台湾 修平科技大学 応用日本語学科 本学で夏季研修(2)

台湾の修平科技大学応用日本語学科の本学での活動も二週目に入りました。午前中に日本語を学び、午後からは日本事情や日本文化について学ぶのは同じですが、二週目からの日本語の授業では、日本語・日本文化勉強会のボランティアも参加し、一緒に会話練習も行いました。
日本事情の講義では、8月24日(月)には、西春奈先生が「地域と大学の連携可能性」について、本学学生の番田芋の活動についてお話くださいました。番田芋のどら焼きの試食は大変好評で、皆さん、お土産に買って帰られるようです。その後、受講生はグループに分かれて、台湾の地域と大学との連携の現状について日本語と中国語を交えたプレゼンテーションを行い、本学の学生と質疑応答をしました。

 

25日(火)は倉敷美観地区見学と浴衣体験、26日(水)は菊川先生の「柔道」の講義と実技、27日(木)は招き猫美術館の見学と招き猫の絵付け体験など、さまざまな日本文化体験を行いました。

28日(金)には、この二週間で一番思い出に残ったことを日本語でスピーチしました。その後、閉講式で修了証書が授与されました。講師をつとめてくださった陳先生、西先生、菊川先生、そして日本語・日本文化勉強会ボランティアの皆さん、ありがとうございました。受講生もスピーチで触れていましたが、人と人とのつながりの大切さを実感した二週間でした。

(経営学部商学科 松浦芙佐子、林麗華)

 

台湾 修平科技大学 応用日本語学科 本学で夏季研修(1)

昨年に引き続き、台湾の修平科技大学応用日本語学科の社会人コースを中心とする研修団30名が、廖鑫先生の引率で、本学での2週間の夏季研修に来岡されています。主に、午前中に日本語を学び、午後からは日本事情や日本文化について学ぶプログラムです。
8月18日(火)は開講式の後、日本の金融についての講義を井尻先生から受けました。その後、岡山といえば白桃ということで、桃狩りに出かけました。19日(水)は岡山紹介の講義とキャリアセンターの吉田さんと横田さんを講師にお迎えして日本のビジネスマナー講習会を実施しました。日本語・日本文化勉強会のボランティアも加わって、敬語を使った電話対応の練習をしました。

日本文化体験として、18日(火)は旧暦の七夕でしたので、短冊に願い事を書いて笹に飾りました。20日(木)には大学のセミナーハウスの和室でお抹茶体験をしました。慣れない正座に苦労しながら、美味しいお抹茶をいただきました。21日(金)には日本の折り紙の歴史と応用を学び、その後、浴衣を折りました。

来週も研修は続きます。研修団を迎えるためご準備くださった国際交流室、総務企画課、学生課、施設課の皆さん、講師をつとめてくださった井尻先生、キャリアセンターの吉田さんと横田さん、陳先生、講義をお手伝い下さった黎先生、日本語・日本文化勉強会ボランティアの皆さん、ありがとうございました。

(経営学部商学科 松浦芙佐子、林麗華)

 

 

<経済学部通信> 成績評価・期末試験の悩み

金融機関および関係会社でリサーチ業務を中心に42年間勤務したのち、大学教員となりましたが、これからの未来を背負う若い方々にお伝えしたいことは沢山あります。 しかし、昭和の時代に社会人生活を始めた者としては、年齢差の大きい皆さんに何をどの様にお伝えするのが一番良いのか、より効果的なものを目指して、日々研鑽を重ねて行く必要があります。

とりわけ成績評価については、学生諸氏にとって極めて重要な問題であり、一教員として真摯に取組んでおりますが、悩みは尽きません。 ちなみに、私が担当している科目では、各講義の理解度を確認する毎回の小テストや、期末試験の点数を用いて成績評価を行っていますが、期末試験の採点を行う度に、色々と考えさせられるところがあります。

今や生成AIが高度に発達していますので、記憶力を試すことにはあまり力点をおかない様にしています。 正直なところ、小生も、記憶はそれほど得意ではなかった様に思います。 それよりも、物事に対して真摯に取組む姿勢、そして以前は理解できなかったことが理解できる様になった喜び、さらに各学生の好奇心が如何に発揚されたか、を重視できれば理想的です。

しかしながら、現実には普段教室の前の方で熱心に授業に参加している学生の得点が意外と伸び悩んだり、そうでもない学生が高得点を挙げたり、採点の結果は私にとっても悲喜こもごもです。 熱心と思われる学生の得点が低い場合は、私の教え方が拙かったのではないか、教室であまり見かけない学生の得点が高いということは、私の講義の価値が低いのではないかと。

懸命に努力を続けている学生と、要領だけが良い学生の比較は、正解のない問題なのかも知れません。 実際、逞しく生きていく上では、要領も不可欠な要素だと思われます。 私も、長年の海外勤務の際に、異文化で育った同僚と手を携えて業務に取り組む経験を積ませていただきましたが、やはり努力だけではなく、要領も必要だったというのが実感です。

私の講義には、海外からの留学生も沢山参加してくれています。 彼等にとっては、「日本語」という壁が大きく立ちはだかっていると思いますので、基本用語の読み方を含め、誤解を招かない簡明な解説が求められます。 かといって、複雑な事象を余りにも初歩的な説明で済ませてしまうと、今度は日本人の熱心な学生の学習意欲を削いでしまうことになりかねません。

このような背景から、私が使用する教材では複雑な事象を丁寧に説明することを心掛けており、そのためかかなり分厚いものとなっています。 そして、「記憶力よりは思考力」という観点から、期末試験の際に教材の持込みを認めている科目もあります。 すると、「努力よりも要領」と思われる学生が高得点を上げかねないので、今後とも試験問題に工夫を凝らさなければなりません。

という次第で、期末試験は学生の皆さんにとっても、そして教員である私にとっても、大きなチャレンジです。 学生の皆さんには、最大限の応援を送りたいと思います。 「みんな、頑張れ!」

期末試験の様子
期末試験の様子

(経済学部 森川公隆)

〈経済学部通信〉MBTIは信じていいの?

