【商学科の研究紹介】マーケティング分野:プライベート・ブランドにまつわる「なぜ」

コンビニやスーパーに並んでいる商品は,大きく2つの種類に分けることができます。一つは「ナショナル・ブランド」(National Brand),もう一つは「プライベート・ブランド」(Private Label Brand,またはStore Brandや自主企画商品)と呼ばれる商品ブランドです。

表1に示した通り,ナショナル・ブランドは【製造業者】が企画・開発し,日本各地にある様々な【小売業者】の店舗で販売される商品です。例えば,日清食品の「どん兵衛」や江崎グリコの「ポッキー」はナショナル・ブランドで,私たち消費者はセブンイレブンやハローズの店舗でこれらのブランドを手にすることができます。

一方,プライベート・ブランドとは,【小売業者】が独自に企画・開発し,【自社】の店舗で独占的に販売する商品ブランドです。セブンイレブンの「セブンプレミアム」やイオングループの「トップバリュ」等があります。

表1 プライベート・ブランドとナショナル・ブランド出所:西春奈(2021)マーケティング論Ⅱ,第1部リテール・マーケティング講義資料。

さて,このプライベート・ブランドとナショナル・ブランドにまつわる「なぜ」をみてみましょう。(▼ここから,マーケティング分野の研究のお話です。)

Q.そもそもなぜ,小売業者はナショナル・ブランドを仕入れるのではなく,プライベート・ブランドをつくるのか?

→小売業者が自ら「つくる」という選択をする背景には,より多くの利益を確保するため,安定的に商品を調達するため,ナショナル・ブランド商品の価格競争を回避するため等の理由があります。

他にも,この対象に関する「なぜ」には,小売業者,製造業者,消費者の視点から研究が蓄積されています。

Q.なぜ,大手のナショナル・ブランド製造業者はプライベート・ブランドの製造を受託するのか?

Q.どのような消費者がどのような条件でプライベート・ブランドを購入するのか?

なかでも筆者は,両ブランドを扱う小売業者が直面するプライベート・ブランド管理の問題について,商品仕入れ担当者(バイヤー)管理の視点から研究しています [1]。具体的には,商品仕入れ担当者に与える①プライベート・ブランド商品の生産量決定権,②プライベート・ブランド商品開発プロセスへの参加権,そして③商品仕入れ担当者の管理様式(成果ベース管理か行動ベース管理か)の3つの要因が,プライベート・ブランド戦略に影響を及ぼすことを明らかにしました。

以上の研究の一部は,筆者が担当する「マーケティング論Ⅱ」という授業で学びます。ちなみにこの授業では,毎回学生が見つけたマーケティング事象の「なぜ」を取り上げ,議論する時間を設けています。上の研究紹介のせいで難しく聞こえるかもしれませんが,「スーパーの広告の品はどのように決まっているの?」や「マーケティングを学んでからドラマ『この恋あたためますか』がより面白い」等々,マーケティング的疑問・気づきなら何でも歓迎しています◎

それでは最後に,今年度の受講生が見つけたプライベート・ブランドの「なぜ」を一つ紹介させてください。

 

~学生が見つけたプライベート・ブランドの「なぜ」~

  • “ファミリーマートの「お母さん食堂」が廃止になり、3つのブランドをまとめて「ファミマル」という名前になるというニュースを見ました(※詳細は補足説明を参照してください)。確かに「お母さん食堂」はファミマと結びついていないようにも思えますが、私個人としてはなんだか温かく感じるその名前に愛着があり、ファミマのブランドという認識があったために少し残念だなと思いました。”(商学科1年生Aさん,一部抜粋)

 

Aさんの疑問にある「プライベート・ブランドの名前」と「ブランド認知」,「愛着」に注目してみましょう。実は,プライベート・ブランドの名前は,独立したものよりも,小売企業(または店舗)の名前と同じ方が,消費者のブランド認知,店舗への愛着,さらにはプライベート・ブランドのシェアを高めることが研究で明らかになっています。これに基づくと,ファミリーマートの新ブランドは,同社が抱えるプライベート・ブランド管理の課題解決を目指したものであると考えられます。

