行政書士法学研修講座が始まりました

 去る6月4日(土)より「行政書士法学研修講座」が始まりました。この講座は行政書士の方々が法律学にかかわる理解を深めることを目的として開講するものです。昨年度は新型コロナウイルスの影響により開講されませんでしたが、今年度は岡山県行政書士会との協議のうえ、感染予防に配慮しながら対面で開催する運びとなりました。

 

 まず、6月4日の講義では、宍戸圭介教授が憲法の裁判例について解説しました。この講座では今後、12月中旬まで随時、憲法・要件事実論(小林裕彦弁護士ほか)・行政法(伊藤治彦教授)・財産法(𠮷岡伸一教授)・家族法(松山忠造氏[山陽学園大学名誉教授])の講義を順次展開する予定となっています。

(法学部:白井)

税理士特設講座が始まりました

 去る5月14日(土)より、本学大学院法学研究科が主催する「令和4年度税理士特設講座」が始まりました。この講座は中国税理士会との協定に基づいて実施するものであり、租税法の基礎理論にかかわる裁判例の検討を通じて、税理士の方々が租税法の理解を深めることを目的としています。また、法学研究科開講科目「税法特殊講義Ⅰ」と合同で開講することにより、税理士になることを目指して日々研鑽を積んでいる大学院生が租税実務について意欲や知識を高めていくこともねらいとしています。

 

 今年度は、水野忠恒教授(本学大学院特任教授)の指導の下、集中講義の形式で8月上旬まで毎月1〜2回(合計6日間・15コマ)開講する予定となっています。今回は、税理士会を通じて12名の税理士の方々の申込がありました。われわれは「地域と呼吸する大学」として、今後も地域社会のみなさまに学修機会を幅広く提供することで、地域の発展に貢献していく所存です。

(法学研究科:白井 諭)

〈経済学部通信〉商大を起点に吉備路をサイクリング

今回は3月に本学をご退職された有利先生にご寄稿いただきました。

(2022年6月9日、一部の文章と写真を改訂しました。)


岡山商大から少し離れると、自然も、古代からの文化も豊かであり、それらに触れることが可能である。商大の北側にある山が烏山、その右側が半田山。インターネットで探してみると、古代の山陽道はその間を通り、津高の津波井に出ていたらしい(別説もある)。その後、西坂が開拓され烏山の南麓を通ったとのこと。

商大の近くに住んでいたころ、散歩は、まず商大から笹が瀬川に出て、自動車の来ない堤防の上を西に向かい一宮高校まで歩き(ここまではサイクリングと同じ道)、その先を右折して楢津の集落内に出る。そこで見上げるとお城(久世建設)があるが、そこへ登る手前の十字路を右折して集落の中の道を商大の方に歩くと左手に若宮八幡宮がある。神社まで、横の車道を駆け上がると、最後は息が上がり、ちょうど手頃な運動になる。さらに、商大に向けて「首部(こうべ)」の集落の中を戻ってくると、 左手奥に白山神社があり、そこには「首塚」がある(写真1、木の葉の間に商大の建物も)。ただし、以前は横に立て札があり、次のように記されていた。

「首塚の伝承は
一 日本武尊が穴の海(過去の瀬戸内海)の悪神を征伐した首
二 木曽義仲が笹ケ瀬合戦で滅ぼした妹尾兼康の首
三 建武三年福山合戦での足利直義軍による大江田(オイダ)氏経軍の首
四 天正七年毛利宇喜多の戦いでの、辛川合戦の首
五 「備中国吉備津宮勧進帳」の文中の吉備津彦命が退治した鬼の首(温羅)
等諸説があり、村名もこれらの事にちなんで首部(こうべ)と成った。
一宮地域活性化推進委員会  」

このあたりが古代から戦場であったという歴史を感じることができたが、残念ながら、現在は撤去され、上記の説「五」だけになっている(温羅はこの地を豊かな米どころにしたということで「米神」)。まさか、掘り起こして鬼の首を確認できたわけでもないだろう。商大まで戻ると、所要時間30分位でちょうどよい散歩コースである。ゼミ生とも、年1回くらい訪れた。それにしても、このおどろおどろしい地名がよく残ってきたものである。

