〈経済学部通信〉働くということ

今回は三谷先生にご寄稿いただきました。


ある時、行列のできるおいしいパン屋があるといううわさを聞き、訪ねてみた。うわさにたがわず長蛇の列ができていて長い時間行列してパンを購入した。おいしかった。しかし、店の名前に違和感があった。 industryという名前がどうにもなじめず、変なパン屋というイメージであった。確かにパン製造もひとつの産業(industry)ではあるが…?

最近、ようやく謎が解けた。industryという英語にはもうひとつ「勤勉」という意味があるのであった[i]。確かに「勤勉な」職人さんが精魂込めて作っているパンという意味なら店の名前としてよく合っていると思った。

人はなぜ働くのか?働くということはどういうことなのか?そして、なぜ「勤勉に」働くことが求められているのか、考えてみたい。

猪木(1987)は西欧の古典や聖書の労働に関する記述を渉猟し、「(労働は)食べるためであり、無為を取り除くためであり、肉体を鍛えるためであり、時には人々に奉仕するためのものでもある。これらの条件のすべて、あるいはいずれかが満たされていれば、労働は「手段」としての意味をもつのである。しかしそれは自己自身のうちにその目的をもつものでは決してない」と述べている(p.203)。つまり人が働くのは何らかの他の目的のための手段であって、目的ではないということである。

経済学でも労働は「仕事から直接得られる喜び以外の、何らかのよい目的のために部分的にしろ全体的にしろ耐え忍ばれた精神ないしは肉体の活動」と定義され、「賃金率は労働の限界負効用と所得の限界効用の比に等しい」とされている[ii]。すなわち、労働は何らかの目的のために行われる労苦を伴う活動とされている。つらく苦しい労働によって得られた生産物を労働主体が獲得するという考えは、私有財産という制度を妥当なものとみなす思想となった。

なぜ「勤勉に」働くことが求められるのであろうか。

ドイツの社会学者マックス・ヴェーバーが『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』の中で、資本主義の精神として読み取ったのはつぎのようなベンジャミン・フランクリンの言葉である。「時間は貨幣だということを忘れてはいけない。一日の労働で10シリング儲けられるのに、外出したり、室内で怠けていて半日を過ごすとすれば娯楽や怠惰のためにはたとえ6ペンスしか支払っていないとしても、それを勘定に入れるだけではいけない。本当は、そのほかに5シリングの貨幣を支払っているか、むしろ捨てているのだ。…」この本の主題は近代以降資本主義経済が発達した地域は、イギリス、オランダなど、むしろ禁欲的な教義を持つ清教徒が多い地域であるという逆説に関する分析である。その結果、「清教徒の生活と近代の資本主義企業との間の生の様式の共通性を理論的に推測し、両者とも「生活を合理的に組織化している」という事実を見出している。…(中略)…そして、すべての人間は不確実な未来に直面しながら心で自己否定的なまでの日常生活に没頭し,神によって与えられた資源をただ懸命に仕事のために使用するという姿を,カルヴァンは貰讃していたという結論に達する。」(猪木(1987))

このようなマックス・ヴェーバーの宗教社会学的な洞察は大変興味深いが、批判もある。たとえば、日本や韓国など東アジアの資本主義経済の発展には適用できない。また、最近では19世紀後半のプロイセンの詳細な地域別データの分析によって、宗教の教義よりは人的資本理論の枠組みで説明できるとする計量経済史的研究もある[iii]。いずれにせよ、「勤勉」に働くことと近代以降の資本主義的経済発展には密接な関係がある。

最後に、仕事から得られる喜びとして、仕事の能力の向上や人間としての成長など「学び」や「成長」といった重要な側面があることを指摘したい。確かに労働はつらく苦しいものであるが、これまでやれなかったことがやれるようになったり、仕事の工夫をこらしてみたり、職場の同僚・上司から指導や励ましを受けたり、何かを達成する喜びを味わうこともできる。これらのことが「勤勉」を鼓舞することはいうまでもない。就活などで仕事を探している時、就職先の企業を見極めるには、人を育てることに熱心な企業かどうかも大事なポイントである。

(経済学部 三谷直紀)

 

 

参考文献

猪木武徳(1987)『経済思想』岩波書店。

ジェヴォンズ、W. S.(1981)『経済学の理論』小泉信三・寺尾琢磨・永田清訳/寺尾琢磨改訳(近代経済学古典選集 4)日本経済評論社。

ヴェーバー、M.(1989)『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』大塚久雄訳、岩波文庫。

Becker, S.O. and L. Woessmann (2009), “Was Weber Wrong? A Human Capital Theory of Protestant Economic History”, Quarterly Journal of Economics, pp.531-596.

