犯罪被害者支援サークル「つぼみ」所属の学生からのレポートです。
===================
今回の講演会では、加藤裕司さんをお招きしました。平成 2 3 年 9 月に突然ご長女を会社の元同僚の手によって、その命を奪われた事件についての詳細や、当時の心情など多くの貴重なお話をして頂きました。(聴講者に耳の聞こえにくい人がいることから、聴講者と充分な距離をとり換気の上、マスクなしでお話いただいています)

大事なご長女を理不尽に奪われた親としての苦しみや悲しみは、聴講しているこちらも胸が詰まって苦しくなるほどに感じられました。しかし、天国のご長女に「お父さん頑張っているね」と思って貰いたい、同じ苦しみを他の人に味わって欲しくないとのお気持ちで、とてもお辛いだろうに、私達にとても冷静に、克明に、お話くださって、なお「一番大事にしたいのは感謝です」とおっしゃる姿勢に感動しました。

また、ご講演の中で印象に残ったお話で、『犯罪を防ぐのではなく、犯罪を生まない社会をつくることが大事』 というお話がありました。加藤さんは、犯罪を生まないためには 人間形成過程における『環境』への配慮と、一人ひとりの少しの優しさや少しの勇気をもって 1 歩を踏み出すこと、後になって『あの時なんでやらなかったんだろう、手をさしのべなかったんだろう』と後悔しないように、今できることを精一杯することで社会は良くなって いくとお話くださいました。見て見ぬふりでなく、「救う側に立ってください」とのお言葉がとても印象的でした。

今回の講演をお聞きして、今一度自分の生活について振り返り、いま本当に必要なこと をしているのか、今を精一杯生きているのかを、改めて考え直させられました。
(法学部三年:小川)
========================
今回の講演は、はじめてオンライン併用の形で開催し、地域の方や岡山県内の他大学のみならず、広島大学、鹿児島大学、熊本大学、西日本短期大学、北九州市立大学等、他県の学生さんや行政の方にも多数ご聴講いただきました。多くの方から「このような講演をお聴きする機会があって良かった」と、コメントをちょうだいしました。コロナ禍のさなかにあって、様々な困難がありましたが、講演会の開催にご協力くださいました皆様に御礼申し上げます。ありがとうございました。
(つぼみ顧問:法学部 加藤)