1月17日(水)に岡山商科大学にて、第6回犯罪被害者支援部つぼみ遺族講演会を開催し、商大生だけでなく一般の方や他大学の方にもご参加いただきました。

今年は講師として、2019年にも本学に来て下さった武るり子さんをお招きし、「被害者になるってどんなこと〜少年犯罪で息子を奪われた母親の想い〜」というテーマでご講演を賜りました。

武さんの息子さんである孝和君は、平成8年11月に少年達の一方的な暴力により、16歳という若さで亡くなりました。その翌年には、「少年犯罪被害者の会」を結成し、少年法改正を求める活動や遺族にとって必要な情報の提供等様々な活動をされていらっしゃいます。
また、少年犯罪で失われた子供達を追悼するシンポジウム「WILL」を平成11年から毎年開催しています。
ご講演では、事件当時の心境やWILLが生まれた経緯、これまでの活動の内容をお話ししてくださいました。
WILLは武さんの話を直接伺いに行った数人の大学生の支援によって、作られた活動であることを知り、微力ではありますが、少しでも自分達も手伝うことができるという勇気をもらえました。
今回の講演を聞いて、昔に比べると少しずつ、犯罪被害者への支援が改善されてきたようにも思えますが、武さんからするとまだまだ本当に支援が必要な人達に行き届いていないという事が分かりました。
今後の武さんの目標は、被害者への損害賠償金をいったん国が負担して、国が加害者に対して損害賠償金を請求する制度にすることだそうです。現状では加害者の損害賠償金未払いが多く、被害者がいつまでも加害者に対して、損害賠償を請求しつづけなければならないことを課題に感じておられるそうです。
他にも聴講した学生からは、
・被害者遺族の方にとっては、話を聞くことだけでも支えになるということを知った。
・武さんが20年以上活動をしていて、まだ加害者からの謝罪がないことに驚いた。
・少年法の改正がされてなお、まだまだ不十分な点があることを知った。
・少年犯罪の当事者にならなければ理解できない感情や体験を直に聞くことができて貴重な体験になった。
などの感想がありました。
今回の講演会を聞いて、少しでも犯罪被害者への支援について考えるきっかけになってほしいと思います。また、犯罪被害者への支援について今後も微力ながら大学生として出来る活動を行って行きたいと思います。

講演会の開催にあたり、ご支援いただきました岡山県警察本部犯罪被害者支援室の皆様をはじめ、関わってくださった全ての皆様に感謝申し上げます。今後も、犯罪被害者支援活動にご支援、ご協力を賜りますようよろしくお願い致します。

(法学部2年 三宅・松岡)
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補足:
当日は講演に先立ち、つぼみの学生が「犯罪被害者支援の変遷と
今後の展望」と題して若干の発表をしました。我が国の犯罪被害者支援が、世間の耳目を集める重大な犯罪をきっかけとして、徐々に拡充してきた流れを示しつつ、岡山県内の各自治体の被害者支援の施策なども紹介しました。自治体間での格差のある状況も踏まえながら、今後国による支援拡充へ向けて期待されるところを発表しました。
また、講演会の開催に合わせてホンデリングも実施しました。ご協力くださった皆さんありがとうございました。

(つぼみ顧問:加藤)