〈経済学部通信〉花を飾ってみませんか。

今回は渡辺先生にご寄稿頂きました。

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 コロナ渦においてはオンライン授業(受講)が推奨され、外出して人と会う機会が減り、自室で過ごす時間が長くなる傾向にあると思います。そのような生活様式の変化もあって、特に一人暮らしの学生さんの中には気が滅入ってしまう人も居るという話を聞きました。

 そのようなときはパソコンやスマートフォンを使ってオンライン上で誰かとコミュニケーションをとることにより、憂鬱な気分を変えることも大切だと思います。しかし、それでは増々パソコンやスマートフォンと過ごす時間が長くなってしまうという問題があるかもしれません。

 

 私はときどき花を買って部屋に飾ります。花は生花店だけではなく、スーパーやホームセンターでも買うことができます。花瓶に飾り易いよう、数本だけラッピングされて数百円で売っていることもあります。花からもたらされる効果は人それぞれだと思いますが、私は自分の年齢が四十歳に近づいてきて、花を飾る意味が少しずつ分かってきたような気がします。みなさんにとって花を飾る意味とはどのようなものでしょうか。

 自分の部屋に、花を飾ってみませんか。

 

 

(経済学部 渡辺)

〈経済学部通信〉情けは人のためならず:ワクチンとクジラの話

今回は三谷先生にご寄稿頂きました。

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日本には「情けは人のためならず」ということわざがある。しかし、多くの人が(A)「人に情けを掛けて助けてやることは,結局はその人のためにならない」という誤った解釈をしている。正しくは、(B)「人に情けを掛けておくと,巡り巡って結局は自分のためになる」という意味である。文化庁の2010年度の「国語に関する世論調査」によると、(A)のような誤った解釈をしている人の割合と(B)のような正しい解釈をしている人の割合がほぼ同じである。しかし、年齢別にみると高齢層では(B)のような正しい解釈をしている人の割合の方が高いのに対し、20代、30代の若年層では(A)のような誤った解釈をする人の割合が正しい解釈をする人の割合の倍近くに上っている[i]

このことわざは経済学的には利他的動機や所得再分配政策の意義などを考える上でも大変興味深いが、「情けをかけることが巡り巡って結局は自分のためになる」という投資的側面も示唆している。以下では、主に投資的側面に着目して、最近目にした2つの記事について考察してみたい。

(1)ワクチンの話

コロナ禍のG7が終わった。アメリカのトランプ前大統領が参加した昨年までとは打って変わってG7の協調姿勢が戻った感がある。中でも新型コロナ感染症対策として発展途上国に対する10億回分のワクチンの供与が発表されたことが注目される。人道的な見地からは当然のことであるが、経済学的に見ても非常に賢明な投資であるといえる。

IMFの試算によれば、来年4月までに全世界の人口の約70%にワクチン接種を行うのに500億ドルの費用がかかる。しかし、それが達成されれば多くの命が助かるということに加えて、2025年までの全世界の累積経済便益は9兆ドルに上ると予想される。投資としてみれば4年間の収益率はなんと17,900%にも上る。発展途上国へのワクチン供与が全世界の接種率を高め、新型コロナ感染症に対する集団免疫が形成され、世界経済が回復・発展し、巡り巡ってその恩恵がワクチンを供与した国々にも及んでくる。しかも信じられないほど高い収益率で。情けは人のためならず。誰がこんなうまい話(‟世紀の投資機会”)を逃すであろうか、と英『エコノミスト』誌の記事は書いている[ii]

(2)クジラの話

新聞に掲載されたある投信株式会社の広告である[iii]。少し長いがその一部を引用しよう。

「…1万ドルで売れるシロナガスクジラが世界に7万5000頭いるとして、自然の摂理を踏まえ、種が持続できる年2000頭を捕獲し続けるとする。毎年2000万ドルが手に入り、将来にわたって漁ができることになる。一方、一気に全頭捕獲し7億5000万ドルを手にし、それを年率5%で運用できれば毎年3750万ドル手に入れられる。種の保存を考えず、金融で儲けた方が得をすることになる[iv]

