テーマ: 「教員のコンプライアンスについて」
講 師: 岡山県教育庁教職員課 参事 青山 敏之先生
〃 主任 春名 祐貴先生
会 場: 60周年記念11号館 1131教室
7月9日(水)岡山県教育庁教職員課の「教員としてのコンプライアンス出前講座」を1年生~4年生までの教職課程履修者が受講しました。卒業後中学校や高等学校の先生として教壇に立つ学生さん達が、現場に出て最も大切なこととしての位置づけで研修を受けました。

出前講座の様子

真剣さが伝わってきます
まず、事前学習として、岡山県教育庁教職員課発行の「岡山県公立学校教職員の皆さんへ」の冊子を熟読し、
1 最近(今年度4月~6月の間で)発生した教職員の不祥事がどんなものがあるのか。
2 公務員の服務について「職務上の義務」と「身分上の義務」の大きく2つに別れるがその内容とは何か。
を調べて参加しました。
研修の流れは、1 教員の魅力 2 服務規律の徹底 3 不祥事防止 4 ミニ研修【演習】などでした。信用失墜行為とは、どんなことですか。なぜ不祥事は起こると思いますか。どうしたら不祥事を防ぐことが出来ると思いますかなど、それぞれ考えを発表しながら自分事として本気で考えていました。


アイスブレーキングを取り入れた研修会でした
学生の感想をご紹介します。
最初に問題提起としてなぜコンプライアンス研修をするのかという問いがあり、それについて考える時間があった。考えてみると「問題を起こさないようにするため」という単純な答えしか出てこず、教員というのは“教職公務員”で教育を通じて国民に対して奉仕する存在であり、そこには“信頼”が必要であるという本質が理解できていなかった。ただ最近でも、不祥事に関する事件が多々報道されている。名古屋市の小学校の教員が女子児童を盗撮し、その写真をSNSで共有するなどして、逮捕される事件があった。こういった事件はその人自身の信頼を失うことはもちろん、“教員”という職業自体への信頼も損なわれることにつながる。教員のなり手不足が言われている中で、そのような事が起こるのは非常に残念だなと思った。
研修の中でなぜ不祥事が起こるのか、またどうしたら不祥事を防ぐことができるか考えた。私は教育実習で実際に教員の仕事を目の当たりにしたので、不祥事の原因の一つは“ストレス”にあると考えた。そこで不祥事を防ぐためには“教育環境の整備”をすることが大切なのではないかと思った。実際昔と比べてGIGAスクール構想により一人一台端末になったことで、タブレットやパソコンを用いた授業が格段に増え、これまでは授業や事務連絡で情報を伝達するときはプリントを用いていたが、今ではインターネット上で共有することができ、人数分印刷をしたり、配ばったりという時間が減り、負担が多少は減っている。このように教員の働きやすさというものを増やすことが非常に大切なのではないかと感じる。隣の学生は、不祥事を防ぐための方策として教員同士が監視しあって、サポートをするという発言が非常に合理的で印象に残った。確かに常日頃から一緒にいる教員同士なら何か様子がおかしければ、その変化も捉えやすいだろうし、お互いに相談にも乗りやすいし、しやすいはずである。こういった教員ネットワークを形成することも重要なことだなと腑に落ちた。
後半に個人情報が書かれた書類の扱い方と、生徒に対しての関わり方に関して理解を深めるペアワークを行った。書類を渡すときは直接渡すことを前提し、机に置くときは付箋をつけ、わかりやすい場所に、飛ばないように工夫して置くことが大事だと分かった。生徒から連絡先をあの手この手で聞かれた時も、どのようにして回避するのかデモンストレーションし、生徒を傷つけず、自然な感じでやんわり断ることが大事だと感じた。このように研修で実際の場面を想定してペアワークをすることで実際に起きても、余裕をもって対応できるようになると感じた。そのため以前受講したからと敬遠せず、定期的にこのような研修を受けることが大事だと思った。
今回の研修を通じて、教員という職業は生半可な覚悟では務まらず、強い責任感を持って行動する必要があることを改めて認識した。私自身も、日常の言動を振り返りながら信頼される人間になれるよう努め、不祥事のきっかけとなる行動を未然に防ぐ意識を持っていきたい。

ミニ研修(書類の紛失に注意)

ミニ研修(不適切な指導)
経営学部商学科 教授 吉田信
(教職課程担当)