[i] industryの語源はラテン語のindustria(勤勉)であり、フランス語を経由して15世紀後半英語に入ってきた。「産業」という意味は18世紀後半の産業革命期以降に付け加わった。

[ii] ジェヴォンズ(1981)

[iii] Becker and Woessmann (2009)

一般公募制推薦入試 後期の出願受付開始

11月28日(月)から一般公募制推薦入試 後期日程の出願を受け付けています。

一般公募制推薦入試 後期日程<併願>

出願期間 :11月28日(月)~12月6日(火)

試  験  日: 12月17日(土)

試験会場:岡山(本学)

合格発表:12月23日(金)

\入試のポイント/
・資格取得特待生制度対象入試
・特待生特別奨学制度対象入試
・高校の学習成績の状況を20点満点で点数化!

—–

全てWEB出願です。(出願写真のファイル形式はJPEG、10MBまで)

出願書類の提出方法について

  • 出願書類は受験生応援サイトの各入試項目よりダウンロードしてご利用ください。
  • 出願登録完了画面の「必要書類の郵送」欄に基づき、簡易書留速達でご郵送ください。

 

なお、出願書類や他試験の日程等は下記URLをご覧ください。

岡山商科大学 受験生応援サイト・入試情報
https://osu-ouen.jp/admissions/

詳細は、入試ガイド学生募集要項でご確認ください。

皆さまの出願をお待ちしております 😀

<お問合せ・お申込みはこちらへ>
岡山商科大学入試課 電話:086-256-6656 メール:nyusi@po.osu.ac.jp
〒700-8601 岡山市北区津島京町2丁目10-1

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専門能力推薦A前期および一般公募制推薦 前期ABの出願受付中

現在、専門能力推薦入試A前期日程および一般公募制推薦入試 前期AB日程の出願を受付中です!

専門能力推薦入試A(一般型)前期日程<専願>

出願期間 :11月1日(火)~11月10日(木)

試  験  日: 11月26日(土)

試験会場:岡山(本学)

合格発表:12月2日(金)

\入試のポイント/
・「資格取得」、「スポーツ」、「文化・芸術」、「ボランティア」、「リーダーシップ」5つの分野で出願可能!
 高校で打ち込んできたことをアピールできる入試です。
・専願入試特待生制度対象入試
 高校の成績により、授業料が減免となります。

 

一般公募制推薦入試 前期A日程・B日程<併願>

出願期間 :11月1日(火)~11月15日(火)

試  験  日: A日程11月26日(土)、B日程11月27日(日)

試験会場:岡山(本学)、姫路、鳥取、松江、広島、福山、山口、徳島、高松、松山、高知

合格発表:12月2日(金)

\入試のポイント/
・地方10会場で受験可能!
・前期A日程、B日程を併願の場合は、1回分の検定料で受験可能
・資格取得特待生制度対象入試
・特待生特別奨学制度対象入試
・高校の学習成績の状況を20点満点で点数化!

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全てWEB出願です。(出願写真のファイル形式はJPEG、10MBまで)

出願書類の提出方法について

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  • 出願登録完了画面の「必要書類の郵送」欄に基づき、簡易書留速達でご郵送ください。

 

なお、出願書類や他試験の日程等は下記URLをご覧ください。

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公務員試験合格者座談会が開催されました

先日、今年の公務員試験合格者のうち、5人に来てもらって在学生向けに座談会を開催しました(今春卒業し、1年浪人して合格した筆者のゼミ生にもテキストで参加してもらいました)。

公務員といってもいろいろな職種がありますし、試験も様々。
在学生には目的意識をしっかり持ってもらって、目標に向かって戦略的に勉強をしてもらえるよう、合格者が考えていたことやノウハウをじっくり語ってもらいました。

↓特にこんなことについてお聞きしてみました。
志望動機
勉強ヒストリー
愛用問題集&必携アイテム
一次試験対策
二次試験対策
説明会・官庁訪問の心得
苦手科目を克服するか捨てるか
民間企業との併願について
一番苦しかったこと・メンタル維持の方法
お金の問題 etc.