写真1 白山神社の首塚

次に、サイクリングコース。変速機付きの「軽快車」は、私の若いころは憧れであっても手にすることはできなかった。例えていえば、ママチャリを小型の乗用車とすると、レーシングカーに乗るに近い感覚であった。しかし、約10年余り前、憧れの24段サイクリング用自転車を購入した。さすがにドロップハンドルは無理なので、クロスハンドルにした。私の身長でも可能で、値段が手ごろかつ重量が9キログラム程度の軽い、1年落ちのジャイアント製(有名な台湾メーカー)があり、即購入した。

 

写真2 商大正門前

岡山には、整備された専用のサイクリングロードが何本かある(https://www.okayama-kanko.jp/hareiro-cycling/)。そのうち、運動公園から総社・国分寺に向かう道が商大の近くを通っている。4月初旬の晴れた日、14時20分に商大を出発。野球部の練習場の横を抜け、51号線の下をくぐって笹が瀬川の北側の堤防を進むと、約5分で「東楢津自転車歩道橋」に出る。ここで運動公園からの吉備路サイクリング道路に入る。あとは路上に描かれた青い矢印に従って行けば良いだけである。かなり前の出来事だが、土曜日昼にサイクリングに出かけたところ、この橋の手前の用水に男性高齢者がたった今落ちたと、犬の散歩中の女性から話しかけられた。用水は、幸い水量は少ないものの溝自体は結構深い。ちょうど一宮高校の部活帰りの諸君が大勢通りかかったので、引き上げを頼むとともに救急車に来てもらった。彼らはてきぱきと行動し、助け上げてくれた。おかげで、落ちた男性は病院に運ばれたが無事だったと聞いた。私は何をしたか?!。堤防の上で無能な指揮官よろしく口だけでただ眺めていた。また、後日、山陽新聞に匿名投書して高校生の活躍を記事にしてもらった(実はメールアドレスでバレてしまった)。

 

写真3 サイクリング道路へ 

写真4 吉備路自転車道全体

一宮高校の横を通って、国道180号を跨ぐ歩道橋を渡り、ゴルフ練習場のところで笹が瀬川と別れる。以前は、ゴルフクラブのドライバーだと正面のネットの上の方に当たったが、今はそもそもネットまで届くかどうかだろう。その先の、市の一宮浄化センターをだいたい14時40分ころに通過。小さい橋を渡って右折。ここでは、ヌートリアをよく見かけた。最初は、絶滅した日本カワウソがいるのか?と驚いたが違った。今もたくさんいるのだろう。用水に沿って5分くらい進むと左折の標識。堤防からの急な坂を下りるとすぐにJR吉備線の踏切。これを越えて吉備線に沿った道へ右折して入るとすぐに吉備津彦神社の鳥居。ここまでの所要時間は35分間程度。

 

写真5、6 吉備津彦神社

 

今回は、備前一宮駅前にある古民家カフェ「はこきび」によらず、神社を参拝し(神社の紹介は省略)5分程度で出発。田んぼの中の用水に沿って進み、いったん一般車道に出て鼻ぐり塚の前を通過し、吉備津神社へ。15時20分頃に到着。ここに来ると、必ず門前の食堂兼みやげ物屋の店頭で、夏は冷たい・冬は暖かい甘酒(ビン詰め)を飲む。今回は石段下の鳥居の前で参拝して出発。なお、吉備津神社が風格を見せる写真スポットは、広い駐車場にある犬養毅の銅像あたり。ただ、以前より木々が成長して建物が隠れかげんになってきた。吉備津神社出発が15時30分。

 

写真7、8 吉備津神社

 

自転車道に従ってゆくと、天皇休憩地で足守川に出る。実は、途中で矢印を見失い、少し遠回りしてしまった。、ここへの到着は15時45分。次いで鯉喰神社へ15時50分着。さらに、造山古墳を左手に見ながら進み、16時15分、国分寺へ到着。五重塔と周囲の景観は見事という他はない(国分寺の紹介は省略)。今回はここを終着点にした。片道20㎞程度、途中で寄り道をしたため商大を出発してから2時間弱だった。この道程の近傍には、数多くの古代の遺跡がある。前述の神社の他に、楯築遺跡(弥生後期)、鯉喰墳丘墓(温羅伝説:鵜の吉備津彦が鯉の温羅を捕捉)、造山古墳(県下最大、全国で4番目の大きさの前方後円墳)、こうもり塚古墳(県下最大の横穴式石室)、これらの周囲にある数多くの古墳群。

