〈経済学部通信〉パソコンが見ていた風景

今回は佐井先生にご寄稿いただきました.


私の研究室にはパソコンが6台あります。

先日,そのうちの1台が動かなくなってしまいました。メインのパソコンとして毎日使っていた,お気に入りのデスクトップパソコンです。購入してまだ4年しかたっておらず,6台の中では比較的新しいパソコンでした。

 

3週間ほど前から起動時の動きが遅くなり,そのうちアプリケーションソフトの動作にも影響が出始めました。

ネットで対処法を検索して様々試してみましたが,症状が改善しないどころか,再起動にも1時間近くかかるようになってしまいました。最後の手段の再インストールに望みを託しましたが,願いもむなしく,ついに起動すらしなくなりました。おそらく基板などのハード面の故障ではないかと思います。

やむを得ず,同等の機種を手配したところで,数日後には到着する予定です。

 

(左奥が故障したパソコン)

 

初めはあっけなく故障するものだなと思いましたが,動かなくなったそのパソコンを眺めていて,このパソコンはどのような風景を見てきたのだろう,と想像するようになりました。思えば,ずいぶん過酷な仕事をさせていたようです。

 

昨年度から今年度にかけて,岡山商科大学でもオンライン授業の期間がありました。対面授業に戻ったときでも,オンラインでしか授業を受けられない学生のために教材を作る必要がありました。そのような時期に活躍していたのがこのパソコンです。数十本のYouTube用のビデオ撮影や,Zoomでのオンライン授業でかなり酷使しました。

受講していた学生たちがビデオを通して視ていた私の姿は,このパソコンが見ていた風景だったわけです。

 

(オンライン授業のビデオの一場面)

 

それだけではありません。

そもそも研究室に6台もパソコンがあることを不思議に思う人がいるかもしれません。このうち2台は授業などに持参するためのモバイルパソコンですが,デスクトップパソコンを何台も揃えているのは,自分の研究で,数値計算をするために複数台同時に使うことがあるからです。

 

計算の内容は,「複数の制約条件の下で最尤推定値を探索的に求める」というものですが,地図に例えると,複雑な地形のある地域の中で最も高い地点を見つけることに似ています。

長い時間をかけて,1歩ずつ標高が高い方向に歩いて行くことになります。

その計算を最も頑張っていたのがこのパソコンでした。計算を任せて授業に出かけても,愚痴も言わず黙々と計算を続けていました。冷却ファンが回りっぱなしだったことが思い出されます。

 

初めは廃棄処分を考えましたが,そのようなことを思い出すにつれ,申し訳ない気持ちもわいてきました。新しいパソコンが到着してセットアップが完了したら,修理に出そうかと考えています。

リフレッシュした姿を見れば少し感激するかも,と一人で考えていますが,パソコン自身はどう思っているのか分かりません。

 

待っているのは今まで以上に過酷な計算の日々かもしれませんので。

 

(経済学部 佐井)

〈経済学部通信特別号〉ロジカル・プレゼンテーション大会を開催しました

去る10月17日,商大祭が開催された日の午前中に経済学部独自のイベントとして「ロジカル・プレゼンテーション大会」を開催しました。

経済学部ではこれまでにも学年ごとにゼミ対抗のプレゼンテーション大会を実施してきましたが、今回のロジカル・プレゼンテーション大会は今までのものとは一味違います。

何が違うかというと、チームはゼミや学年の垣根を越えて、さらに発表テーマや資料は当日割り振られるのです。自分で作ったプレゼン資料ではないので、まずはその写真やグラフが何を表すかを考えなければいけません。そしてそれらの資料をどのように並べて説明すれば伝えたいことが伝わるプレゼンテーションになるかを工夫する必要があります。自分たちで考え、議論することが発表が成功するためのカギになるのです。

(日曜日の午前中でしたが多くの学生が集まりました)

当日は1・2年生の志願者約30名が集まり、8チームの対抗戦となりました。チームのメンバーはほとんどが初対面の相手です。普段は内気な学生が多いですが、この日は自己紹介から各チーム盛り上がりを見せていました。過疎化や新型コロナなどの時事的な話題から岡山の魅力などの身近なものまで、様々なテーマについてチームごとに活発な議論を交わし、準備を進められていました。

(与えられたテーマについて活発な議論が行われていました)