人類はクジラの将来について考える余裕ができた。…(中略)…

ところが人はいざ「投資、儲け、利益」となると倫理観は吹き飛んでしまう。「今だけ、金だけ、自分だけ」になってしまう。世界全体の成長率が3%程度。投資になると1、2年で倍にしなければならないと思っている。…」

今度の「情け」の対象は「人」ではなくて「クジラ」あるいは「種の保存・多様性」、「自然環境」である。シロナガスクジラのように絶滅の危機に瀕している種を保存することは、漁業資源としてだけでなく、種の多様性を維持し、自然環境の破壊を防いで、巡り巡って将来にわたって人類に恩恵を与えるはずである。その意味ではことわざがいうようにまさに人類へリターンが戻ってくる投資である。しかし、収益率が低いために種の保存という選択肢が選ばれない。どこに問題があるのであろうか。ESG投資のように自然環境保護を重視する投資機会(金融)がまだ十分に発達していないからだろうか。あるいはそもそも人間の本性として投資となると強欲で近視眼的な行動をとるからであろうか。

 

[i] 文化庁「「情けは人のためならず」の意味」『文化庁月報』2012年3月号(No.522)

[ii] The Economist, “The West is passing up the opportunity of the century,” Jun. 12 2021 edition.

[iii] さわかみ投信株式会社広告「「今だけ、金だけ、自分だけ」が本望か!」日本経済新聞2021年6月1日朝刊

[iv] 原典はColin W. Clark (2006), The Worldwide Crisis in Fisheries: Economic Models and Human Behavior, Cambridge University Press.

(経済学部 三谷)

〈経済学部通信〉絶望的「IT弱者」が2020年度をふり返る。

今回は両角先生にご寄稿頂きました。

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1年ちょっと前,2020年4月のある日,最初の「緊急事態宣言」が出され,不要不急の外出を自粛せよと呼びかけられている最中,私はとある理由で出かけておりました。お店はほとんど閉まっているし,人もクルマもごく少なく,戦争でも始まったかという異様な雰囲気は忘れがたいものです(まあ一種の「戦争」が始まったとは言えるか)。私には,あるものを急いで手に入れる必要があって,行き先は携帯電話ショップでありました(そこが営業中であることは調べておいた)。

 

絶望的な「IT弱者」である私にとって,オンラインでのリモート授業という前代未聞の事態に自力で対処せよというのは,目の前が暗くなるようなもの。何をどうしたらいいのか。とにかく自分でやれることを探すしかない。で,スライドを作って,音声を録音して,ビデオに変換して,動画投稿サイトで流す,という方法に行き着いたのでした。これなら私でも何とかやれるか,これでやるしかないだろう,と。

 

そこで実験に取りかかったところ,ただちに問題に直面したのです。動画投稿サイトでアカウントを取る必要があるのはいいとして,そのための個人認証にパソコンではダメ,ガラケーでもダメ,スマホしか受けつけてくれない,と。私,スマホは持ってません(ガラケーは契約していたが,通常,電源を切って引き出しに放り込んである。必要なときだけ使う)。この機会にガラケーからスマホに乗り換えるしかないかと,ショップに急いだのでありました。

 

そのショップで若い女性の店員さんが,

「ご希望の機種はありますか?」

と言うので,

「一番安いのにしてください」と。

そこで,1台取り出して見せてくれたのですが,いくらかと聞いてみたら,タダでくれるというのでたまげた。おい,大丈夫か。型落ち,売れ残り品で,タダでもさばければいいってか。タダほど高いものはない,とも言うしな。まあしかし,スマホでありさえすればいいので,これにしておこう,となった次第です。契約内容ももちろん一番安いものにしました。

 

カウンターで使い方の説明を聞いていたところ,私よりもう少し年上のおじいさんが入店してきたのです。自分のスマホを取り出して,別の店員さんに向かって,

「これを,前の2つ折りの携帯電話に変えてくれんじゃろうか?」と。

私とは逆の用件で来店されたのでした。ガラケーもそのうち完全廃止になるそうだし,店員さんも苦慮している模様でありました。

 

スマホを手に入れた後,近くの電化製品店が開いていたので,パソコン用の外付けマイクも買っておこうと寄ってみたのです。街はガラガラなのに店内は意外と混雑しておりました。外付けマイクはどこにあるかなと,通りがかった男性の店員さんに尋ねてみました。すると店員さんは,