聴講した学生からは、「モチベーションが上がった」「具体的な内容が聞けて公務員への関心が高まった」「自分でも努力すれば報われる可能性があり、自分の夢を必ず叶えたいと感じた」「今すぐ、もっと勉強しなくてはという気持ちになった」「具体的にどのくらい勉強すればいいかわかった」といった声が聞かれました。


先輩達に続くよう、期待しています!

 

(参考:キャリアセンターより)

本年度は、2022年10月4現在、17名の在学生が公務員採用試験に最終合格しました!今後も合格発表がありますので、さらに合格者が増えることを祈っています。

国土交通省(国家一般職)

1名

総務省(国家一般職)

1名

国税専門官

2名

裁判所事務官

1名

鳥取県庁

1名

岡山市役所

1名

福山市役所

1名

赤磐市役所

1名

岡山県警察本部

4名

山口県警察本部

1名

愛媛県警察本部

1名

総社市消防本部

1名

陸上自衛隊一般曹候補生

1名

合 計

17名

個別での大学訪問や相談など随時受付中

オープンキャンパスは終了しましたが、個別での大学訪問や説明、キャンパスツアーなど、随時、受付中です。
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大学での説明や相談、キャンパスツアーなど個別訪問

「オープンキャンパスには行けなかったけど、岡山商科大学を見てみたい!現地で説明を聞きたい!」という声にお応えし、個別訪問を受付中です。

ご訪問希望日の2日前(土日祝日除く)までに、予約フォームにお申込みください。

※予約フォームの日付が3月31日(金)となっておりますが、随時、ご予約を承っております。

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1)希望日時(1回あたり40分迄を目安とします。)
2)氏名
3)高校名(所属先)
4)学年
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岡山商科大学 入試課
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日韓学生未来フォーラム -韓国編-

(財)李煕健韓日交流財団が主催する、「第7回日韓学生未来フォーラム」に本学の学生3名が参加します。日韓相互理解を目的として、両国の学生15名ずつ計30名と関係者10名が集まり、ワークショップや交流会が行われます。今年のテーマは「ウィズコロナ時代における日韓未来協力に向けた大学生の疎通と交流」で、政治・経済・文化の3つの論題に分かれて討論をします。

9月と11月の2回ある研修のうち、今回は9月2日~5日に開催されたソウル研修の体験記を報告します。

 

■山本竜也(経済学部4年)

 私は政治分野を担当し、日韓関係の改善策を模索しました。討論会での質問やその回答、意見の質がとても高く、充実した時間を過ごすことが出来ました。韓国の学生は「個性」を大切にし、前向きな考え方をするのが印象的でした。また、晩餐会や観光の時も社交的で、韓国のお酒の飲み方を教えてくれたり、一緒にお土産を選んでくれたり、すぐに仲良くなれて良かったです。

フォーラムに参加したことで、世界に目を向けるきっかけが得られたことに感謝しています。また、人生や夢に対する考え方など、異なる価値観に触れたことで、自分自身の視野も広がりました。終始、笑顔の絶えないフォーラムだったと思います。今年の11月に行われる神戸研修も頑張りたいです。

東国大学(韓国ソウル)にて

第1回 総合型選抜エントリー受付中

9月5日(月)から総合型選抜 事前選考エントリー受付を開始しています。

エントリー期間:2022年9月5日(月)~9月15日(木)

事前選考:10月1日(土)
事前選考通過発表:10月7日(金)

事前選考エントリー前に、総合型選抜説明会を受講することが、エントリーの要件となります。
総合型選抜説明会の受講方法は、下記の方法となります。

①2022年度オープンキャンパス【来学型・Web型】で説明会を受講する。
②総合型選抜説明会動画を視聴する。

 日  程:随時
 受講方法:下記の予約フォームにて申込後、メールで送信されるURLより動画を視聴してください。

予約フォームはこちら。
※予約フォームの日付が12月22日となっておりますが、随時、視聴用URLを送信しておりますので、ご安心ください。

なお、本学の定める期間中に総合型選抜説明会を受講できない場合は、エントリー締切日の3日前までに入試課へご連絡ください。

総合型選抜エントリーに関する詳細は、総合型選抜エントリーガイド2023をご確認ください。

 

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〈経済学部通信〉最適技術とは何か?