 

写真9 造山古墳

写真10 国分寺

岡山商大を起点に、さらに、足守川を遡って秀吉の水攻めで有名な備中高松城跡、健脚なら鬼ノ城方面、一方、足守川と笹が瀬川の合流地点からさらに南下して岡南飛行場方面へも行くことができる。延々とアパートや住宅が続く大都会地と違って、岡山は、商大の西側の笹が瀬川を渡れば田園風景であり、その中に多くの歴史遺跡がある。梅雨時と真夏日は控えた方が良いが、たまには、エアコンの車中だけでなく、外の空気を吸うのも良いだろう。自動車との接触や用水への転落に気をつけながら、少しばかりの遠出をお勧めしたい。

なお、すでに絶版になっていて残念だが、『自転車古墳散歩』(吉備人出版2012)という本がある。図書館で見ることができれば、参考にしてほしい。

(岡山商科大学名誉教授 有利隆一)

里山里海交流館しんぴお開所式の運営協力

6月4日(土)真庭市北房地区にて「里山里海交流館しんぴお」の開所式が開かれ、商学科の学生5名が受付や駐車場誘導など運営協力を行いました。

同施設は(一社)北房観光協会が日本財団の助成を受け(「渚の交番プロジェクト」)、里山里海の交流拠点として整備しました。

北房の備中川流域では地域の方がホタル保全活動に取り組まれ、毎年、自然のホタルが乱舞します。里山や川を守ることが里海の暮らしを守ることにもつながります。

多目的ホール「ほたるび」では映像(世界初となるVR動画を実写投影)を通じて里山と里海のつながりを体験学習できるほか、隣接する和食レストラン「北房ほたる庵」と連携し里山里海の食を楽しむこともできます。

また、昨年9月に備前市日生にオープンした同じく渚の交番施設「ひなせうみラボ」と連携して、里海里山の交流事業を展開される予定です。

本学の経営学部商学科三好ゼミでは、同施設を使った体験型商品開発を進めています。

この度は、その活動の一環として、開所式の運営協力に携わりました。

里山里海交流館しんぴおの外観。

開所式準備のお手伝い。

各所からお祝いのお花やお酒がズラリ。

来賓によるテープカット。

開所式の最後には北房ホタルっ子ミュージカルの子どもたちによる「里山から海をまもろう宣言」が行われました。

会場では真庭市北房や備前市の物販、また近くに店舗を構える旅人食堂さんが出店されていました。

片付けの後は広場でのんびり。北房ほたる庵に来店された子どもと窓越しに手を振りあって交流しました。体験型商品開発では、この広場の活用も考えています。

肉うどんをいただきました。働いた後のご飯は美味しい!

多目的ホール「ほたるび」で270度の映像も体験。この施設を使って、今後どのような体験ができるかも考えていきます。

北房観光協会の皆様、今後ともどうぞよろしくお願いいたします!

(産学官連携センター・三好)

 

【犯罪被害者支援部つぼみ】岡山西警察署を訪問させていただきました

つぼみの部員有志で、5月11日(水)に岡山西警察署を訪問させていただきました。ももパト隊の活動や犯罪被害者支援活動に資する助言等を求める・・・ということで伺いましたが、警察の普段の業務内容や採用状況等もご説明いただき、装備品の紹介、護身術の体験、白バイやパトカーの乗車体験までさせていただきました。

装備品の紹介では、実際の警察官が着用しているものと同じ防弾チョッキなどの装備品を着用し、その重さに驚いたり、装備品それぞれの仕組みにも、参加部員は興味津々でした。