今回は中條先生にご寄稿いただきました。


最近,若い人たちの間でMBTIという性格検査が流行っています。これって信じていいのでしょうか。

MBTIはアメリカで作られたものです。MBTIは,性格を類型化(タイプ分け)する検査として,アメリカでは広く使われている検査だと言われています。

ところで,日本にも似たようなものがあります。御存知の血液型性格診断です。実はこの血液型性格診断は,「心理学研究」という日本心理学会の権威ある論文誌に,古川竹二(東京女子高等師範学校(現在のお茶の水女子大学)教授)という研究者による「血液型による氣質の研究」という論文(古川,1927)で,科学的な「心理学的」検査として発表されたものです。この論文が発表された当時の医学界では最新の知見であった血液型と,性格という心理学的概念とを関連付けたものとして評価されて,陸軍の人事管理にも用いられたと言われています。

この検査は,やがて放送作家の能見正比古によって,「血液型でわかる相性」(青春出版社,1971年刊行)などの若者向けの書籍や雑誌記事で一般に紹介され,ブームを巻き起こすほどに広まりました。

しかし,古川の論文(古川,1927)は今日的な心理学研究の水準から見るとまったく信用できないもので,日本心理学会は,性格心理学の研究者による論文や書籍,講習会などでたびたび血液型性格判断を否定する見解を示しています。
例えば2025年1月には,「血液型性格と心理学 ―血液型と性格は本当に関係があるのか? 歴史とデータから明らかにする―」をという講習会を開催しています。それらのことが功を奏してか,あるいはすでに飽きられてしまったのか,最近では血液型と性格に関係があるというデタラメな説を信じる人は少なくなってきたように思われます。
私も自分の担当する心理学の概論の授業で,適切な心理検査,例えばBig Fiveと呼ばれる検査ようなものを用いれば性格を測定することは可能であるけれども,血液型性格診断では性格は測れない,という話をします。

しかし,血液型性格診断にとってかわるように,最近になって若い人たちの間で流行りだしたのがMBTIです。はたしてMBTIは信用できるのでしょうか。

不思議な話ですが,血液型性格診断をやっきになって否定している日本心理学会では,あまりMBTIは話題に上がっていないようです。そこで,MBTIについて, アメリカ心理学会(American Psychological Association: APA)の編集した心理学辞典「APA Dictionary of Psychology」(VandenBos, 2006)を調べてみました。

同辞典には,MBTIの項目がありました。項目の見出しは,「Myers-Briggs Type Indicator (MBTI)」です。説明を要訳すると,以下のようになります。

 

マイヤーズ・ブリッグス・タイプ指標(MBTI)

特定の特性に関する対照的な2つの選択肢のどちらを選ぶ,という選択に基づいて,その人をいくつかある性格分類の1つにタイプ分けするように設計された性格検査。性格分類はユングの類型論に基づいている。検査を受ける人は,選択のパターンによってユングの類型に基づくタイプに割り当てられる。しかし,この検査は心理学研究者の間では信頼性が低いとされている。教育カウンセリングや人事管理の分野では,広く利用されている。

 

APA編集の辞典で,心理学研究者は信頼性が低いとしているということを明記していることは重要だと思います。つまり,MBTIは,性格分類こそ臨床心理学の大家であるユングのパーソナリティー類型の理論に依拠しているものの,タイプ分けを行う検査自体の信頼性が低いこと,それにも関わらずアメリカでは広く利用されていることが明記されているのです。

MBTIという検査の名称は,作者のIsabel Briggs Myers (1897-1980)とKatharine Cook Briggs (1875-1968)母子の名前によるものです。APAの心理学辞典の事項説明では,Isabel Briggs Myersを性格学者 personologistと紹介しています。通常,性格検査の専門家であれば性格心理学研究者 personality psychologist という用語が用いられるのではないか,と思われますが,一般的でない personologist という紹介がなされていることには何か理由があるのかもしれません。

日本で広まっている血液型性格診断は,心理学的には性格検査としては認められません。そのため性格検査として用いるのは誤りです。ましてや血液型で人を差別したりするようなことがあってはなりません。しかし,会話の糸口や友達同士での円滑なコミュニケーションのためのツールとして用いるのには何の問題も有りません。
APAの心理学辞典の記載内容を見る限り,このことはMBTIでも同様ではないでしょうか。インターネットで検索するとMBTIやそれと類似した16Personalitiesといった検査を紹介したり,それであなたの性格や適性を診断してみようといったサイトがいくつもヒットします。
MBTIを自己理解の入口として用いたり,遊びとして他者とのコミュニケーションを円滑にするツールに用いたりする分にはよいでしょう。しかし,MBTIの結果に縛られて自分の可能性を決めつけてしまったり,自分の付き合う相手を選んだり,職業を選んだり,なんてことをしているとしたら,それはあなたの可能性を狭める行為と言えるかもしれません。

(経済学部 中條和光)

 

文献

古川竹二 (1927). 血液型による氣質の研究 心理学研究,2,612-634.

能見正比古 (1971). 血液型でわかる相性 青春出版社

VandenBos, Gary, R. (2006). APA Dictionary of Psychology. Washington, D.C. : American Psycholloogical Association.