1月16日 犯罪被害者支援講演会「思いやりで社会を変える。飲酒運転ゼロを目指して!」①

1月16日、福岡より山本美也子氏をお招きして、本学の一番広い教室である781号教室にて、飲酒運転撲滅にかかる犯罪被害者支援講演会を開催いたしました。

当日はテレビ局3局、そのほか新聞社等報道も集まってくださり、会の様子やつぼみの学生のインタビューも放映されました。

山本氏の講演は・・・簡単に感想を述べることができないのですが、ご令息を亡くした悲しみを湛えながらも、ずっと笑顔でお話され、とても前向きで、若い人の背中を押すような内容でした。また飲酒運転の恐ろしさを、「よっぱらいめがね」などの小道具もお使いになりながら説得力をもって説明され、大変感銘を受けました。つい、自分を過信して、「このくらいなら大丈夫」と思ってしまう。あまりにも普通の人が、ついやってしまうのが飲酒運転の怖さだと思いました。

そして、おそらく多くの人にとって印象的であっただろうと思うのは、

「明日が来ることは当たり前ではない」

「今、生きている今日という日を大事に」

というお言葉でした。漫然と生きていると、「今がんばらなくても、いつかそのうち」、大事な人に感謝を伝えるのも「今でなくても、いつかそのうち」とつい思ってしまいそうです。きっと多くの聴講された方々にとって、思うところがあったのではないでしょうか。

そのほか、岡山の犯罪被害者支援活動に携わる学生達の活動報告も行われました。こんな大勢の前で報告をするのはおそらく初めてだったであろう、1年生のTくん達、緊張したでしょう。お疲れ様でした。

 

11/22慶應MCC夕学講座

会場準備や運営をお手伝いしてくれている学生スタッフによる感想です。

「仕事人生のリセットボタン:長期間労働時代をいかに完走するか?」
東京大学大学総合教育研究センター 准教授 中原 淳 氏
為末 大 氏

今日は東京大学大学総合教育研究センター准教授の中原淳先生と3度オリンピックに出場し、男子400メートルハードルの日本記録を持っている為末大さんのお話でした。為末大さんは、アスリートはいつまでも自分で競技を続けていくことが身体的に難しくいずれかは別のキャリアを選択しなければなりません。このことは長生きが進んできており、100歳を超える人が当たり前のように出ている日本のビジネスパーソンにも必要ではないかというお話でした。

中原先生は、今までの時代はよい大学に入ることによって、よい就職、よい人生、そしてよき老後へと単線のエスカレーターの形で上がっていっていました。しかし長生きをして仕事する期間が長くなると未来の予測が難しくなり、立ち止まり考え直し新しいエスカレーターに乗り換えなければ仕事人生を完走することができないということです。

今回、為末さんのお話の中にでてきた自分のキャリアを考え直すツールである自分年表というものに興味を持ちました。自分年表にはあの時何があり、そこから何が得られたのかを記入していくものです。ここに自分の気分やモチベーションの上げ下げなどを追加するとどんな人生を送ってきたのかが分かりやすくなり便利になると思います。高校を卒業する日に進路担当してくれていた先生に「人生は平たんだと面白くない、山あり谷ありの折れ線グラフのような人生の方が楽しい」といった言葉をかけられたのを覚えています。今私の人生を振り返ると、小さな山や谷はあったと思いますが、大きな山や谷はないと思います。それはおそらくチャレンジしてきてなかったからです。自分年表は過去を振り返るだけでなく、未来を創っていくものです。少し自分年表を書き起こしたことによって、これからどういった人生を送っていくのかを考えるきっかけになりました。

 

感想担当:おのっち
主に夕学講座準備から運営のお手伝い。
にこやかな笑顔とナイスな機転で協働してくれる頼もしい学生です。
商学科(FPコース)3年生

11/21慶應MCC夕学講座

会場準備や運営をお手伝いしてくれている学生スタッフによる感想です。

「投資の本質~人の可能性に投資する~」
レオス・キャピタルワークス株式会社
代表取締役社長・最高投資責任者 藤野 英人 氏

今回は、投資の本質とはどういうものかについてお話しいただきました。投資に対する漠然としたイメージがはっきりし、投資の新たな見解を得ることができました。

日本人は働くことが嫌いかもしれない、と藤野先生はお話されました。就労している18~19歳の若者に働くことの意義について、調査した結果、できれば働きたくないと回答したのが28.7%でした。社内での人間関係や労働時間の深刻な状態も原因にあげられますが、藤野先生は、「ブラック消費者」のせいではないか、と指摘されました。飲食店やレジなどで、「お金を払っているのだから、ありがとうを言う必要はないだろう」という冷たい態度の消費者を指します。働くことはストレスと時間をお金に換えることだと考えてしまい、会社も自分も成長する機会を得られませんし、会社を信頼して投資しようという考えも生まれなくなります。働くことが嫌いで会社も信用できず、投資もしない。この悪循環を変えるためには、まず消費者が変わらなければいけないとお話されました。それは「ありがとう」を言うことです。ありがとうの一言で、頑張ってよかった、次も頑張ろうと思い、働くことが好きになり、成長機会を与えてくれる会社が好きになり、会社への信頼が生まれ、投資をするきっかけになるのです。

次に、投資の本当の意義とは、ただお金儲けをすることではなく、「エネルギーを投入して、未来からお返しをいただくこと」だと言われました。エネルギーとは情熱、行動、時間、回数、知恵、体力、運、愛情、お金であり、投資で投入するお金はほんの一部です。未来からのお返しとは、モノ・サービス、感謝、成長、経験、お金です。自分を高めるための自己投資と他人のためにする他己投資があり、勉強をしたり、スポーツをしたり、恋愛をすることすら、自己投資になります。教育、設備、株式、社会に投資することは他己投資になります。そして、ありがとうを言うことは働くことへの意識が変わるので、これも投資の一つだと言われました。