また、護身術の体験では、いざという時に身を守るための術を教えていただくとともに、大声で助けを求めるなどの基礎的な部分の重要性を再認識させられました。

さらに、白バイやパトカーの乗車体験では、普段目にする機会の多い白黒のパトカーだけでなく、覆面パトカーにも乗車させていただき、貴重な体験となりました。あらためて、交通法規を遵守して、安全に運転しなければならないと感じました。

バイクに乗っている人と車

自動的に生成された説明

最後に、岡山西警察署の荻野英俊署長を交えて座談会を開催していただき、警察に関する素朴な疑問から採用について、そして、つぼみの主な活動である犯罪被害者支援活動や防犯・子供の見守り活動についてなど様々なお話を伺うことができました。参加部員の今後の就職活動やつぼみの今後の活動にとって大変参考になりました。

キッチンで作業をしている人たち

低い精度で自動的に生成された説明

あらためて、岡山西警察署の皆様、当日は大変お世話になりました、ありがとうございました。今後も、様々な活動でお力を借りる時があると思います。その際には、ご協力をよろしくお願いします。

(法学部3年:横山)

 

〈経済学部通信〉対面とオンラインの選択について

今回は星野先生にご寄稿いただきました。


新型コロナウイルスの蔓延により、生活様式は大きく変わったことかと思います。私のまわりでは講義はもちろん、研究活動についても変化がありました。

 

履修者の多い講義では、教室の収容人数の関係上、実際に教室に集まって受講する対面講義と、Zoomを使用したオンラインとを併用したハイブリッド形式の講義を行なっております。これまで履修者の多い科目では対面で参加する履修者数は少なくなる傾向にありましたが、今年度に入り、対面で参加する学生の数は多くなっております。そのためか、最近はまるで教壇に初めて立った時のような緊張感を感じており、何か新鮮な気持ちになります。また、教室での学生の反応を見ながら講義を進めていくことができる点は、やはり対面での講義の重要性を感じております。

 

また、先日の土曜日(5月14日)にオンラインでの学会に参加しました。(私が報告するのではなく、一方的に他の研究者の報告を聞くだけですが。)感染対策の観点からオンライン形式での学会が多いのが現状です。オンラインでの開催の方が参加の障壁はかなり低くなり、参加はしやすいと個人的には感じておりますが、コミュニケーションのとりやすさについては対面の方がより円滑に行うことができるようにも思えます。先日参加した学会は、2日間の開催でしたが、2日目の日曜には対面とオンラインの併用となっており、それぞれのメリットを活かすような工夫がなされておりました。

 

これ以外にも、共同研究などの打ち合わせについては、Zoomを使用したりと情報共有や議論などは格段としやすくなったように思えます。

 

アフターコロナでは、こうした対面とオンラインのメリットとデメリットに対する考え方は、より重要視されるように思えます。

 

いずれにしても、1日も早くコロナウイルス感染症が収束し、対面やオンラインのどちらか一方しか選択できないという状況ではなく、それぞれのメリットデメリットを考慮した上で、最適な選択できるような環境になることを願っています。

(経済学部 星野)

6/19(日)来学型オープンキャンパスのお知らせ

※定員に達しましたので、予約は締め切りました。

●来学型 (事前予約制
6月19日(日)10時~12時半

プログラム:
・全体会(大学紹介、学部学科紹介、入試制度紹介)
・学科ガイダンス
 4学科に分かれての詳細な学科説明やミニ講義、 個別相談などを行います。
 興味のある学科の学科ガイダンスにご参加ください。
・入試個別相談 入試に関することなどお気軽にご相談ください。
・総合型選抜説明会 ※希望者(3年生)のみ
 総合型選抜へのエントリー要件となります。
 総合型選抜での出願をご検討の方はご参加ください。

6/19事前予約ページはこちら。

※同行者は1名までとし、ご登録いただいた保護者のみ入場可能です。
 申込後、参加の可否を入試課よりメールにてお知らせします。
 nyusi@po.osu.ac.jpからのメールを受信できるよう設定をお願いします。

その他:
①駐車場をご用意しております。
②当日、発熱等の症状がある場合は来場をお控えください。
③来場時に、体温の検温を行います。 また、消毒用アルコールをご用意しておりますので、手指消毒にご協力ください。
④来場時はマスクの着用をお願いします。
⑤「3つの密」を防ぐために来場制限を行い、座席間隔をあけ、適宜換気を行います。

