〈経済学部通信〉ナッジ:行動経済学の実践

「ナッジ」という言葉を聞いたことはあるでしょうか?

ナッジとは、人間の持つ心理的性質に注目し、望ましい方向へ人々をほんの少し後押しするような工夫のことを言います。

最近よく目にするようになった、コンビニやスーパーのレジ前に描かれた足跡のマークも、自然とソーシャルディスタンスが保たれるようなナッジの一つです。

 

従来、人々の行動変化を促す政策と言えば税金や罰則を課したり補助金を出したりという方法が中心でした。

このような方法も場合によっては有効ではあるのですが、財源の少ない自治体にとっては取り締まりや補助金の支給を継続していくのは難しいでしょう。

これに対し、ナッジはほんの少しの工夫で実施可能なのでかかる費用が少なくすむということもあり、今世界中で注目されています。

 

去る1月25日、瀬戸内市役所有志のみなさまと「ナッジ勉強会」を開催しました。通常勤務終了後の時間帯にもかかわらず、20名程度の参加を頂きました。

勉強会では熊代より簡単な実験を交えながら人間の持つ心理的な性質やナッジについての解説を行った後、本学経済学科の國光准教授より今後ナッジを実践していくための指針を提示し、参加者との質疑応答を行いました。

本学と瀬戸内市様とはこれまでも連携して研究を進めてきましたが、今後は更に幅広く連携しながら経済学の知見を社会に還元することを目指します。

(経済学部 熊代)

第25回岡山生命倫理研究会を開催しました

2月13日(土)、第25回岡山生命倫理研究会本学社会総合研究所共催のもと開催いたしました。コロナ下ということもあり、現地会場とオンラインのハイブリッド形式での開催となりました。

テレビを見る人

低い精度で自動的に生成された説明

今回は、午前の個別報告では、生殖補助医療、LGBT、認知症、事前指示書に関する話題を扱いました。休憩を挟んで、午後には「輸血拒否」問題のシンポジウムを設定しました。

輸血拒否問題といえば、宗教的理由による拒否について、とりわけエホバの証人がクローズアップされることが多い(むしろほとんど)でしょう。研究会当日は、エホバの証人のホスピタル・インフォメーション・サービスより三浦様にオンライン出演いただき、誤解なきよう(輸血は拒否するが治療は望んでいる旨)、エホバの証人の立場について説明を受けました。その上で、ドイツの学説・判例の動向の紹介(岡山大大学院:山下教授)、医療者・仏教者の視点からの問いかけ(本学:村岡客員教授)、および通説的な判断能力の見解に対する私見の展開(本学:粟屋教授)がなされ、最後には、これらを総合した非常に活発な質疑応答がありました。ご参加いただいたみなさま、本当にありがとうございました。

研究会としてはまずまず成功したと評価いただけると嬉しいのですが、実際にはスムーズに進行できない場面がありました。事務局スタッフが少人数であることから、ハイブリッド開催は負担が大きく、次回に向けて課題も残りました。

(法学部:宍戸)

【犯罪被害者支援サークルつぼみ】あした彩と岡山北西ロータリークラブ・合同勉強会

2月23日に、国際交流センターにて岡山北西ロータリークラブの主催で、「あした彩(※岡山県下の各大学等に所属する犯罪被害者支援サークルの連絡会)と岡山北西ロータリークラブとの合同勉強会」を実施しました。岡山北西ロータリークラブさんには、あした彩の活動にご賛同いただき、様々な形で応援していただいています。また、会には先日商大にも講演に来ていただいた加藤裕司さんをゲストとしてお迎えしました。

屋内, テーブル, 人, 天井 が含まれている画像

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今回の勉強会では、まず、先日NHKで放送され、加藤さんも出演された『事件の涙』を視聴しました。現在では、詳細が開示されることのない死刑囚の執行される間際の言葉などを知ることができ、貴重な体験となりました。その中で、加藤さんの「被害者、加害者どちらかが支援に関して優遇されるのではなく、平等な立場で扱われる世の中になってほしい」というお言葉が印象的でした。

立つ, 男, フロント, 女性 が含まれている画像

自動的に生成された説明

次に、本学の法学部2年猪野が犯罪被害者支援サークル「つぼみ」を代表して、性犯罪に関する講義を行いました(他大学の先輩方やロータリーの皆さんの前で、ド緊張して頭が真っ白になったそうですが・・・)。刑法の改正、現行法や判例、社会の課題、現状行われている被害者への支援について説明しました。その中で、全国一律での支援が容易ではないこと、被害者が裁判や捜査に協力するために何度も被害状況を説明しなければならず、その都度つらい状況を思い出させる「セカンドレイプ」の実情などが浮き彫りになりました。