いよいよ発表本番。準備時間は長くはありませんでしたが、強調したい部分を指し示したり、追加の情報をリアルタイムで書き込んで投影するなど、チームごとに工夫が見られました。

(発表の風景)

各チームの発表に対しては経済学部の教員が評価を行い、順位をつけました。どのチームも今日初めて顔を合わせたとは思えないチームワークと発表のクオリティだったので教員間でも評価はかなり分かれましたが、優勝は堀越さんたちのチーム、準優勝は金君たちのチーム(留学生チーム!)でした。

(表彰式の様子)

ロジカル・プレゼンテーション大会は今年度初の試みであり、開催に向けた打ち合わせの段階でも教員からは「上手くいくかわからない」という声もありました。しかし蓋を開けてみれば「失敗か成功かで言うと大成功(佐井経済学部長 談)」のイベントになり、商大生のポテンシャルの高さを感じました。新型コロナのため大学生らしいイベントをあまり経験してこなかった世代の学生たちが、一回りも二回りも成長することができた一日になったように思います。

(終了後は頑張った学生に岡山・日生名物のカキオコが配られました)

商大講座特別編・地域防災プログラム受付中。

岡山商科大学では、自治体と連携し、一般の方々に手軽に地域防災について学んでいただくと共に専門的な知識も修得できる学修プログラムを開講いたします。
プログラムに興味・関心がある方はぜひお申込みください。

岡山商科大学 商大講座特別編
地域防災プログラム
(後援:岡山県/岡山市)

申込期間:2021年9月1日(水)~2021年10月29日(金)

対  象:一般の方(高校生以上) 先着5名

申込方法: 『プログラム受講申込書(本学指定用紙)』を下記宛先に郵送、FAXまたはメールにてお申込み下さい。

20211029(金)締切  

※プログラムには定員がございますので、申込者多数の場合は先着順とさせていただきます。

受講料:無料(テキスト代は別途お支払いただきます。)

講義内容:

講義「災害リスク管理の経済学」金曜13:10~14:40

災害は経済成長に影響を及ぼすが、そのリスク管理について、マクロ・ミクロ両面の視点から論じる必要がある。本コースでは、経済学的な技術とデータを用いながらマクロ・ミクロ両視点からの議論を行う。

講義「災害と経済」金曜15:00~16:30

近年、多様な災害が連続して発生している。防災や災害復興と経済はどのような関係があるのだろうか。本コースでは、今後の経済学の学習において、学習動機の土台となる社会課題としての「災害と経済の関係」を紹介する。

講義場所:岡山商科大学764教室(7号館6階)

お問合せ:
岡山商科大学 社会総合研究所
〒700-8601 岡山市北区津島京町2-10-1
電話:086-252-0642(代表) FAX:086-256-6656
E-mail:syaken@po.osu.ac.jp

★詳しいプログラム内容や受講申込書は下記からご確認ください。

 

〈経済学部通信〉歩歩是道場

今回は韓先生にご寄稿いただきました.


 気づいたら、キャンパスの中庭を囲んでいる桜の葉が、すでに色づき始め、そして爽やかな風が吹いたら、ひらひらと舞い落ちてくる。もうこんな時節なのかと心にしみながら、海の彼方の母のこと、友のこと、そしてこの「わたし」のことをふと想う。

 ここは病院の待合室。ずっと避けてきたところだったが、やはり引っかかってしまった。来るべきは来るということか。ここまで来たら逆に安堵した気持もなくはない。
ここもやはり静かだなあと、周りを見て感じた。実家だったら、病院でもいつも人があふれており、付き添いは必ず誰か、しかも何人かいるのが普通なのだ。けれど、ここでは老若を問わず誰もがおひとり、そして、この「わたし」も。
 「おひとり様は、何よりもまずは健康第一!」と
先ほどからずっと脳裏をこだまして消えない。
……
しかし、どうだろう。家族がいるにしろ、この体と心を持っているのは間違いなくこの「わたし」なのだ。ある意味では究極の「自己責任」とも言えよう。診察の結果も気がかりだが、これを機にこの「わたし」にもう少し丁寧に寄り添っていこうと意を決した。ここを出たら焼肉に行こう、と思ったら、

「カンさん、カンウントウさんー」
おっ、来たっ!
あれっ、「サマ」じゃないんだぁと内心思いながら、
では、秋が深まりつつある中、皆様にもご自愛のほど。

秋に染まっていく中庭

秋に染まっていく中庭

 

(経済学部 韓)

 

