2026年10月20日、美作市役所にて、美作市と岡山商科大学による包括的連携協力に関する協定締結式が行われました。 
本協定は、文化・産業・学術など幅広い分野で両者が協力し、地方創生と人材育成を推進することを目的としています。
式典には、美作市の萩原誠司市長をはじめ、市議会・教育委員会・政策部門の幹部が出席。岡山商科大学からは井尻昭夫学長、田中康秀副学長、武久顕也教授らが参加し、地域と大学が手を携えて未来を創る第一歩となりました。
萩原市長は冒頭で、協定に至るまでの経緯を振り返りながら、次のように語りました。
「美作市は知恵を絞り、忍耐強く、しつこいチャレンジを続けないと維持が難しい地域。だからこそ、大学と一緒に学び直す機会を得られることは大きい。」
美作市は県北の東端に位置し、人口減少や産業構造の変化など、地方都市が抱える課題の最前線にあります。市長はそれを「面白い社会実験が常に起きている地域」と表現し、大学との連携によって政策の検証や新たな取り組みが進むことへの期待を示しました。
また、岡山商科大学との縁の深さにも触れ、「卒業生をぜひ採用したい」「学生との人的交流が市政の発展につながる」と、長期的な人材育成への思いを語りました。
井尻学長は、大学創立60周年を経て新たなスタートを切るタイミングで美作市と協定を結べたことを「大変嬉しく思う」と述べました。

「座学だけでは本当の学びにならない。学生が地域に出て、現実の社会を知ることが重要。」岡山商科大学は県内各地で学生の地域活動を積極的に展開しており、真庭市湯原温泉露天風呂祭りでの運営協力、玉野市番田地区での農業体験、備前市日生カキフェスの支援など、実践的な学びを重ねています。
今回の協定により、美作市でも同様の活動が広がり、学生の卒業研究や地域課題の解決に大学の知見が活かされることが期待されます。
さらに、大学が準備を進める「専門職大学院(MBA)構想」にも触れ、地域で働きながら学べる仕組みづくりや、オンライン講義のサテライト拠点の可能性についても言及しました。
協定書では、以下の分野で連携を進めることが明記されています。
・実地体験・インターンシップの推進
・人材育成(学生・市職員双方)
・調査研究・政策提言
・地域ブランディング・産業振興
・社会貢献活動の展開
美作市の政策課題(太陽光発電税など)を大学が研究テーマとして扱う可能性も示され、学術的な知見を政策に反映する新しいモデルが期待されています。

記者からの質問に対し、萩原市長は学生受け入れへの期待を次のように語りました。
「学生が来るだけで街の雰囲気が面白くなる。市民との新しい結びつきが生まれ、地域の良さを発見し、SNSなどで発信してくれることが大きい。」また、美作市のケーブルテレビ会社(みまちゃんねる)のユニークな事業展開にも触れ、学生が地域企業を学ぶ機会としても価値があると述べました。
今回の協定は、単なる連携の枠組みではなく、「地域の課題を学びの題材にし、学びの成果を地域に還元する「双方向の協力関係」」として大きな可能性を秘めています。
美作市の挑戦的な政策、岡山商科大学の実学重視の教育。
両者が手を取り合うことで、地域の未来を切り拓く新しいモデルが生まれようとしています。
今後の展開に、ぜひご注目ください。