今回のお話で、私は今まさに教育投資を受けているのだと再認識しました。大学から奨学金をもらい、親には生活費や学費を払ってもらい、これが直接、大学や親に返報があるわけではないのに、と思いました。しかし、この投資には親の愛情や、勉強するために大学からの支援があり、私はこれに、感謝と成長と経験でお返ししなければいけないのだと気づくことが出来ました。そして、働くことの意義として、自分や会社の成長のために、自分は何のために頑張っているのか、何のための商品かを考え、目的・目標を定めてアルバイトや勉学に励みたいと思いました。

 

感想担当:あっすー
主に夕学講座準備から運営のお手伝い。
ムードメーカーで、協働していると周囲が明るくなる学生です。
経営学科1年生

広報担当から見た2017プロ野球ドラフト会議 (その3)

蔵本選手は、チームメイトに囲まれる近藤選手を、階段踊り場から見つめていました。「もし、自分が指名されなかったら、悪い雰囲気になってしまう。」

痛めた右肘の再建術を受けたのが、2年生の11月。それから手術後にリハビリを行い、球威を取り戻してから、それほど時間もたっていないのに、ドラフト指名されるのか、育成枠でも指名されなかったら・・・。

そんな想いで一人きりでたたずむ蔵本選手。その様子に気がついた野球部員が、一人、また一人と、蔵本選手を気遣い、階段踊り場へあがってきました。私からは、彼らがどんな会話をしていたのか分かりませんが、いつの間にか、数人が輪のようになって蔵本君を囲んでいました。

近藤選手の胴上げが終わり、マスコミへのリクエストに応えられたことを確認し、記者会見会場へ戻ります。近藤選手が着席し、蔵本選手も少し暗い面持ちで、着席します。しばらくして、ドラフト会議の2位以下の指名が始まりました。

近藤選手を見に来たスカウトに「もう一人、面白いピッチャーがいる」と、監督等が紹介して、注目をされた蔵本選手。球団から求められた調査書の数も近藤選手よりはずっと少なく、関係者の間では、5位指名くらいで来てくれたらすばらしいが、との予想を立てていたようです。

ドラフト指名の下位を待つ間、カメラマンもカメラを置き、記者も近藤選手の記事をまとめるため、ノートパソコンの画面に目を落としています。野球部員を始め、大学関係者は引き続き中継映像を見守っています。3位指名が次々に読み上げられる中の11球団目。

「東京ヤクルト 蔵本治孝 投手 岡山商科大学」

「!?」

「ワァッッッ!!!!」

全く予想していなかった上位指名に、マスコミ関係者も「え?」といった表情で一斉に中継映像に振り向きます。全くの不意打ちに、慌ててカメラを構えるカメラマン。盛大な拍手が巻き起こります。

蔵本選手は文字通り目を丸くしています。大方の予想に反した上位指名に、会場の歓声は長く続き、「蔵本!」と野球部員が遠く呼びかける声が響きます。蔵本選手の表情がようやく和らぎ、求めに応じて監督や近藤選手、井尻学長と握手を交わします。

ざわめきがようやく収まったところで、記者会見が始まりました。

司会が「東京ヤクルトスワローズから3位指名を受けた蔵本治孝からご挨拶を申し上げます」とアナウンスし、蔵本選手が話し始めます。

「本日は、お集まりありがとうございます。まさか自分がこんなに早く呼ばれると思って無くて、正直びっくりしています。」

続いて山陽新聞社による代表質問。

「ヤクルトからの指名、おめでとうございます。近藤選手が先に指名されて、これまでどんな気持ちでしたか?」

「近藤が先に呼ばれて、自分が呼ばれなかったらすごく悪い雰囲気になるとおもったので、早めに呼ばれて安心しています。」

「ヤクルトのチームの印象を教えて下さい」

「最近ではチームとしては低迷していると思うんですけど、自分が戦力の一つとなって頑張っていきたいと思います」

「ピッチャーとしてのセールスポイントを教えて下さい」

「真っ直ぐどんどん押していくところです。どれだけ真っ直ぐが通用するか、プロの世界で挑戦したいと思います。」

1年目の目標など、今の気持ちを誰に伝えたいかなど、マスコミ各社からの質問が続きます。

「近藤選手とおなじプロ野球選手として活躍するわけですが、どうですか?」

「セリーグとパリーグでリーグは違うんですけど、投げ合うことがあれば楽しんで行きたいと思います」

「近藤選手は蔵本選手にとってどんな存在と言えますか?」

「近藤君は、チームメイトです。」

真っ直ぐな回答に、会場に和やかな笑いが起こります。隣から、近藤選手が質問の意図をささやきます。

「あ・・・、投げ合うことがあれば、敵チームとして全力で行きます。」

「近藤選手からみた蔵本選手はどんな存在ですか?」

「僕も真っ直ぐが得意ですが、その得意な真っ直ぐで蔵本君に負けないようにしたいと思います。」

・・・

質疑応答が一通り終わり、インタビューボードを背景にした写真撮影の後、記者会見場から屋外に出て、蔵本選手の胴上げが行われます。蔵本選手のキャラクターによるものか、野球部員から蔵本コールが沸き起こります。

最後に、野球部員が近藤選手、蔵本選手を肩車し、祝福が行われました。カメラに向かって、ガッツポーズを取る二人に、今後のプロ野球界での活躍が期待されます。