2021年度後期「夕学オンライン」開催(お知らせ)

コロナ禍により、夕学サテライト配信事業は一旦中止となりましたが、配信元の慶應丸の内シティキャンパス(慶應MCC)では「夕学オンライン」として15講座をWEB配信している旨、受講者の皆様にお知らせいたします。

「夕学オンライン」は、慶應MCCとWEBセミナープラットフォーム事業を展開する株式会社ファシオとの共催事業として、夕学五十講の講演をインターネットでリアルタイム視聴できるサービスです。

お手元のPC・スマートフォン等の各デバイスからお好きな場所でリアルタイム受講でき、3日間の見逃し配信もご利用いただけます。

詳細や購入は株式会社ファシオのWEBセミナープラットフォーム「Deliveru」をご確認ください。

岡山商科大学は2003年10月の「夕学五十講」サテライト会場の発足から、18年間、衛星通信やインターネットを活用して、東京の最先端の知見を岡山へと配信してまいりました。その仕組みを絶やさないためにも、オンライン講座も広報協力を行っていきたいと考えておりますので、引き続きよろしくお願いいたします。

また、今期から夕学オンラインで使用できる「岡山商科大学特別クーポン」を限定500枚(先着順)でご用意しております。クーポンのコードと使用方法については、お気軽に社会総合研究所までお問い合わせください。

岡山商科大学 社会総合研究所
〒700-8601 岡山県岡山市北区津島京町2丁目10-1
TEL:086-252-0642(代表) E-mail:syaken@po.osu.ac.jp

<夕学オンライン(全15講座)>

10月13日(水)
岡田 暁生 京都大学人文科学研究所 教授
仲道 郁代 ピアニスト
「これからの音楽とピアノについて考える」
※本講演は講演を含む対談90分・質疑応答30分の構成です。

10月19日(火)
青砥 瑞人 株式会社DAncing Einstein CEO、応用神経科学者
「最先端脳科学が教えるストレスを力に変える技術」

10月28日(木)
藤原 和博 「朝礼だけの学校」校長
「AI時代の戦略的生き方のすすめ ~変革と成長を促す思考法~」

11月2日(火)
真山 仁   小説家
「組織の論理 vs 個人の良心」

11月18日(木) 
太刀川 英輔 NOSIGNER 代表、デザインストラテジスト
「変化を生き残る進化思考」

11月26日(金)
小林 武彦 東京大学定量生命科学研究所 教授
「生物はなぜ死ぬのか」

11月30日(火)
矢野 和男 株式会社日立製作所 フェロー、株式会社ハピネスプラネット 代表取締役CEO
「ウエルビーイング経営の本質 ~データが明かす新たな人・組織・社会と幸せ~」

12月2日(木)
金井 隆典 慶應義塾大学医学部内科学(消化器) 教授、コロナ制圧タスクフォース 研究統括責任者
「コロナ制圧タスクフォース最新報告」

12月14日(火)
伊藤 亜紗 美学者、東京工業大学科学技術創成研究院 未来の人類研究センター長
「身体論から考える利他」

12月16日(木) 
村上 裕太郎 慶應義塾大学大学院経営管理研究科 准教授
「会計情報からビジネスモデルを読み解く」

12月22日(水)
秋元 千明 英国王立防衛安全保障研究所(RUSI) 日本特別代表
「復活する日英同盟 ~インド太平洋時代の幕開け~」

1月12日(水)
名和 高司 一橋大学ビジネススクール 客員教授
「パーパス(志本)経営」

1月19日(水)
石井 遼介 株式会社ZENTech 取締役・チーフサイエンティスト
「効果的な組織・チームのための心理的安全性とリーダーシップとしての心理的柔軟性」

1月25日(火)
落合 陽一 メディアアーティスト
「ポストコロナを見通す」
※本講演は、講演60分・質疑応答30分の構成です。(20:00終了)

1月27日(木) 
國分 良成 前防衛大学校長、慶應義塾大学名誉教授
「中国は変わらないのか?」

開催時間:18:30~20:30
受  講   料:1講演5,500円(税込)、全講演66,000円(税込)
※後日、3日間の見逃し配信付

2021年度後期夕学オンラインチラシ(PDF)

