでも多くの友達を作り、目標に向かって進まれることを願います」と歓迎の挨拶がありました。

 入学生を代表して、経済学部経済学科1年の千田和人さんから「私たちは、学則を守り、勉学に励み、学生として、その本分を尽くすことを宣誓いたします」と宣誓がありました。

 入学式の後、岡山商科大学同窓会役員で第16期生の山中祥吉さんから記念講演が行われ「自分自身の価値観を押し付けるのではなく、自分が変化し、社会の変化を捉え、対応できる人間になって欲しい」「困っている人を助けて社会に貢献していって欲しい」と、エールが贈られました。

 その後、学生は各学科に分かれてオリエンテーションに参加しました。お昼休みには50周年スクエアにキッチンカーが並び、新入生と部活動の勧誘を行う在学生でにぎわっていました。 

 

2023年度前期「夕学オンライン」開催(お知らせ)

「夕学五十講」から「夕学講演会」にリニューアル。※
これまでの全25回から全15回へ縮小し、見逃し配信が従来の3日間から「講演終了翌週の金曜からの1週間」に変更。
昨期同様、講演資料のダウンロードができ、ライブでの質問も可能です。

※慶應MCCからのお知らせ:「夕学講演会」へのリニューアルについて

コロナ禍により、夕学サテライト配信事業は一旦中止となりましたが、配信元の慶應丸の内シティキャンパス(慶應MCC)では「夕学オンライン」として15講座をWEB配信している旨、受講者の皆様にお知らせいたします。

「夕学オンライン」は、慶應MCCとWEBセミナープラットフォーム事業を展開する株式会社ファシオとの共催事業として、夕学講演会の講演をインターネットでリアルタイム視聴できるサービスです。

お手元のPC・スマートフォン等の各デバイスからお好きな場所でリアルタイム受講でき、一週間の見逃し配信もご利用いただけます。

詳細や購入は株式会社ファシオのWEBセミナープラットフォーム「Deliveru」をご確認ください。

岡山商科大学は2003年10月の「夕学五十講」サテライト会場の発足から、19年間、衛星通信やインターネットを活用して、東京の最先端の知見を岡山へと配信してまいりました。その仕組みを絶やさないためにも、オンライン講座も広報協力を行っていきたいと考えておりますので、引き続きよろしくお願いいたします。

また、夕学オンラインで使用できる「岡山商科大学特別クーポン」を限定でご用意しております。クーポンのコードと使用方法については、お気軽に社会総合研究所までお問い合わせください。

岡山商科大学 社会総合研究所
〒700-8601 岡山県岡山市北区津島京町2丁目10-1
TEL:086-252-0642(代表) E-mail:syaken@po.osu.ac.jp

<夕学オンライン(全15講座)>

4月11日(火)
安藤 優子 キャスター・ジャーナリスト
「報道の現場から ~自民党の女性認識~」
※本講演は、講演60分・質疑応答30分の構成(20:00終了)です。
◎見逃し配信日程 2023年4月21日(金)0:00 ~ 4月27日(木)23:59

4月13日(木)
村瀬 俊朗 早稲田大学商学学術院商学部 准教授
「流動化時代の創造的チームづくり」
◎見逃し配信日程 2023年4月21日(金)0:00 ~ 4月27日(木)23:59

4月18日(火)
梅田 悟司 コピーライター、武蔵野大学アントレプレナーシップ学部 教授
「言葉が果たす「言葉以上の役割」とは?」
◎見逃し配信日程 2023年5月12日(金)0:00 ~ 5月18日(木)23:59

5月10日(水)
片桐 仁 俳優・声優・タレント・彫刻家
「アートに会おう、遊ぼう、自分を楽しもう」
◎見逃し配信日程 2023年5月19日(金)0:00 ~ 5月25日(木)23:59