■補足説明

ファミリーマートは2021年10月19日に新ブランド「ファミマル」を立ち上げた。既存のプライベート・ブランドは商品のすみ分けが不明確で,商品の特長を消費者に十分訴求できていなかった。ブランドを統一してファミマのブランドカラーを使い,消費者への認知を高める。また,売上高に占めるプライベート・ブランド商品比率を約30%(2021年)から35%以上(2024年度末)へ引き上げたい(日本経済新聞2021年10月18日付)。

■参考文献

[1] Nishi Haruna (2015) “How Do Retailers Manage Own Private Labels from the Perspective of Retail Buyer Management? The Case of an Apparel Retailer in Japan”, Proceedings of the 2015 International Conference of Asian Marketing Associations, Emerging Trends in Asian Markets, pp. 136-146.

(商学科 西春奈)

【商学科の研究紹介】資産形成としての証券投資

経営学部商学科の鳴滝善計です。ファイナンシャルプランニングコースで、証券市場論や金融資産運用などの科目を担当して、学生に資産形成としての証券投資の重要性を学んでもらえるよう授業をしています。ゼミ等で学生に「証券投資」について聞くと、“一攫千金”や“リスクが大きい”という声が多く、株式投資は当たれば大きいが外れればリスクが怖いというイメージです。こうしたイメージが先行すると、証券投資に近寄らないということになってしまいます。しかし、証券投資といえども、効率的な資産形成の方法である投資信託を利用した「長期・積立・分散投資」によれば、こうしたイメージがあてはまらないことが分かります。

まず、「長期・積立投資」について考えてみましょう。アメリカの投資の本には、よく「時間を味方にする」という言葉がでてきます。「何十年といった長期で考えれば、資産づくりは容易であるうえ、利回りの高いリスク資産にも投資できる」という意味です。

[図表1] 3,000万円つくるために毎年いくら積み立てればよいか(概算)

(単位:万円)

積立期間(年)

運用利回り

0%

1%

3%

5%

7%

5

600

588

565

543

522

10

300

287

262

239

217

20

150

136

112

91

73

30

100

86

63

45

32

40

75

61

40

25

15

 

たとえば、老後に備えて3,000万円の資産を作ろうと考えた場合、積立必要額は、積立期間と運用利回りによって、図表1のとおり差が出てきます。

この図表1は2つのことを語っています。1つは当然のことですが積立を早く始めれば(積立期間を長くできれば)年々の積立額が少なくて済むということ、2つ目は運用利回りによって必要積立額に大きな差が出るということです。

2つ目の点について補足すると、運用利回りがゼロの場合、積立額は期間に応じた額となります(たとえば期間が40年の場合の積立額は、期間10年の場合の4分の1となる)が、仮に年5%に回せれば期間40年の場合の積立額は、期間10年の積立額の4分の1ではなく、約10分の1ですむということになります。

さて65歳を目標にすると、25歳から積立てを始めて(積立期間40年)、年平均3%でふやしていけば、毎年40万円(たとえば毎月2万円、年2回のボーナスで8万円ずつ)積立てればよいことになります。

また、「積立投資」は、時間分散の効果があります。これは、一度に投資を開始するよりも、投資時期を分散すること、つまり定時定額の積立投資を行うことにより、平均買付価格を引き下げることができます。定時定額投資は、ドル・コスト平均法ともいわれます。

[図表2] 定時定額投資(ドル・コスト平均法)による買付価格の引下げ効果

たとえば、図表2の例でみてみますと、ある投資信託を毎月1万円ずつ4か月にわたって購入したとします。投資信託の時価は基準価額(1万口当たり)といいます。基準価額が図表2のように動いたとします。実際の投資信託は、このように1か月や数か月で劇的に変動することは稀ですが、ここでは分かりやすいように価格変動を想定しています。4時点の平均基準価額は、(10,000円+6,000円+12,000円+8,000円)÷4]=9,000円です。毎月1万円ずつ買った場合、買えた口数は、(10,000口+16,667口+8,333口+12,500口) =47,500口で、平均買付価格は4万円÷ 47,500口×1万口=8,421円となり、平均基準価額より579円安く買えたことになります。その理由は、「高いときには少ない数量を買い、安いときに多い数量を買っているから」です。

