今回は芸術担当,吹奏楽部顧問の石原先生にご寄稿いただきました。
第106回全国高校野球選手権大会は地元岡山学芸館高校や県立大社高校の活躍もありとても感動した夏の甲子園になりましたね。(個人的な感想です。)
甲子園と言えば数年前、アルプススタンドの様子を伝えるニュースで吹奏楽有名校の音を【美爆音】という表現で伝えて以来よく聞くようになった言葉です。
【美爆音】って『パワーフルでいい音』かな?マスコミが作り出した褒め言葉なのだとは思いますが・・・
オーケストラ、合唱、吹奏楽など響きを大切にする音楽では、【爆音】は一番出してはいけない音になります。
私も高校時代に野球応援の経験があり広い屋外の球場で音がちゃんと届いているか?心配し無意識にパワーで音を出し音色や響きに気を配るのを忘れていたことを思い出します。
応援団の声援や大太鼓とオペラ歌手やオーケストラの大太鼓、どちらも球場では聞こえてくると思いますが、音質において【美音】は気持ちを癒やしてくれますが戦っている選手や応援団の士気を高めることは出来ないと思います。やはり【爆音】ですよね。
かつてオスマントルコ軍の軍楽隊の音が兵士の士気を高め、相手側を威嚇したという話がありますが、戦いの場では【爆音】が必要な音のです。
某N高校吹奏楽部はこの【爆音】+全国トップクラスの合奏力をもって甲子園で素晴らしい音楽を響かせました。広い野外での新しいサウンドといってもいいのかな?【美爆音】ただ、屋内のコンサートホールではとても耳障りです。
吹奏楽をやっておられる方は【美音】と【爆音】使い分けられるといいですね。会場や音楽の場面にあった音色、音質を常に意識してほしいと思います。
コンサートホールでは【美爆音】NO!です。
(経済学部 石原憲)