 

次回の来学型は7月23日(土)です。

【6/19以降の予告】
2022オープンキャンパス 
(来学)2022年7月23日(土) 
(Web)2022年8月2日(火)
(来学)2022年8月27日(土)
(来学)2022年9月17日(土)

 

商学科の活動「デートDV出前講座」

5月19日(木)、商学科の教養演習と研究演習2年から6クラスが合同して、岡山地方法務局・岡山県人権擁護委員会の出前講座を受講しました。テーマは「デートDV」です。内閣府の調査では20代の約2割がデートDVを経験しているそうです。

DVは、殴る蹴るなどの身体的暴力だけではなく、心ない言動で心を傷つける精神的暴力、金銭をせびる、借金を返さない、バイトを強要させる、バイトをやめさせるなどの経済的暴力や性行為の強要などの性的暴力なども含みます。

講座ではDVの定義後、DV被害者の立場の二つの詩「今日お花をもらった」「私の彼氏はバイクを持っている」の朗読がありました。これらの詩には暴力をふるった後に謝罪する加害者の行動サイクルやDVを受けても別れない被害者の対応が描かれています。内閣府の調査ではデートDVの被害者の約35%が「別れなかった」「別れようと思わなかった」と回答しています。

その後、高校生を主人公としたデートDVの事例紹介アニメと人権擁護委員の方々の熱演ビデオを見て、Happyな二人であるための対等な関係の大切さを確認しました。対等な関係では、暴力を認めないこと、相手の自由を奪わないこと、自分を大切にして自分の気持ちを相手にきちんと伝えることが大切です。

最後に、デートDVの被害者になったらどうするか、友達から相談を受けたらどうするかについてアドバイスをいただきました。デートDVは経験したことがある学生もいる程のとても身近な問題です。この講義が自分のことを大切にし、相手のことも大切にする対等な関係について考えるきっかけになってくれるとうれしいです。

(商学科・松浦)

〈経済学部通信〉思いて学ばざれば即ち殆し

今回は三谷先生にご寄稿いただきました。


思いて学ばざれば即(すなわ)ち殆(あやう)し

「(自分ひとりで)考えるだけで(他の人から)学ばなければ危ない。」『論語』

 

コロナ禍も3年目に入っている。この間大学での「学び」にも大きな制約がかかった。オンライン授業を余儀なくされ、部活動にも厳しい制限があった。とりわけ、留学生の中には日本に来たくても来れない状態が長く続いている。感染症対策としてやむなくとられた措置だが、大変残念なことである。

実は半世紀前にも同様なことが起こった。大学紛争である。私は当時学部の2年生であった。「学生ストライキ」で約8カ月もの間授業はなかった。それでも何故か留年もせず、無事進級できた。(中には紛争前に留年覚悟で出国し、シベリア鉄道でスウェーデンに行って皿洗いをして金を貯めてヨーロッパ・中近東・インドを旅行し、帰国してみるとちょうど運よく授業再開に間に合い、留年を免れたという強運の者もいた。)しかし、今から思えば失ったものも多かった気がする。そこで、私の学生時代の経験も踏まえて「学ぶ」ということを考えてみたい。

当時大学は就職のためというよりは学問をするために行くところという意識が強かったように思われる。授業の有無にかかわらずよく勉強した。

私は大学の学生寮に住んでいた。旧制高校の木造教室を改造した寮で9人部屋であった。勉強する部屋は真ん中に石炭の達磨ストーブがひとつあって冬場に暖がとれたが、別室の蚕棚のような寝室には暖房はなく、冬の寒い朝には布団の上にうっすら霜が降りるようなところだった。部屋替えまで1年間一切掃除はしないので汚いこと限りないところであった。部屋替え前には「ストーム」と称して部屋対抗の水かけ合戦があった。酔っぱらった勢いでバケツに水を汲んでかけあうのだが、ある時消防ホースで消火栓の水を使った寮生がいて当然ながら大目玉をくらった。