テレビを見ている人たち

低い精度で自動的に生成された説明

そして、この講義をもとに「家族が性犯罪の被害にあい、被害届を出すかどうかで迷っている。自分ならどう声をかけサポートするか」というテーマでグループディスカッションを行いました。被害届を出すよう説得するのか、本人の意思を尊重するのかという2つの意見から大学生としての視点、職業的視点、親としての視点などの様々な視点から議論を行いました。各班から様々な意見が飛び出し、充実した議論になりました。

部屋に集まっている人々

自動的に生成された説明

各大学の専門を異にする学生達や、ずっと年上のロータリークラブの皆さんと、自分だけでは絶対思いつかない視点から議論が出来ました。自分達にももっと出来ることがたくさんあるのではないか、改めて考えさせられました。

講堂にいる人たち

中程度の精度で自動的に生成された説明

 今回の勉強会が今年度の最後の活動となりました。来年度は、これまでの活動に加えて、新たな活動にも挑戦していきたいと思います。

スーツを着て立っている男性たち

低い精度で自動的に生成された説明

(※今回の勉強会は入場前の検温や消毒、マスクの着用、座席間隔を十分にとるなどの新たな生活様式に留意して実施しました)

(法学部1年:横山)

コロナ禍において、学生達の自発的な活動も萎縮気味になってしまう中で、岡山北西ロータリークラブの皆様は積極的にお声がけ下さり、学生達に貴重な交流・勉強の場をご提供くださいました。本当にありがとうございました。

 そして、猪野君と他のメンバー達、発表の準備はとっても大変だったと思いますが、得がたい体験が出来たのではないかと思います。運営のお手伝いも、よく頑張りました。

(つぼみ顧問:法学部 加藤)

 

法学部:九州弁護士会連合会国際委員会における講演

昨年9月から韓国へ在外研究に行かれている鬼頭先生からのレポートです。

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九州弁護士会連合会国際委員会(於:オンライン、日時:2021年2月27日(土)15:30〜16:30)で「今後の日韓法学交流について」というテーマで講演をさせて頂きました。

韓国の現況(コロナ対応等)、在外研究の様子、そして今後の日韓法学(学術)交流をどのようにしていくべきかについて、自らの体験をもとに九州の弁護士の先生方と意見交換をさせて頂く機会を持つことができ、非常に有意義な時間を過ごさせて頂きました。

現状、対面での(直接的な)国際交流をすぐに再開することは難しいです。

しかし、いつか必ず訪れる「再会」のために、われわれが今すべきは、お互いを理解し、思いやり、そして小さな小さな交流をできる範囲で続けていくことではないかということを再確認致しました。

今日の講演会もいつか必ず再開する日韓交流の1ピースになればと思います。

(法学部:鬼頭)

 

〈経済学部通信〉オンラインによるプレゼン大会を開催!

経済学部では毎年、ゼミの研究成果を報告するプレゼン大会を開催しています。新型コロナウイルスの感染拡大により、一度は中止になったプレゼン大会ですが、学生からの強い要望をうけオンラインで開催する運びとなりました。

 

星野ゼミでは、コロナショックによる経済への影響について、ニューケインジアン・モデルを用いて検証しています。また、飲食における新しい生活様式やGo toトラベルの現状についてまとめています。

 

渡辺ゼミでは、仮想資金のデモトレードを行い、どのようなルールに基づいて資産運用するのが効率的か検証結果を報告しています。他にも、少子化対策として「若者の恋愛観」を独自に調査した報告もありました。

 

大学でも「新しい生活様式」が定着しつつあります。2020年度は、緊急事態宣言の影響もあり約3分の1の授業がオンライン授業でした(2021年度は、対面授業の予定)。大変な一年ではありましたが、学生の対応力に感心させられる年でもありました。

 

(経済学部 國光)

法学部:玉野海洋博物館訪問(ゼミ活動報告)