5月22日(月) 
野田 稔 明治大学専門職大学院グローバル・ビジネス研究科 教授、リクルートワークス研究所 特任研究顧問
「「大変」な時代のリーダーシップ ~リーダーシップの変遷と時代の求めるリーダーシップ~」
◎見逃し配信日程 2023年6月2日(金)0:00 ~ 6月8日(木)23:59

5月25日(木)
辻 秀一 スポーツドクター
「攻めと守りのメンタルトレーニング ~ごきげんマネジメント~」
◎見逃し配信日程 2023年6月2日(金)0:00 ~ 6月8日(木)23:59

6月14日(水)
平藤 喜久子 國學院大學神道文化学部 教授
「日本の神様を知っていますか ~神話学から紐解く~」
◎見逃し配信日程 2023年6月23日(金)0:00 ~ 6月29日(木)23:59

6月15日(木)
伊丹 敬之 国際大学 学長、一橋大学名誉教授
「中二階の原理 ~日本を支える社会システム~」
◎見逃し配信日程 2023年6月23日(金)0:00 ~ 6月29日(木)23:59

6月20日(火)
能條 桃子 一般社団法人NO YOUTH NO JAPAN 代表理事
「若者が声を届け、その声が響く社会を目指して」
◎見逃し配信日程 2023年6月30日(金)0:00 ~ 7月6日(木)23:59

6月22日(木) 
神﨑 亮平 東京大学先端科学技術研究センター 教授
「サイボーグ昆虫 ~昆虫科学が拓く異次元の世界~」
◎見逃し配信日程 2023年6月30日(金)0:00 ~ 7月6日(木)23:59

6月29日(木)
若月 貴子 クリスピー・クリーム・ドーナツ・ジャパン株式会社 代表取締役社長
「V字回復を支えた組織改革と人材育成」
◎見逃し配信日程 2023年7月7日(金)0:00 ~ 7月13日(木)23:59

7月5日(水)
山尾 佐智子 慶應義塾大学大学院経営管理研究科 准教授
「「ダイバーシティとインクルージョン」から「DEI」へ」
◎見逃し配信日程 2023年7月14日(金)0:00 ~ 7月20日(木)23:59

7月11日(火)
渡辺 靖 慶應義塾大学環境情報学部 教授
「アメリカ社会の分断とトランプの影」
◎見逃し配信日程 2023年7月21日(金)0:00 ~ 7月27日(木)23:59

7月18日(木)
坂井 豊貴 慶應義塾大学経済学部 教授、Economics Design Inc. 取締役・共同創業者
「経済学のビジネス実用 ~学知が富の源泉となった時代~」
◎見逃し配信日程 2023年7月28日(金)0:00 ~ 8月3日(木)23:59

7月27日(木) 
井崎 義治 千葉県流山市長
「人口減少時代に選ばれる自治体をつくる」
◎見逃し配信日程 2023年8月4日(金)0:00 ~ 8月10日(木)23:59

開催時間:18:30~20:30
受  講   料:1講演4,400円(税込)、全講演41,250円(税込)
※後日、一週間の見逃し配信付

2023年度前期夕学オンラインチラシ(PDF)

 

2022年度学位記授与式が挙行されました。

 2023年3月22日(水)に学位記授与式(卒業式)が挙行され、3学部4学科と3研究科の計433名が学び舎を巣立ちました。昨年度まではコロナ禍により保護者の皆様にはご来場をご遠慮いただき、オンラインでライブ配信を行うなどの対応を行っておりましたが、保護者の皆様にもご来場いただき、マスクの着用も各自の判断とするなど、ほぼコロナ禍前の様式での開催となりました。

 数日前までの天気予報では菜種梅雨とのことで雨予報でしたが、幸いなことに晴天で迎えることができました。

 10時からの式典の前には、正門や中庭で記念写真を撮影する卒業生と保護者の様子が見られました。

 学位記授与式では、最初に各研究科、各学科の代表者が登壇し、学位記を学長から受け取り、成績優秀者の表彰が行われました。

 学長の式辞では「社会の移り変わりに押し流されることなく、社会の変化に対処していくため、絶えず学ぶ姿勢を持ってください。くれぐれもご自愛なさり、ご活躍されることを祈念します」との言葉がありました。