次に、「分散投資」についてみてみましょう。分散投資のメリットは、リスクを小さくできることです。「一つの籠にすべての卵を盛るな」という譬えがあります。言い換えると、「卵はいくつかの籠に分けて入れるとよい」ということです。すべての卵を一つの籠に入れた場合は、籠を落としてしまえば、すべての卵が割れてしまいます。しかし、いくつかの籠に分けると、どれかの籠を落として卵が割れたとしても、他の籠の卵は無事です。格言は、危険分散の重要性を説いています。分散すればリスクを軽減できるというわけです。

証券投資も同じです。分散投資をすれば、価格変動リスクが軽減されます。分散投資の代表的な方法は、投資対象の分散です。株式、債券、外国証券、リート(不動産投信)など資産の種類を分散したり、業種、銘柄、対象国を分散したりすることです。

図表3でみるように、株式など単一の資産に投資をした場合、運用成果は上下に大きくばらつきます。一方、日本株式、外国株式、日本債券、外国債券の4資産に均等に分散投資した場合は、相対的に値動きが小さくなる(価格変動リスクが小さくなる)ため、個別資産の投資タイミングに左右されにくく、長期でみれば運用成果が安定し、結果的にリターンの積み上げが期待できます(図表3のグラフは、大和証券のホームページより引用)。

[図表3] 各資産の推移と4資産分散投資(1969年~20192月末)

分散投資は、投資信託を利用すれば容易に行えます。投資信託は、専門家である投資信託会社が運用を行います。ファンドの運用方針にしたがって、たとえば日本株のファンドであれば、日本株の多数の銘柄に分散投資し、バランス型のファンドであれば、内外の株式、債券などの各資産に分散投資されます。

今、若年層を中心としたコツコツ投資を応援する、投資信託を利用した長期・積立・分散投資に対する税制優遇策である「つみたてNISA」や「iDeCo」(イデコ、個人型確定拠出年金)が注目されています。実際、「つみたてNISA」を活用して、長期・積立・分散投資を始めている20歳代、30歳代が多くなってきています。まずは若者から「資産形成としての証券投資」の重要性を学び、“証券投資といえば、長期・積立・分散投資”という新たなイメージを確りと持って、実践していってもらいたいと思っています。

(商学科 鳴滝)

一般入試中期日程と大学入学共通テスト利用入試中期日程の出願受付中!

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***

【一般入試 中期日程】<併願>

・出願期間 :2月1日(火)~2月12日(土)

・試  験  日: 2月20日(日)

・試験会場:岡山(本学)

・合格発表:2月28日(月)

 

【大学入学共通テスト利用入試 中期日程】<併願>

※個別試験は実施しません。

・出願期間 :2月1日(火)~2月16日(水)

・合格発表:2月28日(月)

***

詳細は、入試ガイド学生募集要項でご確認ください。

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【商学科の研究紹介】「ひるぜん焼そば」と観光資源について考える

私が専門としている「観光地理学」は,地域における様々なモノやコトが,どのような要因で観光資源として成立し,変化しているのかについて,多面的に検討する学問分野です。

例えば,食を活用した観光資源として「B級グルメ」と呼ばれるものがあります。岡山県では,「津山ホルモンうどん」や「日生カキオコ」などが有名ですね。

私が研究対象としているのは,岡山県の北部,蒜山高原を代表するB級グルメの「ひるぜん焼きそば」です(写真1)。「ひるぜん焼そば」は,どのような要因で観光資源となったのでしょうか。

写真1 ひるぜん焼そば

まず「ひるぜん焼そば」という食が成立した背景について考えてみましょう。ひるぜん焼そばの特徴に「タレ」があります。一般的な焼きそばはソースを使いますが,ひるぜん焼そばはジンギスカンのタレを使って作られるのです。では,なぜジンギスカンなのでしょうか。

蒜山高原は,1970年代に避暑地として有名になった場所で,特に関西方面からの観光客の多い場所でした。こうした状況を後押ししたのは,当時の行政による政策で,蒜山高原を北海道のような観光地にしようと様々なものが導入されました。

そのひとつはジャージー牛で,蒜山高原は今でもジャージー牛乳の一大産地となっています。蒜山高原に限らず,ジャージー牛乳やこれを使った製品は岡山県全域で目にすることがあります。そしてもうひとつはジンギスカンで,多くの飲食店でジンギスカンを提供するようになりました(写真2)。みなさんも「北海道の食べ物」と聞いて「ジンギスカン」を想像する人が多いのではないでしょうか。

