〈経済学部通信〉絶望的「IT弱者」が2020年度をふり返る。

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今回は両角先生にご寄稿頂きました。

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1年ちょっと前,2020年4月のある日,最初の「緊急事態宣言」が出され,不要不急の外出を自粛せよと呼びかけられている最中,私はとある理由で出かけておりました。お店はほとんど閉まっているし,人もクルマもごく少なく,戦争でも始まったかという異様な雰囲気は忘れがたいものです(まあ一種の「戦争」が始まったとは言えるか)。私には,あるものを急いで手に入れる必要があって,行き先は携帯電話ショップでありました(そこが営業中であることは調べておいた)。

 

絶望的な「IT弱者」である私にとって,オンラインでのリモート授業という前代未聞の事態に自力で対処せよというのは,目の前が暗くなるようなもの。何をどうしたらいいのか。とにかく自分でやれることを探すしかない。で,スライドを作って,音声を録音して,ビデオに変換して,動画投稿サイトで流す,という方法に行き着いたのでした。これなら私でも何とかやれるか,これでやるしかないだろう,と。

 

そこで実験に取りかかったところ,ただちに問題に直面したのです。動画投稿サイトでアカウントを取る必要があるのはいいとして,そのための個人認証にパソコンではダメ,ガラケーでもダメ,スマホしか受けつけてくれない,と。私,スマホは持ってません(ガラケーは契約していたが,通常,電源を切って引き出しに放り込んである。必要なときだけ使う)。この機会にガラケーからスマホに乗り換えるしかないかと,ショップに急いだのでありました。

 

そのショップで若い女性の店員さんが,

「ご希望の機種はありますか?」

と言うので,

「一番安いのにしてください」と。

そこで,1台取り出して見せてくれたのですが,いくらかと聞いてみたら,タダでくれるというのでたまげた。おい,大丈夫か。型落ち,売れ残り品で,タダでもさばければいいってか。タダほど高いものはない,とも言うしな。まあしかし,スマホでありさえすればいいので,これにしておこう,となった次第です。契約内容ももちろん一番安いものにしました。

 

カウンターで使い方の説明を聞いていたところ,私よりもう少し年上のおじいさんが入店してきたのです。自分のスマホを取り出して,別の店員さんに向かって,

「これを,前の2つ折りの携帯電話に変えてくれんじゃろうか?」と。

私とは逆の用件で来店されたのでした。ガラケーもそのうち完全廃止になるそうだし,店員さんも苦慮している模様でありました。

 

スマホを手に入れた後,近くの電化製品店が開いていたので,パソコン用の外付けマイクも買っておこうと寄ってみたのです。街はガラガラなのに店内は意外と混雑しておりました。外付けマイクはどこにあるかなと,通りがかった男性の店員さんに尋ねてみました。すると店員さんは,

「ありませんッ!」と。

その剣幕に思わずタジタジとなりましたが,さすがにちょっと悪かったと思ったのか,メーカー段階から品切れで入荷の見込みも立たないと,ややていねいに説明してくれました。それならと予約購入の手続きをして,帰宅したのでした。やれやれ。

 

何とかして「時代遅れ」の人間のまま生き抜いてやろうと日々努力している私も,とうとうスマホを持たされることとなった顛末。ちょっと笑える場面もあったという2020年度の冒頭のお話でしたが,その後は,地獄の責め苦のような日々が延々と続くこととなります。もしもこの投稿の次回があるなら,続きをまた書くかもしれません。ありがとうございました(私のスマホは,もちろん個人認証に使えたが,その後は電源を切られて引き出しで眠っている)。

(経済学部 両角)

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