 本学同窓生で公認会計士の西山俊明さんから、ご自身が公認会計士となるまでのご経験についてのお話があり、社会に出てもそれぞれ頑張って欲しいとのご祝辞をいただきました。

 在学生代表として経営学科2年の牧浦菜桜さんから「(コロナ禍の中)社会の変化や時代の流れに対応しながら、日々努力されたことは、必ず今後の力となり活かされることと思います」「それぞれの道に進み、夢や目標に向かい挑戦をし続けてください」と送辞が述べられ、卒業生を代表して経営学科4年の井澤流星さんから「楽しい仲間と出会い学んだ四年間の経験や知識を糧に、ひとりの社会人として励んでいきたい」「今日までご指導いただいた先生方、職員の皆様、慕ってくれた後輩、そして、一番近くで心の支えとなってくれた家族に改めて御礼申し上げます」との謝辞がありました。

 式典終了後、卒業生は各ゼミごとに、担当教員から学位記を受け取りました。また、学生会館では学芸員課程を修了した学生7名に、担当の福本先生から学芸員資格取得証明書と博物館実習報告書がお祝いの言葉と共に手渡されました。

 次いで、教職課程を修了した学生11名に教育職員免許状と教育実習感想文の冊子が配布され、教職担当教員の吉田先生、南光先生、村上先生から激励の言葉がありました。

〈経済学部通信〉佐藤豊信先生が退職されます

令和5年3月をもって,本学経済学部の佐藤豊信先生が退職されます。

佐藤先生は平成27年3月に岡山大学大学院環境生命科学研究科を退官された後,本学経済学部に着任されました。

ご専門は農業経済および農業政策であり,水利権や農村地域における資源,介護など,多角的な視点から国内外の農業経済について研究され,多くの業績を残されました。

また,農業経済論や地域政策などの授業を担当され,教育面でも経済学部の発展にご尽力いただきました。

本ブログにおいても,「水」にかかわる話題を始めとして,非常に面白い記事を多数お寄せいただいているので是非ご覧ください。

〈経済学部通信〉商大キャンパスを取り囲む農業用水路から歴史を見てみると 

〈経済学部通信〉経済学と自然科学

〈経済学部通信〉大学と楷の木

〈経済学部通信〉最適技術とは何か?

 

(左)佐藤豊信先生 (右)田中勝次経済学部長

3月15日経済学部教授会にて

(経済学部 熊代和樹)

国立大洲青少年交流の家 法人ボランティア表彰

愛媛県大洲市の「国立大洲青少年交流の家」において、ボランティア活動に従事した経営学部商学科4年生・金子大輔さんが、同施設から法人ボランティア表彰を受けました。金子さんは、高校3年生の時、同施設のボランティア養成講座に参加したことをきっかけに、合宿でのスタッフ、カヌーの事業、ボランティア自主企画事業などの活動を大学在学中も継続し、5年間で13事業、のべ28日間の活動に従事したことが評価され、今回の表彰となりました。2023年2月27日(月)に開催された表彰式では同施設次長の北島直幸さんから、金子さんがとても子どもたちに慕われていたこと、非常に真面目に活動に取り組んでいたことの紹介がありました。

<金子さんからコメントをいただいたので紹介します。>

高校3年生の時から始めたボランティア活動は、国立大洲青少年交流の家での「健全な青少年育成を目的」とした社会教育施設で、職員の方のサポートや子供たちと一緒に活動プログラムをすることです。活動中は、たくさんの子供たちから笑顔や元気をもらいました。この度、ボランティア活動が認められ国立大洲青少年交流の家より表彰を受けました。これからもこの経験を糧とし、日々努力していきたいと思います。みなさんも、気負わず身近なボランティア活動に参加してみてはいかがですか。