宍戸ゼミ「研究演習(3年)」では、課外活動として渋川マリン水族館(玉野海洋博物館)を訪問しました。

 みなさんは水族館がどのように運用されているか、ご存知でしょうか。水族館の中には、私企業が運営する興行的性格の強いものもありますし、公的機関が運営する教育・研究的性格が強いものもあります。玉野市が事業主体である渋川マリン水族館は後者にあたり、「博物館法」の適用を受ける施設となっています。

 博物館法だけではなく、その他にも、いわゆる「動物愛護管理法」であったり、ワシントン条約であったり…水族館の管理・運営にあたっては、多くの法令が関係しています。また、公設の博物館(水族館)にあっては、自治体の財政問題により、地域住民の政治的な判断が求められることもあります。

今回、(感染拡大予防のため)少人数の現地訪問+オンライン(Zoom)の方法で、博物館長さまに、法令の解釈や実態的運用について直接質問する機会を得ました。ゼミ生からはきわどく答えにくい質問も出まして(私の指導も充分でなく)甚だ失礼したにもかからず、大変丁寧かつ詳細にご回答いただきました。館長・スタッフのみなさまの寛大な対応に、深く感謝いたします。今回の体験が、学生の今後の活動、とりわけ卒業研究に生きるよう取り組んでいきます。

(法学部:宍戸)

 

〈経済学部通信〉日々新、又日新

各位新年好!

新年、あけましておめでとうございます!

この年末年始、いかがお過ごしだったのでしょうか。私は中国におる家族のことを想いながら少し切ない時間を過ごしました。例年なら、里帰りして短いながらも親孝行ができたはずだったのですが。

思えば、昨年「~はずだった」は数え切れないほどありました。しかし一方、今となって振り返れてみれば、新しい気づきや学びも多々ありました。

そのうち、何より一番は「まず目の前にできることに最善を尽くす」ということです。コロナ禍で経済学科1年次のゼミ対抗プレゼン大会がやむを得ず中止となった今年度、最初は教養演習のゴールが見えなくなったように思いました。でも、やり方はどうであれ、教養演習という授業の位置づけと到達目標は変わったわけではないと改めて思い直し、講義内容の組み方を工夫することにしました。特に心がけたのは、中国人と韓国人留学生もいるということを生かして物事を多角的に捉えられるようにゼミ全員に対する働きかけでした。この1年間の教養演習を通して、ゼミ生にとっては各々の成長はもとより、時空を共にしてきた良き友との出逢いは何よりの宝物だったのでしょう。

去る一年、大学の中庭は学生の姿があまり見えなくて寂しい限りでしたが、春の桜そして秋の紅葉、季節折々の風景は一コマも欠席することなく訪れてきました。その移ろってゆく大自然が教えてくれたように、嘆かず憂えず、来るべき時は必ずやって来る、その日までに今できることに最善を尽くすのみです。

コロナ禍もいずれは去っていき、我々もきっと今まで以上により強くより明るく今日という日を迎え、そしてやがて大学の中庭にも再び元気な姿がいっぱい現れるようになるに違いありません。

そう願いつつ、心待ちにしておる再会の日。

(経済学部:韓)

〈経済学部通信〉岡山商科大学に芸術(音楽)の先生❓👀❓

今回は石原先生にご執筆いただきました。

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ある高校でのこと。

『商大にどうして芸術の先生が?』『どんな授業ですか?歌とか歌いますか?』と質問が・・・。

「歌は歌わないけど~《音と人》《西洋音楽史》《音楽理論》などの座学です。」

「少し内容を紹介すると・・《音と人》では生活の中の様々な音についてです。」『生活の中の音?』

「救急車のピーポーは近づいた時と遠ざかった時どう聞こえる?」

「音の波が圧されると幅が狭くなって音が高くなり、のばされると広くなって音が低くなる。」

「音のしくみ」中村健太郎より

「録音した自分の声を聞いてどう思う?」

「自分の声を聞く時は気導音と骨導音を同時に聞くので録音の声と違って聞こえる」

「音のしくみ」中村健太郎より

「牛や野菜に音楽を聴かせて育てると良質の牛乳や野菜ができる?」

「お酒も音楽を聴いてまろやかになる?」

「他にも音を音で隠すマスキング、コンサートホールが音楽を仕上げるなど様々なテーマがあります。」

「こんな事高校では習わないよね。」『音楽って合唱や楽器を演奏するだけではないのですね。』

(経済学部:石原)