「ありませんッ!」と。

その剣幕に思わずタジタジとなりましたが,さすがにちょっと悪かったと思ったのか,メーカー段階から品切れで入荷の見込みも立たないと,ややていねいに説明してくれました。それならと予約購入の手続きをして,帰宅したのでした。やれやれ。

 

何とかして「時代遅れ」の人間のまま生き抜いてやろうと日々努力している私も,とうとうスマホを持たされることとなった顛末。ちょっと笑える場面もあったという2020年度の冒頭のお話でしたが,その後は,地獄の責め苦のような日々が延々と続くこととなります。もしもこの投稿の次回があるなら,続きをまた書くかもしれません。ありがとうございました(私のスマホは,もちろん個人認証に使えたが,その後は電源を切られて引き出しで眠っている)。

(経済学部 両角)

〈経済学部通信〉デジタル通貨発行で現金は消えるのか

 CDの全盛期に、レコードはCDの普及により市場から消えるという意見があった。今日、インターネットを媒体としたストーリミングがCDを市場から淘汰させている中で、レコードの需要は増加している。このように音楽の記録媒体は、レコード、テープ、CDそしてインターネットの流れの中で、中間的媒体物は排除され、両端だけが利用される傾向にあります。

 「デジタル通貨の発行で現金は消えるのか」というレコードと類似した問題が生じます。私は、このキャッシュレス化を象徴する出来事を中国で目にしました。

 1つ目は上海国際空港での光景です。浦東国際空港から虹橋国際空港に移動するバスの中で、バス代が5元不足している女性が、見ず知らずの女性の乗客と何やら話をし、相手のスマホのQRコードを読み取りWechatペイを用いて5元の振込を提示し、相手から5元を入手することができました。

 2つ目は、世話をしてくれた本学に短期留学していた学生が予約してくれたタクシーでホテルまで乗り、領収書だけを受け取ってタクシーを降りました。同行した職員によると、タクシー代金の支払いは予約した学生によって既に支払われているので、後日、Wechatでタクシー代金を支払いますとのことです。

 3つ目は、中国の大学の先生と中華調理店に入ると、料理の品物は既にスマホで予約され、支払いもスマホで行われ、私たちは行って食べて帰るだけでした。

 さて、通貨は、中央銀行が発行する現金と銀行が発行する預金通貨(デジタル通貨)で構成されています。現在、利用されている○○ペイは、預金通貨をベースとして発行される非銀行部門の預金通貨と看做すことができます。インターネット社会の下では、より便利で効率的な決済手段として非銀行部門が創造する預金通貨の部分が大きくなってきています。

 通貨は決済手段であり、価値貯蔵手段として利用されますが、価値の安定が不可欠です。価値の安定を維持・達成するのは中央銀行の役割です。この意味で、中央銀行の発行する通貨は、経済にとって不可欠な存在であるといえます。

 以上のことから、通貨もレコードと同じく、新しい決済手段が利用されたとしても、中央銀行が発行する通貨は依然として存続するということが予想されます。

(経済学部 田中勝次)

〈経済学部通信〉大学院進学に向けた講義

ゴールデンウィークも終わり、大学での講義も再び本格化しつつあります。

 

私が受け持つ特別演習という講義では、大学院進学を目指す学生を対象として院試対策を行なっております。

 

日本において、経済学は文系として位置づけられる分野ですが、現実で生じる経済現象について理解を深める際には、数学を用いることが多々あります。

 

大学院入試でも筆記試験では、数学を必要とする問が多く出題されます。

 

特別演習の講義資料では、細かく数式展開を書き入れるなど、学生が数学に対して苦手意識を持たないように工夫することを心がけております。

 

 

新型コロナウイルスの影響で新しい生活様式が求められる中、大学の講義についても新たな様式へと変換が求められております。

 

まだまだ試行錯誤を繰り返しながらではありますが、受講生が希望とする進学先へと合格できるようサポート出来ればと考えております。

(経済学部 星野)