2021年度後期リフレッシュダンス教室、申込受付中

コロナ禍により、9月開講分が中止となっておりましたが、10月より「商大講座 特別編 後期リフレッシュダンス教室」を下記の通り開講いたします。

音楽に合わせてゆっくり身体を動かしたり、頭の体操をしたり、誰でも出来る手軽な体操やダンスなどに親しむことを主としています。

対象者:ダンスや健康づくり等に興味・関心のある方など

指導者:青 山 敦 子 (岡山商科大学 社会総合研究所客員教授)
    小 野 陽 美 (岡山商科大学 社会総合研究所特別研究員)

日付:9月13日(月)・27日(月)、10月4日(月)・18日(月)・25日(月)、11月1日(月)・15日(月)・29日(月)、12月6日(月)・13日(月)・20日(月)計11回

時間:11:00~12:30(90分程度)

場所:岡山商科大学 剣道場

料金:1回 2,000円(消費税・施設使用料込)
   ※初回は保険料を別途いただきます。

定員:30名(最少施行人数:4名)

持 参 物:動きやすい服や靴、 水 、タオル2種類(床に敷く用の大きめのもの、顔や体をふくもの)

(リフレッシュダンス教室開催にあたって)
1.正門入って左手にあります、守衛室にて、検温と問診票のご記入をお願いいたします。
2.お車でお越しの際は、守衛室の受付簿にご記入いただき、構内にご駐車ください。
3.消毒用アルコールをご用意しておりますので、手指消毒にご協力ください。
4.来場時はマスクの着用をお願いします。
5.「3つの密」を防ぐために、換気を行い、間隔をあけて教室を行います。ご理解とご協力をお願いいたします。

※コロナ禍により、開講途中で、中止もしくは延期となる場合があります。

 

野村證券オンライン寄附講座が開講します。

岡山商科大学では、ファイナンシャルプランニングや金融に関する科目を網羅的に開講し将来の金融スペシャリストの育成・輩出を目指しております。それに合わせ、この度、野村證券岡山支店を講師に迎え専門的・実務的な知識の習得をするためチャート分析の基礎知識や毎週の金融市場と照らし合わせたタイムリーなマーケット情報を分かりやすく解説いただく

「野村證券オンライン寄付講座

を2021年度後期も開講いたします。

野村證券が発行する「週刊 野村市場展望」及び「株価チャートの見方」「野村で学ぶ、投資の“イロハ”」といった実践的な教材が使用されます。銀行や証券会社等の金融業界のスペシャリストを目指す学生や、投資等に関する実践的な知識を学びたい学生などにおすすめです。

授業形式:Webex Meetingを使用したオンライン授業

 授業日時:毎週火曜日16:50~17:20(全10回)

資料配布の都合から、9月30日(木)にいったん締め切りましたが、まだまだご参加いただけます。ご興味・関心のある方は2号館・商大塾にてお申し込みください。

日程は次の通りです。

【実施日程(全10回)】

第1回:2021年10月5日(火)  16:50~17:20

『週刊 野村市場展望 2021年10月4日号』

第2回:2021年10月12日(火)  16:50~17:20

『週刊 野村市場展望 2021年10月11日号』

第3回:2021年10月19日(火)   16:50~17:20

『週刊 野村市場展望 2021年10月18日号』

第4回:2021年10月26日(火)   16:50~17:20

『週刊 野村市場展望 2021年10月25日号』『株価チャートの見方:ガイダンス(投資のイロハ)』

第5回:2021年11月2日(火)  16:50~17:20

『週刊 野村市場展望 2021年11月1日号』『株価チャートの見方:ローソク足①』

第6回:2021年11月9日(火)  16:50~17:20

『週刊 野村市場展望 2021年11月8日号』『株価チャートの見方:ローソク足②』

第7回:2021年11月16日(火)  16:50~17:20

『週刊 野村市場展望 2021年11月15日号』『株価チャートの見方:移動平均線①』

第8回:2021年11月30(火)  16:50~17:20

『週刊 野村市場展望 2021年11月29日号』『株価チャートの見方:移動平均線②』

第9回:2021年12月7日(火)  16:50~17:20

『週刊 野村市場展望 2021年12月6日号』『株価チャートの見方:トレンドライン①』

第10回:2021年12月14日(火) 16:50~17:20

『週刊 野村市場展望 2021年12月13日号』『株価チャートの見方:トレンドライン②』

以上

〈経済学部通信〉ある教員の夏季休業期間の生活

今回は池田先生にご寄稿いただきました。


 皆さん,特に学生の中には,前期と後期の間(夏季休業期間)に教員は何をしているのか疑問に思ったことがある方がいらっしゃるかもしれません。大学生の休み期間は実習やインターン,集中講義などを除けば年間で3か月程度あるのが一般的かと思います。ではこの期間,教員も学生の休みに合わせて同程度の休日を過ごしているのでしょうか?