朝晩の食事が付いていた。週に一度「わらじ」のように大きなトンカツが出るので皆楽しみにしていた。食事は夜10時までに食べないと「残食」となり、他の寮生が食べてよいことになっていた。ストで授業がなくなってから、私は日が傾く頃に起きて夕食をとり、10時過ぎに「残食」を食べて、徹夜で勉強して朝食を食べてから就寝するという夜昼逆の「グリニッジ標準時」で生活をしていた。寮にいると先輩・同輩から色々な話を聞くことができて面白かった。勧められた本をたくさん読んだ。中でも、旧ソ連の盲目の数学者ポントリャーギンの本が面白かった。ドストエフスキーの長編小説も理解度はともかくすべて読んだ。たまに大学へ行ってバリケードの中で行われていた自主ゼミでマルクスやエンゲルスの本も輪読した。都会に出て間もないこともあって「疎外」という言葉に共感した。

「ストライキ」期間中は思うがままに時間をたっぷり使って大著・名著に挑むことができた。しかし、今になって思えばやはり授業がなかったことでややバランスを欠いた勉強の仕方ではなかったかと思う。たとえば、統計学はその後の私の仕事で重要な役割を果たしたのにも拘わらず、若い頃まじめに勉強しなかったことを悔いている。政治学でトクヴィルを勉強したはずだが記憶がない。量子化学も単位はとっているが中身は覚えがない…。要するにスト終了後単位をとるためだけに「一夜漬け」で凌いだに過ぎない。

「学ぶ」ということは動機付けと教える人への敬意を必要とする。また、とりわけ教養課程の授業は多くの未知の学問との出会いの場である。その中で先輩・友人との交流や「〇〇先生の謦咳(けいがい)に触れる」という言葉が象徴するような人と人の直接的な交わりが果たす役割は大きい。オンライン授業ではまだまだ置き換えられないように思われる。

(経済学部 三谷)

〈経済学部通信〉商大ワールドカフェ

4 月 10 日,経済学部では新入生対象のイベントとして商大ワールドカフェを開催しました。従来,新入生は市内の合宿所で 1 泊 2 日の合宿を通じて大学生としての心得やスタディスキルを学んだり,友達を増やしたりする機会がありました。しかし新型コロナウイルスの感染拡大によって合宿を行うことができず,友達作りのきっかけがなく悩んでいる学生が多いという状況が続いていました。そこで今年度初の試みとして開催されたのが商大ワールドカフェです。

このイベントは 2 部構成となっており,前半では好みや趣味などの共通点を探しながらお互いを知る,自己紹介ゲームを行いました。

後半が本イベントのメイン,ワールドカフェです。ワールドカフェでは少人数のグループに分かれてテーブルに着き,与えられたテーマについて自分の意見やアイデアを自由に模造紙に書き出します。制限時間が来ると,各テーブルの伝達役を残して違うテーブルへ移動し,前のテーマで何が話し合われたか情報共有をした後新しいテーマについて話し合います。カフェのようなゆったりした雰囲気で自由に話せるのがワールドカフェの醍醐味です。

今回のワールドカフェのテーマは「大学でやりたいこと」「大学でやるべきこと」といった,これから始まる大学生活を有意義にしていくための目標や課題を出し合うものでした。各テーブルを見ていると,出てくる意見はもちろん人それぞれ違いますが,「それがあるならこんなのはどうか」と,他の意見を否定するのではなく深め合うような議論ができているところも多くありました。

出揃ったアイデアから気になるものを付箋に書いて教室の前に貼ってもらうと,勉強や将来の進路に関することや友達とやりたいことなど色々なものが出てきました。今回のイベントを通じて,新入生の皆さんは大学には本当に色々な人が集まっていると感じたのではないでしょうか。それぞれの個性と新しい友人を大切に,充実した 4 年間を送ってくれることを期待しています。

 

このイベントでは受付や司会進行,テーブルの補助などで以下の上級生が活躍してくれました。彼ら,彼女らのサポートのおかげでイベントを円滑に進行することができました。ご協力いただいたみなさん,ありがとうございました。

 

左から,
木村 太陽君
堀田 玲君
寒川 吏久斗君
堀越 未来さん
横山 那伊磨君
山本達也君

(経済学部 熊代和樹)