〈経済学部通信〉自分の性格を知りたい ~こころの科学~

一般教育科目の「こころの科学」を担当している経済学部の前田健一です。こころの科学の授業では、心理学のいろいろな分野の理論と実際を体験的に学習してもらうために、みんなで一緒にできる心理検査を時々実施しています。今回は、簡単にできる「ビッグ・ファイブ性格検査」を紹介しましょう。

 

以下の文1~文10のそれぞれの内容は,日頃の自分にどのくらい当てはまると思いますか。1~7までの数字のどれか1つを各文(  )の中に記入して答えてください。数字の意味は、以下のとおりです。

      <数字の意味> 1.まったく,当てはまらないと思う

              2.ほぼ,当てはまらないと思う

              3.どちらかといえば,当てはまらないと思う

              4.どちらでもない

              5.どちらかといえば,当てはまると思う

              6.ほぼ,当てはまると思う

              7.とてもよく,当てはまると思う

 

文1. (  )活発で,外向的だと思う

文2. (  )他人に不満をもち,もめごとを起こしやすいと思う

文3. (  )しっかりしていて,自分に厳しいと思う

文4. (  )心配性で,うろたえやすいと思う

文5. (  )新しいことが好きで,変わった考えをもつと思う

文6. (  )ひかえめで,おとなしいと思う

文7. (  )人に気をつかう,やさしい人間だと思う

文8. (  )だらしなく,うっかりしていると思う

文9. (  )冷静で,気分が安定していると思う

文10.(  )発想力に欠けた,平凡な人間だと思う

 

では、得点の集計方法を説明します。

(1)奇数番号の文1、文3、文5、文7、文9の得点は、( )内の数字をそのまま得点とします。

(2)偶数番号の文2、文4、文6、文8、文10の得点は、意味内容を逆転させるために( )内の数字を8から引き算した結果を変換得点とします。たとえば、文2で5と記入した人の場合には、8-5=3となり、変換得点は3点となります。

(3)あなたのビッグ・ファイブ性格検査の得点を以下の( )中に記入してください。

   文1の得点+文6の変換得点の合計値が外向性得点です。

   文7の得点+文2の変換得点の合計値が協調性得点です。

   文3の得点+文8の変換得点の合計値が誠実性得点です。

   文9の得点+文4の変換得点の合計値が情緒安定性得点です。

   文5の得点+文10の変換得点の合計値が開放性得点です。

(4)あなたの得点は?

   外向性  (  )得点

   協調性  (  )得点

   誠実性  (  )得点

   情緒安定性(  )得点

   開放性  (  )得点

(5)小塩・阿部・カトローニ(2012)の調査研究によると、大学生902名の平均得点は以下のとおりでした。自分のビッグ・ファイブの各得点を以下の平均値と比較しながら、自己の性格について再考してみましょう。

      外向性    7.83得点

      協調性    9.48 得点

      誠実性    6.14 得点

      情緒安定性  6.79 得点

      開放性   8.03得点

 

最後に、ビッグ・ファイブ性格検査の各特性は何を意味するのか、簡単に説明しましょう。

(1)外向性(extraversion)は、「興味関心が外界に向けられる傾向」を意味します。積極性、社交性などに関連する特性次元です。一般的に、外向性の高い人は刺激的な場面を好み、積極的で、社交的です。それに対して、外向性の低い人は刺激的な状況を避けるので、人づきあいが悪いと見られやすい。

(2)協調性(agreeableness)は、バランスをとり協調的な行動をとる傾向を意味します。思いやり、優しさ、愛想などに関連する特性次元です。一般的に、協調性の高い人は、「感じがいい」、「友好的」、「支援的」、「同情的」という印象を相手に与えやすい。それに対して、協調性の低い人は、自己主張が強く、「皮肉屋」、「対立的」、「非友好的」、「意地がわるい」と見られやすい。

(3)誠実性(勤勉性 conscientiousness)は、責任感があり勤勉で真面目な傾向を意味します。規律正しさ、良心、慎重などに関連する特性次元です。一般的に、誠実性の高い人は、「計画性がある」、「規律正しい」、「注意深い」、「忍耐強い」、「非衝動的」です。それに対して、誠実性の低い人は、「無秩序」、「不注意」、「軽率」、「衝動的」な傾向が見られます。