今回は佐藤先生にご寄稿いただきました。


  中村 哲(なかむら てつ)氏は、医師 として、パキスタン や アフガニスタンでの医療活動により、多数の人々を救済してきた。また、2019年12月に武装勢力に銃撃され、この世を去ったことは、既に多くの人々の知るところである。

 中村氏の活動の根源は、「社会的弱者の救済」にあった。もちろん、ご専門が医師であるから、病気で苦しむ人々を救済することが主要な活動であった。しかしながら、医師としての活動だけでなく、食料不足で困窮する人々のため、大地を潤し、豊かな実りにより、飢餓から人々を解放するためにも多大の貢献を為されたことをご存じでしょうか?

 今回のブログでは、「医師としての中村 哲」ではなく、農業・農村振興に尽力された氏の姿に焦点を当ててみたい。中村氏は、医師でありながら、農業用水路を築造し、アフガニスタンの乾いた大地を水で潤し、貧しい人々に食料確保のチャンスを提供したのである。

 中村氏が赴任した当初は、アフガニスタンでは、食料不足や病気で多数の人々が死亡していた。氏は、「この国の問題の根源はどこにあるのだろう」と考え続け、「根本原因が【水不足】にある」と気付いたそうです。国土の大半が乾燥地域にあるアフガニスタンでは、水不足のため、必要量の食料生産が困難であり、この食料不足が人々の健康に大きな影響を与えていたのである。

 そこで、氏は、「新たに用水路を作り、アフガニスタンの大地に水を供給し、食料生産増加」の取り組みを開始したのです。本ブログでは、【緑の大地計画】と呼ばれている、中村氏がリーダーとなって実施した、「水利施設」築造に関わる苦難の活動の中から、筆者が、極めて大切であると考える「知見」についてご紹介するものである。

 1991年、中村氏は医師として派遣されていたパキスタンから、隣国アフガニスタンの険しい山岳地帯に初の診療所を作り、多くの人の命を救っていた。そして医療活動だけではなく、1600本もの井戸を掘り、戦災と干ばつに襲われたアフガニスタンを、なんとか救おうとしていた。しかし地下水の枯渇を恐れたアフガニスタン政府は、井戸掘りの禁止を命じた。

 中村氏は、方針転換を余儀なくされ、河川の水を農地で利用するための【緑の大地計画】を発表し、用水路の建設に着手したのである。アフガニスタン東部を流れるクナール川に堰を築き、それによって水を用水路に引き込み、乾いた大地へ送水する計画である。

 しかしながら、この工事は、大変な難事業であった。河の流れが速く、大量の土砂も含んでいたため、築いた堰は、濁流によって容易に破壊されたそうである。とくに、十分な資金もないため、鉄筋コンクリートなどを利用した近代土木技術を利用できる状況にはなく、人力で大きな石を河川に投入し、それによって「堰」を築造し、河川水を用水路に導水しようとしたのである。しかしながら、河川に投入した石は、たとえ巨岩であっても、河川の巨大な水圧には対抗できず、容易に崩壊したそうである。

 悩み抜いた中村氏は、何度となく故郷(福岡市)を訪れ、古老の話などを見聞し、福岡県朝倉市を流れる1級河川・筑後川の中流にある『山田堰』と呼ばれている「取水堰」を見学したそうである。この「堰」(通称、斜め堰と呼ばれている)は、江戸時代に築造されたものであり、したがって、鉄筋コンクリートも使用せず、単に、石を積み上げただけの堰である。中村氏は、この「斜め堰」は、近代的建設材料が全く利用できないアフガニスタンでは、「最適な土木技術である」と思い至るのである。

 この堰の特徴は、「堰が河川の流れる方向に対して斜めになっている」ことであり、このことが重要な意味を持っている。つまり、「石を河川の流れに対して、最も水圧を受けにくい斜めの角度」で積み上げることにより、河川水位を上昇させ、河川の側面に築造した水路に水を送り込み、その水を農地へ送水するのである。この「斜め堰」は、岡山県の旭川の中でも見つけることが出来る(江戸時代に築造)。