 

 

私も学生の時ふと疑問に思ったことがありましたが,もちろん答えはNoです。

学内の仕事(学務と呼んでおきます)と個人の研究で,多くの教員は割と忙しい生活を送っています。以下では私の夏季休業期間を簡単に振り返ることで,教員の生活の一端を皆さんに知っていただけたらと思います。なお,学務につきましては最小限の記述に留めておりますので,実際には色んな細かい仕事もしております。

 

 

今年の私の夏季休業中の研究は,“The Sixth Biennial Conference of East Asian Environmental History (EAEH 2021)”という学会の発表準備に多くの時間が費やされました(URLはhttp://www.aeaeh.org/eaeh2021.htm)。

 

 

7月上旬に学会から発表の草稿を提出するようにとの通知を受けると,前期の試験や成績との仕事を行う傍らで原稿を作成しなければならなくなりました。締め切りは8月上旬。日本の大学の多くでは教員が一番忙しい時です。(なお,アメリカでは9月に新学期スタートが多く比較的時間に余裕があるため,この時期が締め切りに設定されやすいという事情もあります。)

なんとか期日までに原稿をし終えると,ここから学会発表への準備に入ります。今回の発表は他の先生との共同研究でしたので,発表用のパワーポイント(PPT)作成をしつつ発表へのミーティングも適宜行いました。

 

 

また,この時期から後期の講義資料作成を開始します。1科目につき15講分がありますので,意外と地道に長い時間をかけなければならないのです。

 

 

このようにしばらくは研究と学務を並行していましたが,8月下旬にコロナウィルスのワクチン接種(2回目)がやってきました。ここで副反応があったため,数日の静養をとることになります。

 

 

PPT作成がある程度仕上がったのは,8月末です。「めっちゃかかるやん!」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが,学会発表には厳格な時間制限があり,原稿と同じくこちらも何度も推敲を重ねなければなりません。また,その他の仕事もあるなかではこれだけに集中する訳にもいかず,気づいたら日数が経ってしまいました。

 

多くの場合,研究者は制限時間内にどうやって発表を収めようかに四苦八苦します(大体時間が少ない)。今回の私の発表も,一度できたPPTでは発表に20分かかってしまい,持ち時間8分内にどのように圧縮しようか頭を悩ませました。特に日本語以外の発表の場合,自分の言いたいことが正確に伝わるのか,という問題もでてきます(単純に語学力の欠如かも!?)。

 

 

これとは別に,8月から統計データをExcelに打ち込むという作業も進めていました。私が研究で利用するデータはほとんどが第二次世界大戦以前のもので,統計の記述のされ方も多様なためひとつひとつ念入りにExcel入力しなくてはいけません。意外と時間がかかるため,講義の無い休業期間にしておく必要があります。

 

 

さて,9月に入るといよいよ発表本番に向けた練習です。内容が上手く整理されているか,相手に伝わるような説明ができているか,など確認事項をひとさらいします。また,オンラインでの発表が標準となっている昨今では,アニメーションの使い方も対面とは違った工夫が必要になります。何度か変更を加え,前日まで入念に確認作業を行いました。

 

 

さて,本番ですが,残念ながら学会の規則上Zoomの録画撮影などは禁止されており,どのような様子だったのか視覚を通じてお伝えすることはできません。

感想だけを記しておきますが,オンライン学会での発表は対面とは異なり,多くの先生がいるプレッシャーを感じることはさほどありませんでした。一方で機材のトラブルや画面共有,音声確認など別の心配が本番までつきまといます。改めて,オンラインの可能性を感じつつもパソコンに弱い人には大変な社会が到来したことを実感しました。

 

 

発表自体は無事(?)に終わったわけですが,9月に入り講義資料の作成が滞っていました。そのため,翌日から慌てて作成を再開することとなります。といってもこの時点で9月10日前後。後期開始の5日前です。結局,後期の講義資料は後半一部を学期内に仕上げることとなり,夏季休業期間を終えることとなりました。

 

 