写真2 ジンギスカン

こうして蒜山高原に持ち込まれたジンギスカンですが,羊の肉を焼くときだけではなく,様々な料理に使われることになりました。そのひとつが「焼きそば」で,それぞれの飲食店でオリジナルのタレを使った焼きそばがお客さんに提供されるようになったのです。

でも,これだけでは,ひるぜん焼そばは観光には利用されません。観光に活用されるためには時代背景も大きく関係することになります。B級グルメが人々に知られるようになったきっかけとして,「B-1グランプリ」があります。これは全国にあるB級グルメを集めて競い合い,グランプリを決めようというイベントです。その中で,ひるぜん焼そばも2011年にグランプリを受賞することになります。これをきっかけとして蒜山高原には,ひるぜん焼そばを食べに訪れる観光客が増加しました。

さらに,観光として発展させるためには,地域の人々の活動も重要です。ひるぜん焼そばにかかわる人々は「ひるぜん好いとん会」という組織を作り,ひるぜん焼そばをPRするための活動や,ひるぜん焼そばに関連する商品の開発など様々な取り組みを進めています(写真3)。

  写真3 ひるぜん焼そばに関連する商品

このように,ひるぜん焼そばは,その食が成立することになった地域的背景に加え,B級グルメが流行した時代的背景,さらに地域の人々の活動によって観光資源になったと整理することができます。

みなさんも,様々な観光資源が成立した理由や背景について考えてみましょう。

(商学科・大石貴之)

 

【関連する研究業績】

大石貴之(2018):B級グルメにみる食と観光の地域性.井尻昭夫・江藤茂博・大崎紘一・松本健太郎編著「フードビジネスと地域 食をめぐる文化・地域・情報・流通」ナカニシヤ出版,83-94.

大石貴之(2019):岡山県の中山間地域における農業の存続可能性―真庭市川上地区における農産物直売所を事例として―.地学雑誌,128,323-335.

専門能力推薦入試A(一般型)後期日程の出願受付中

現在、専門能力推薦入試A(一般型)後期日程の出願を受付中です!

***

【専門能力推薦入試A(一般型)後期】<専願>

・出願期間 :1月14日(金)~1月25日(火)

・試  験  日: 2月6日(日)

・試験会場:岡山(本学)

・合格発表:2月11日(金・祝)

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商大論叢57巻1号が岡山商科大学機関リポジトリにて公開されました

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一般入試前期AB日程と大学入学共通テスト利用入試前期日程の出願受付中!

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【一般入試 前期A・B日程】<併願>

・出願期間 :1月4日(火)~1月21日(金)

・試  験  日: A日程2月6日(日)、B日程2月7日(月)

・試験会場:岡山(本学)、大阪、鳥取、松江、広島、福山、徳島、高松、松山、高知、小倉

・合格発表:2月11日(金・祝)

※A日程とB日程を併願し、同時出願した場合は1回分の検定料で受験できます。

 

【大学入学共通テスト利用入試 前期日程】<併願>

※個別試験は実施しません。

・出願期間 :1月4日(火)~1月21日(金)

・合格発表:2月18日(金)

***

詳細は、入試ガイド学生募集要項でご確認ください。

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https://www.osu.ac.jp/admissions/web/

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商大論叢56巻3号が岡山商科大学機関リポジトリにて公開されました

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第2回 総合型選抜エントリー受付中

現在、第2回総合型選抜(AO型入試・自己推薦型入試)のエントリーを受け付けています。

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【第2回総合型選抜 AO型入試・自己推薦型入試】<専願>

・事前選考エントリー期間 :12月23日(木)~2022年1月7日(金)

・事前選考: 1月22日(土)9:30~

・事前選考通過発表: 1月28日(金)

※総合型選抜説明会を受講していることが、エントリーの要件となります。

***

エントリー方法は、以下の3つから選択できます。

1)Webエントリー
2)エントリーカードを郵送
3)エントリーカードを窓口持参

詳細は、総合型選抜エントリーガイド入試ガイドでご確認ください。

なお、エントリーフォームや総合型選抜説明会の受講方法等は下記URLをご覧ください。

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