経営学部商学科・金子大輔

ボランティア活動の様子
ボランティア活動の様子

〈経済学部通信〉お元気ですか? 遠く離れた大連より 

今回は   中国・大連に帰省されていた韓先生にご寄稿いただきました。 


 凍てつく大地に降り立ったのは、岡山を立って2日後だった。
 コロナ禍前ならこっちの家からあっちの家まで半日で行き来できる距離だが、今回は新幹線で成田、中国入国のためのPCR検査、そして4時間遅れの空の便…
 でも、母の顔を思い出すと、すべての苦労は蜜の味。

 3年間、千日余り、この月日の流れが目見えて感じられたのは、身長も顔だちも見違えるほど成長した甥と姪たち、それともう一つ、スタッスタッと台所を動き回っている母の、やや小さくなったうしろ姿。山ほど伝えたいけれど、口を開けば涙。痩せただの顔色がよくないだのと、みんなの中のわたしの大好きな料理を次から次へと勧められて「はいはい」とばかりで、なぜかどれもしょっぱい味だった。
 この3年間、失ったものはいかに大きいことか。

 
  母の暦の今日

 明日で新年はひと月が経つ。だが、旧正月はまだ9日、お正月の真っただ中だ。田舎にある実家では一日中爆竹や打ち上げ花火の爆音が響いてくるし、家々に年始回りに訪ねるのを控えて道端で交わされた年始の挨拶が時折聞こえてくる。一声ひとこえは元気がいい。そして家々の入口に高く飾られている赤い提灯、あかあかと兎の年の順風満帆を祈っていよう。

願いがこもった提灯、赤々と

 この2、3日、風もなく陽燦々。もう立春だったんよと母は言った。ほんとだ、つい先日姪と一緒にスケートして遊んでいたダムが、もうすでに岸辺から溶け出していた。お昼前に母と2人で裏山を登ったら、黄色一色の山の中腹の日当りのいいところにうっすらと青く芽吹き始めた野草も出たのではないか。すべてが動いているのだ。

ダムの氷上を滑る

 この裏山の東側、村を見渡せるところに韓家の墓地があり、父がそこに眠っている。雑木林の中でも遠くから青く茂っている2本の柏が目印だ。古希を迎えた母が守ってくれているこの家を、20年間も黙々と見守り続けてくれており、この先もずっとずっと…

裏山を降り、枯れ枝を薪に持って帰る母

―私たち兄弟3人の心の住処、いつでもどこでも思い出せば心がポカポカ―

わがふるさとよ とわのエナジー

(経済学部・韓)

 

〈経済学部通信〉2022商大祭 DAY 2

12月10日,11日に開催された本年度の商大祭に合わせ,経済学科では学年毎に対抗ゼミイベントを開催しました。今回はその二日目に行われた3・4年生研究演習のプレゼンテーション大会の様子をお伝えします。

一日目に関する記事はこちらへ


國光ゼミAチーム これからの社会人基礎力と就職支援
経済産業省が提唱している,「前に踏み出す力」,「考え抜く力」,「チームで働く力」からなる社会人基礎力について発表しました。時代とともに働き方や必要とされるスキルが変化していることに触れながら,これらの力がなぜ必要か,どのように身につけるかについて説明しました。また,発表の後半では実際に社会人基礎力を身につけるために参加した,瀬戸内市へのインターンシップについての報告がありました。

山下ゼミ キャッシュレスについて〜今後の未来〜
現在の日本のキャッシュレス決済の現状と今後の見通しについて発表しました。キャッシュレス決済のメリットとデメリットを利用者目線,事業者目線の両面から概観しつつ,具体的な事例を挙げながら解説がありました。また,キャッシュレスを促進することの政策的な観点からの意義についても言及されました。