(4)情緒安定性(非神経症傾向 not neuroticism)は、感情面・情緒面の安定傾向を意味します。不安、抑うつ、冷静さ、傷つきやすさなどに関連する特性次元です。一般的に、情緒安定性の高い人は安定した精神状態で日常生活を送れますが、情緒安定性の低い人は不安、抑うつ、自己意識過剰、感情的なもろさなどの問題を抱えやすい。

(5)開放性(openness)は、知的、美的、文化的に新しい経験に開放的な傾向を意味します。一般的に、開放性の高い人は好奇心が強く、新しい考えや人間関係・環境を柔軟に受け入れます。それに対して、開放性の低い人は新しい何かを試すことに抵抗感が強く、いつも通りのやり方や行動を好み、変化を好まない。

 

以上、長い説明になりました。ビッグ・ファイブ性格検査を実施してみて、いかがでしたか? ビッグ・ファイブ性格検査も自己回答方式なので、正直に答えることが鉄則です。自分をよく見せたいとか、望ましい回答をすると、うそっぽい結果になります。また、回答する人のこころの状態、たとえば恋愛中のハッピイな時と失恋中のアンハッピイな時では検査結果も変化する可能性があるでしょう。さらに、自分が見ている自分の性格と親しい親友や親兄弟姉妹から見た自分の性格では、どんなズレやギャップがあるかを確かめるのも自分を知るためには面白いのではないかと思います。いろいろな使い方があると思うので、皆さんで試してみてください。

(経済学部 前田)

〈経済学部通信〉『授業の風景』~経済学入門~

すでに新学期が始まり2週間が経過しようとしています.

新入生の皆さんにとっては,まだまだ慣れないことの連続かと思います.

疲れなどたまらないように,くれぐれも体調には気をつけて欲しいところです.

さて,私が担当している経済学入門では,経済学部の1年生向けに経済学の基本を授業しています.

これから4年かけて経済学の広大な世界を学んでいくわけですが,その第一歩となる授業となります.

まずは身近なトピックを題材に経済学の考え方を「感じてもらおう」というのが授業の中心になります.

厳密な理解や経済学の正統な議論は別の授業で学んでもらうとして,経済学のスピリットをお伝えできれば,と考えています.

とはいえ,扱うテーマは本格的なものです.

第1週の授業では経済学のツールである「ゲーム理論」について勉強しました.

練習問題を解きながら,学生の皆さんの理解を図るようにしています.

 

ただでさえ慣れない新生活です.加えて感染症対策に留意しながら...となります.

大変だと思いますが,勉強したことが将来役に立つと信じて,一緒に頑張っていきましょう!

(経済学部:佐々木)

〈経済学部通信〉大学院進学者の紹介

昨年度末に岡山商科大学を卒業しました孟琳さんが、この4月より東京大学大学院経済学研究科へ進学いたしました。

新型コロナウイルス感染症が蔓延中ということもあり、マスク姿での入学式であったようです。

東京にて研究活動に邁進し、大きく飛躍することを願っております。

 

岡山商科大学 経済学部では、『特別演習』という高度な経済学の理論を学ぶことができる特別なカリキュラムを設置しております。

彼女もそのカリキュラムを受け、進学いたしました。彼女の他にも大阪大学や神戸大学をはじめとして、毎年多くの大学院進学者を輩出しております(詳細は、公式ホームページや大学案内パンフレットにて紹介)。

大学院進学率も経済・経営・商学系にて『8年連続全国1位(※)』を誇り、今後も多くの学生を世に送り出していければと思います。

※ 朝日新聞出版ランキング 2015~2022 より

〈経済学部通信〉商大キャンパスを取り囲む農業用水路から歴史を見てみると

 商大キャンパスを取り囲むように農業用水が流れている。春や夏の季節に用水路を眺めていると、鯉やフナ、ハエなどの魚が気持ちよさそうに泳いでいる。この用水路の水は、旭川の大原橋あたりで取水されたものが座主川を下り、延々と農業用水路を流下し、商大キャンパスを取り囲む水路にまで到達しているのである。