〈経済学部通信〉『教養演習』風景 ~ディベート大会に向けて~

新型コロナ感染症蔓延に伴い、公開を延期いたしておりましたため、

今回は秋ごろにご執筆いただきました内容を載せております。

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 秋も深まり,次第に寒さが身に沁みる頃となって参りました。

 今月から,経済学部では教員が持ち回りで教育や研究などの現場を紹介する運びとなりました。第一回を担当することになります,池田昌弘と申します。

 

 今回,私の方からは新入生の学習の現場を紹介しようと思います。

 

 1年次必修科目である『教養演習』では,スタディスキルの育成と向上を目的として実践型の授業が実施されています。私の講義では「読み・書き・発表」の能力を高めるべく,学生が毎回様々な課題に取り組んでいます。

 

コロナウィルス感染症の影響もあり,今年度は授業開始が1か月程度遅れ,しばらくはオンラインでの講義が続きました。そのような影響もあり前期は「読み,書き」に重点を置いたクラス運営となっていました。

対面授業が本格的にスタートした後期は,人前で自分の意見を話す「発表」を軸に演習が進んでいます。

 

その一環として,11月17日に開催されるディベート大会(國光ゼミとの合同演習)に向けて,本日は「高齢者の免許,自主返納について」という課題に対して,A.自主判断に委ねるべき(肯定側),B.75歳以上は強制的に免許停止にすべき(否定側)の双方の意見を吟味してもらいました。

高齢者問題の1つとして昨今話題になっているトピックではありますが,18~19歳の皆さんにとっては,なかなか身近に感じることが難しいようでした。ただ,実際に運転している学生,祖父母が運転をしている学生の話を聞くと,「対向車線に高齢運転者がいると怖い」であったり,「祖父の運転は安全で信頼できる」と何かしら個人的な見解を持っていることが分かりました。

 

課題がどのようなものであれ,私個人の思いとしては,現代社会の抱える諸問題を「自身の身近な経験」と紐づけて,自分の意見を形成していってほしいと思います。というのも,様々な問題や課題を身近なものと捉えることで,より当事者意識が芽生えて課題解決に向けた考えを導き出すことができますし,主体的に学び考える習慣がつくことで,答えの見えない将来的な課題にも少しずつ直面することができるようになるからです。

 

最初はどこか他人事のように捉えられていた本日の課題ですが,時間が過ぎるごとに身近な問題として直視しようとする姿勢が学生からみられたことは,私にとっても大きな収穫となりました。

そして,感染症対策を遵守し,寒いなか課題に取り組んでくれた学生の忍耐力には頭が下がります。

 

願わくば,その前向きの姿勢がディベート大会本番に活かされんことを(?)。

 

(経済学部:池田)

 

法学部:岡山県警新庁舎訪問(ゼミ活動報告)

宍戸ゼミ「基礎演習(2年)」の学生からのレポートです。

*現在、COVID-19の影響により、原則的に課外活動は中止しております。

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 昨年12月の宍戸ゼミ(基礎演習2年)では、10月に完成した岡山県警本部庁舎を見学させていただきました。見学内容については、紹介ビデオの視聴→通信指令室・交通管制センターの見学→人事採用の説明→質問書回答の順で行われました。

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 特に通信指令室と交通管制センターは、普段見ることのできない場所ですので学生のテンションがかなり上がっていました(*˘◡˘*))

 通信指令室では1日に約500件ほどの通報があり、その通報情報とパトカーの現在位置が大型スクリーンに瞬時に投影されます。その結果、前システムよりも効率的かつ迅速に運用でき、各関連部署と情報共有し警察官を現場へと臨場させることが可能になったそうです。実際、見学中にも何件か通報があり、担当官の方達がバタバタと忙しそうにしておられました。

 交通管制センターも新庁舎に移って以来、県内バラバラにあった7つのミニセンターと交通状況について共有でき、集中制御によりさらなる交通の安全確保と円滑化を図ることができるようになったそうです。また岡山県警で運用中である2種類の新交通管理システム(公共車両優先・緊急車両優先システム)についても説明していただきました。

(ラジオでよく耳にする交通状況を提供する日本道路交通情報センターって常駐しているんですね…。)

 見学の影響を受けてか採用説明会では熱心に話を聞く学生が多かったような…。

 事前学習において出た疑問にも丁寧にご回答くださいました。

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 今回、岡山県警の方々にはコロナ禍のさなかであるにも関わらず、学生に細やかにご対応いただき、たくさんの質問にもお答えいただきまして、ありがとうございました。