國光ゼミBチーム シニアの就活アプリ〜瀬戸内市民のための就職支援プラン〜
ゼミ活動の一環として行った,県内の高齢者雇用を促進するための政策提言について発表しました。政策の現場や学内の高齢職員へのインタビューをすることで県内の高齢者雇用の現状と実際の労働者の声が丁寧に調査されていました。これらの結果を踏まえ,現在の求人サイトは高齢者に対し最適化されていないことに着目し,高齢者専用の求人アプリを実際に作るという非常に意義のある活動をしています。

渡辺ゼミ アンケートデータを用いたおすすめの飲食店のマップ作成
学生を対象にアンケート調査を元にした,岡山市内で学生が利用しやすい飲食店の紹介を行いました。コロナ禍に入学したことで学生同士の交流ができなかった世代ですので,コロナ対策が緩和されつつある今,残された学生生活を充実したものにするための一助となり得る発表でした。

井尻ゼミ 日銀グランプリの取り組み2022
例年開催されている,学生による政策提言の場である日銀グランプリの活動報告をしました。井尻ゼミでは班ごとに交通インフラ,ゴミ分別,キャリア計画に注目し,分析と提言を行いました。どの班についても現状の問題点を丁寧に分析した上で,海外の導入例などにも触れながら意義のある提言が為されました。

両角ゼミ イギリス産業革命期の人びと
イギリスの産業革命期の生活について発表しました。イギリスといえば紅茶とフィッシュアンドチップスが有名ですが,これらが産業革命期に労働者が求めた食事であり,それが現在まで文化として根付いているという興味深い報告がありました。後半では当時の勤務体系や富裕層と労働者の比較について説明がありました。

田中勝次ゼミ 中国における人口制限政策の緩和と影響
中国のいわゆる一人っ子政策の変化とそれに伴う人口への影響について発表しました。人口抑制を目的として始まった一人っ子政策ですが,多くの先進国が抱えるように人口減少に直面し,見直しが行われています。その背景にどのような課題があり,どのような対策が取られているかについて,留学生3名のグループが発表しました。

各チームのプレゼン終了後,学生と教員による投票が行われ,以下の通り受賞チームが決定しました。

総合1位 國光ゼミBチーム
総合2位 井尻ゼミ
総合3位 両角ゼミ
デザイン賞 國光ゼミAチーム
スピーチ賞 井尻ゼミ
敢闘賞 渡辺ゼミ

 

 

社研 青山敦子客員教授が令和4年度JAPEW指導者賞を受賞

本学社会総合研究所 青山敦子客員教授が令和4年度 JAPEW(Japan Association Physical Education for Women:日本女子体育連盟)指導者賞を受賞し、令和4年11月19日(土)にかごしま県民交流センターで開催された公益社団法人日本女子体育連盟が主催する全国女子体育研究大会にて表彰式(動画配信)が行われました。

JAPEW 指導者賞は、体育・スポーツの指導を通じて功績を挙げ、学校体育や生涯スポーツの普及に貢献した女性体育指導者を表彰するとともに、優秀な女性体育指導者の育成を図ることを目的としています。

青山客員教授は岡山県女子体育連盟発足時の発起人の1人であり、発足当時から副会長として会長をサポートし、持続可能な組織づくりへ向けて多大な貢献をされました。また、「総社市スポーツ振興藤岡郁海賞」、「岡山芸術文化賞功労賞」、「全国学校体育研究功労者表彰」「岡山県教育関係功労者(特殊業績ダンス指導)」、「岡山県学校文化関係者表彰」と数々受賞し、現在も岡山商科大学の社会総合研究所客員教授として、商大講座「リフレッシュダンス教室~健康な心とからだづくりをめざして~」の講師を担当し、社会体育の方面の指導者としてのたゆみない向上心をもち、ダンスの力で社会貢献していこうと活動を継続していることが称えられ、今回の受賞となりました。