以上,簡単に私の夏季休業期間の生活を振り返ってみました。書くと非常にあっさりとした内容ですが,1日1日時間が足りないのを実感したのはかなり久しぶりでした。それだけに,充実していたといえばそうなのかもしれません。

 

 

後期が始まった今,上記のような生活は当然しばらくおあずけになります。

後期は初回から対面授業を行うことができております。この環境をありがたく思いながら,また日々の生活を大事に過ごしていけたらと思っています。

(経済学部 池田)

裁判所見学

商大ではもう後期の授業がスタートしています。

昨年に引き続き、夏休み明け直前の9月14日、ゼミで裁判所見学に行かせていただきました。蔓延防止措置が続いている岡山県ですが、全員不織布マスク着用で、距離を取りつつ・・・という形で受け容れていただきました。裁判所の役割や、裁判所事務官・書記官の仕事など、大変詳しく教えていただきました。

また今年は、特に家裁調査官の方に案内していただき、家庭裁判所も見せていただくことが出来ました。家庭裁判所は、家庭の問題を特に扱う部署であるからか、部屋のしつらえにも目的に応じた配慮がなされていることが垣間見えました。

普通入れないところにも入らせていただき、盛りだくさんな内容でたくさん勉強させていただきました。ご対応いただいた裁判所の皆様に篤く御礼申し上げます。

裁判所の中の至る所、安全に審議や議論、傍聴が出来るようにするために、感染防止対策が様々に施されており、事務官の皆様のご苦労が偲ばれました。

 

今年は学生さんと記念写真を撮りそびれてしまいました。残念。

建物の間の道路

中程度の精度で自動的に生成された説明

(裁判所を歩道から撮影)

〈経済学部通信〉現在の音階へと受け継がれたピュタゴラス音律

今回は石原先生にご寄稿いただきました.


紀元前500年頃に活躍したピュタゴラスは数学者・哲学者ですが、音楽の世界でも有名人なのです。

ある日、鍛冶屋の前を通りかかった彼は「キンコンカンコン」心地よい響きを聞いて、ふたつの音の振動数に注目します。
心地よい響き(協和音程)はふたつの音の振動数が、単純な整数比である事を発見したのです。

Pythagoras

弦の長さでみると、8度(オクターブ)は2:1となり5度(ド・ソ)は3:2そして4度(ド・ファ)は4:3です。
この3つの音程は心地よく響く音程です。この心地よい響きから完全5度を繰り返してみます。
ド5度⇒ソ、ソ5度⇒レ、レ5度⇒ラ、ラ5度⇒ミ、のように繰り返していくと音階に含まれるすべての音が作られます。

Scale
 (○注:レ♭=ド♯)

このようにしてできた音階を「ピュタゴラス音律」と呼んでいます。このようにして音階は紀元前500年頃に誕生したのです。

しかし、音楽の進化とともに音階は少しずつ変化していきます。
11世紀頃までの音楽はモノフォニー(1つの旋律)でしたが、しだいにポリフォニー(多声音楽)になっていきます。
ポリフォニーの音楽になってくるとピュタゴラス音律では3度(ド・ミ)や6度(ド・ラ)の音程が美しく響きません。そこで、15世紀後半ピュタゴラス音律を基に3度、6度も美しく響く音律『純正調』が完成します。(4度、5度はピュタゴラス音律のままです。)
美しい和音を生み出した純正調ですが、すべての和音が美しく響くわけではありません。
音楽が複雑になり転調が多用され1曲の中で何度も転調が繰り返されるような楽曲が増えてくると新しい音階が必要になってきます。
ピュタゴラス以来理想であった単純な整数比の理想を捨てた究極の音律が17世紀に登場するのです。
1オクターブを12等分しすべて均一の周波数比で構成された『平均律』です。
平均律は、ピュタゴラスの音律以来約2000年後に確立され、どのような転調にも対応でき作曲家の多様な要求に応えうる音律ですが、ピアノが一般家庭に普及し始めた19世紀になって広く使われるようになります。
現在では平均律が一般的ですが、オーケストラや吹奏樂で使われる弦楽器や管楽器は音程の微調整ができるので3度、4度、5度、6度などのハーモニーでは美しく響く純正調で演奏し、平均律で調律されたピアノと一緒に演奏するときなどは平均律に合わせるなど微妙に音を調整しているのです。
(経済学部 石原)

イラスト出典:

  • 「西洋音楽史」100エピソード 久保田慶一著 
  • 「音楽の科学」岩宮眞一郎著