 この用水路は、現代のようにブルドーザーやパワーショベルが存在していない時代(南北朝時代の頃から江戸時代にかけて)に建設されたものであり、土木作業はもっぱら人力によるものであった。さらに、取水堰から取水した水を送水するのも、重力を利用して送水していた。つまり、用水路を僅かに下流に向けて傾斜させることにより、水を自然流下させ、遠く離れた水田にまで水を届けていたのである。現在のように、高性能な計測機器もない時代、ごく僅かな傾斜をつけた用水路を、何キロにもわたって掘削するのは大変困難な作業であったものと推測できる。江戸時代における困難な水利事業をリードした天才的土木技術者は、池田藩に在職していた、津田永忠と熊沢蕃山である。この二人は、現代の農業土木に関わる研究者の間では、超有名な方々である。

  また、熊沢蕃山は、寛文9年(1669年)旭川の洪水から岡山城下を守るため、放水路である百間川を開削するために力を発揮した人物でもある。

 このような歴史を思いながら、用水路の中を楽しそうに泳いでいる鯉、フナ、等々の魚を眺めていると、ただそれだけで楽しい気分になってくる。

 岡山商科大学は、私が中学生か高校生の頃に設置されたように記憶している。当時の大学周辺は、土地の大半は農地であり、利用されていたメイン道路は、(旧)国道53号線であった。この道路は、現在も道路として利用されてはいるが、かなり道幅が狭く、通行には極めて不便な道路である。そのため、当時は人家も少なく、不便な感じのする地域であった。 ところが現在では、道幅の広い、(新)国道53号線が開設されており、大学周辺には、飲食店や企業のビル、諸種の店舗等が数多くあり、便利で発展したエリアとなっている。

 この地に大学を設置しようと考え、それを実行された初代学長の先見の明に感嘆するばかりである。岡山商科大学の卒業生には、かなりの数の企業経営者がいらっしゃる。きっと、商科大学創立者の企業家精神が、多くの卒業生達に、脈々と受け継がれてきているのであろう・・・と推察している。

(経済学部 佐藤)

〈経済学部通信〉オンラインでの研究集会の開催

2020年12月11日に岡山商科大学をホストとしてオンラインで開催した研究集会をご紹介します。

年表にあるように私は1996年頃から,プライバシーの侵害に配慮しながら,大規模データを安全に公開するための理論的な研究を行うプロジェクトに参加してきました。当初は,国が調査している労働力調査などの官庁統計データが対象でしたが,近年の対象は,医療データや,スマホやカーナビの位置情報データなど多岐にわたっています。

現在は滋賀大学データサイエンス学部で学部長を務める竹村彰通先生(当時は東京大学)がこのプロジェクトを率いて,研究集会も開催されていましたが,お忙しくなったこともあり2006年度から私が引き継ぎました。私が開催した科学研究費補助金(科研)と統計数理研究所共同利用の合同研究集会だけでも,今回で13回目になります。年表の赤丸です。

例年であれば,東京立川市にある統計数理研究所を会場にして,2日間の日程で20名ほどの方々に講演をお願いしていましたが,新型コロナウイルスの感染拡大により,今年度は1日に短縮しオンラインでの開催としました。

ホストを岡山商科大学に置いたZoomでの開催で,開催前は様々な心配もありましたが,滞りなくスケジュールをこなすことができました。1年前であればこれほどスムーズな運営はできなかったでしょう。参加者全員がオンライン会議に熟達しており,皆さんがこの1年間苦労されてきたことが推察されます。

プログラムの「午後1」のセッションの講演タイトルに「Ewensモデル」,「Pitman分割」というキーワードがありますが,これらは,公開される大規模データが持つリスクを数量化する際に用いられる確率分割モデルというものを意味しています。この分野では,私たちのプロジェクトの研究は諸外国を凌いでいると思います。

対面での開催に比べて会場全体の一体感がないのは残念ですが,オンラインでは交通費も不要で,気軽に参加できることもあり,これまで参加されなかった文系の研究者や製薬会社の実務者など,様々な分野の方々にもご参加いただき,研究集会の新たな可能性を感じました。

とは言うものの,コーヒーブレイクに思う存分議論できるような,対面での開催が可能となる日が,一日も早く訪れることを願うばかりです。

(経済学部 佐井)