 

★要するに、読者の皆様に伝えたいことは、【時代の最先端技術=最適技術】ではないということである。最適技術とは、その技術を利用できる人々(あるいは、社会)の知識レベル・技術レベル・資金力レベル等々の諸条件の中で考えなければならないということである。

本文作成における主要な情報は、下記より引用

   https://www.fnn.jp/articles/gallery/198958?image=9

9/17(土)来学型オープンキャンパスのお知らせ

●来学型 事前予約制
9月17日(土)10時~12時半

プログラム:
・全体会(大学紹介、学部学科紹介、入試制度紹介)
・学科ガイダンス
 4学科に分かれての詳細な学科説明やミニ講義、 個別相談などを行います。
 興味のある学科の学科ガイダンスにご参加ください。

学科 講義テーマ 担当教員
法学科 ミニ講義「歴史的観点から見る民法」 鬼頭祐紀 講師
経済学科 ミニ講義「身近な出来事から学ぶプログラミングとシミュレーション」 渡辺寛之 講師
経営学科 ミニ講義「会計は何の役にたつ?」 内田浩徳 教授
商学科 ・学生による学科説明
・学生によるフィールドスタディ説明
杉本敦 准教授

・学生生活・入試個別相談
 学生生活や入試に関することなどお気軽にご相談ください。
・総合型選抜説明会 ※希望者(3年生)のみ
 総合型選抜へのエントリー要件となります。
 総合型選抜での出願をご検討の方はご参加ください。
・保護者のための大学説明会

9/17事前予約ページはこちら。

※同行者は1名までとし、ご登録いただいた保護者のみ入場可能です。
 申込後、参加の可否を入試課よりメールにてお知らせします。
 nyusi@po.osu.ac.jpからのメールを受信できるよう設定をお願いします。

その他:
①駐車場をご用意しております。
②当日、発熱等の症状がある場合は来場をお控えください。
③来場時に、体温の検温を行います。 また、消毒用アルコールをご用意しておりますので、手指消毒にご協力ください。
④来場時はマスクの着用をお願いします。
⑤「3つの密」を防ぐために来場制限を行い、座席間隔をあけ、適宜換気を行います。

今年度のオープンキャンパスは9月17日(土)で終了です。

 

〈経済学部通信〉あの思いこの思い

今回は韓先生にご寄稿いただきました。


 早朝五時ごろ目が覚めるや否や、蝉の大合唱がすでに始まった。出窓の網戸に一匹が飛びつき、耳いっぱいに訴えてきた。けなげな君だなと眼をやりながら、すっと身も心も軽やかに感じてきた。

 大暑入りしてから、いつの間にか蝉が一斉に出そろった。夏の宴を盛り上げんがための勢いだ。人の世に束の間のゲスト出演だとはいえ、さっと訪れ、わっとクライマックスへと、そしてほどなくひっそりと去っていく。その潔さが何とも言いがたい。

 「ねえ、聞こえてる?うちのほうも、蝉が鳴き始めたよ。いっぱい集ってるんよ、庭先のあのナツメの木に。」と、ほぼ同じタイミングに母から音声メッセージが入って来た。

 あのナツメの木かぁ。

 父が植えてくれた木だ。

父は他界して今年で20年。この20年の間、一番下の弟も結婚し二人の息子を育て、その長男は今9月から高校生になる。一方、母は孫たちの世話を終え、田舎の実家に戻って一人暮らしを選んだ。野菜の栽培や、鶏、犬、そして猫たちのことで毎日忙しく動いている。何より、勉強や習い事の合間に戻って来た孫たちを、心いっぱいの手料理を作って迎えるのが至福のようだ。寂しくなんかしてないよ、だって、この家、お父さんとの思い出がいっぱい詰まっているもん、と朗らかな母。

 この20年間を、母は父のことをどう思って過ごしてきたのかずっと気になっていたわたしだったが、母のその言葉に救われている。

 

 さて、あなたは?何かを残したのだろうか。

 蝉時雨の中、つながっている空を眺めつつ胸の奥から聞こえた、

「我、此処に有り」と。

 

庭先に父が植えてくれたナツメの木

 

夕日が映える母の散歩道