<青山客員教授 受賞コメント>
この度は「JAPEW指導者賞」という栄誉ある賞を頂戴し、誠に有り難うございました。
岡山県連盟の立ち上げに微力ながら関わらせて頂き、会員と共に10年間地道に活動を積み重ねてまいりました。38年間に渡る学校体育での経験を生かし、退職後は生涯スポーツとして大学生やシニア層の皆様と一緒に活動していく中で沢山の発見と学びがありました。
今後は地域の方々にダンスの楽しさをより感じて頂けるよう、気持ちを新たに精進したいと思います。

なお、青山客員教授は、今年度よりNPO法人ミスダンスドリルチーム・インターナショナル・ジャパン理事及び中国・四国地区担当にも就任されています。

NPO法人ミスダンスドリルチーム・インターナショナル・ジャパンは、中学・高校生等を対象に、ダンスドリル競技の普及並びに指導に関する活動とダンスドリル競技の発表の場の提供(地方大会及び全国大会の開催、並びに国際大会の派遣)を行い、健全な青少年の育成、かつ競技活動に関わることで社会の一員である自覚を植え付けるなど、情操教育に寄与するとともに世界との文化交流を目的としています。

学長室にて、井尻学長から今までの活動に対して感謝を述べるとともに、受賞のお祝いをしました。

(社会総合研究所)

 

〈経済学部通信〉2022商大祭 DAY1

12月10日,11日に開催された本年度の商大祭に合わせ,経済学科では学年毎に対抗ゼミイベントを開催しました。今回はその初日の様子をお伝えします。


1年生ディベート大会
1年生は必修科目である教養演習の一環としてディベート大会を開催しました。
テーマは日本が直面している「移民問題」と「経済格差」の二つで,事前に行われた予選を勝ち抜いた宮島ゼミ,井尻ゼミ,池田ゼミ,佐々木ゼミがディベートを行いました。一年生にとっては難しいテーマだったかも知れませんが,お互いにデータや引用を上手く使いながら自分たちの主張を繰り広げていた点が印象的でした。

優勝は移民問題部門については宮島ゼミ,経済格差部門については佐々木ゼミとなりましたが,どのチームも綿密な準備のもとチームワークを発揮していました。教養演習を担当している教員からも,「ゼミの中で初めてディベートをした時はたどたどしかったものの,繰り返し練習していくうちにきちんとした議論ができるようになってきた」と,学生達の成長を喜ぶ声がありました。

 

2年生プレゼンテーション大会
2年生は必修科目「基礎演習」ごとのチームで各々が決めたテーマについてプレゼンテーションを行いました。
今回のプレゼンテーション大会では以下のようなテーマで発表が行われました。

國光ゼミ ナッジを利用して生活改善
山下ゼミ グリーン経済に向けて〜企業や政府の取り組み〜
田中勝次ゼミ 人口減少による労働力不足〜外国人労働者受け入れによる労働力の多様化を目指して〜
渡辺ゼミ 家賃分析
井尻ゼミ 日経ストックリーグ
佐藤ゼミ 大学生におすすめしたいおすすめグッズ

 発表の中では,現状の問題点を丁寧に分析した上でこれまでに学んだ経済学的な視点を取り入れた政策提言をしているゼミ,見やすく工夫された資料を活用しながらわかりやすい説明をしているゼミなどそれぞれグループで協力しながらよく準備をしてきたことが伺えました。経済学の学習だけでなく「人に伝える」というスタディスキルをよく鍛錬してきた結果が示されていたように思います。

 優  勝は渡辺ゼミとなりました。渡辺ゼミは家賃に関する多数のデータをもとに質の高い分析を行っているとともに,発表の仕方についても原稿を見ることなく聴衆に伝えられていた点が高く評価されました。教員からは「2年生ながら3,4年生のプレゼン大会に参加しても上位に入ることができる。是非学外の大会にもチャレンジしてほしい」との講評がありました。