
会場準備や運営をお手伝いしてくれている学生スタッフによる感想です。
「人を動かす『仕掛学』」
大阪大学大学院経済学研究科 教授 松村 真宏 氏
今日の夕学は人を動かす「仕掛学」と題して大阪大学大学院経済研究科教授の松村真宏さんのお話でした。松村先生はもともと工学系の出身で人工知能の研究を中心にされていました。しかし、人工知能には今まで起こってきた現象についてはデータを分析し、未来を予測することができますが、過去に起こっていない新しいものは予測できないと思われ人工知能の限界に気付かれました。そこで動物園で見つけた筒を覗き込んだことによって仕掛けに興味を持ち研究していったそうです。
仕掛けとは行動の選択肢を増やすものと言われていました。なくても別に誰も困らないのだが、いつもの行動という一つの選択肢しかなかったものが、仕掛けによってもう一つの行動を生み出すことが出来るものです。仕掛けの事例の中で興味をもったことは音のでるゴミ箱です。このゴミ箱があることによって道にゴミが落ちていても何もしないという行動を行っていた人たちが、面白いと思うようになりゴミを拾って捨てるようになったというものです。他にもトイレでの仕掛けや募金箱の仕掛け、スリッパの仕掛けなど様々ありとてもワクワクしました。
私はもともと人を動かす手法に興味を持っており、「仕掛学」はその中で行動を強制しないということがポイントであると感じました。興味を持ってくれた人の選択肢を増やすものが仕掛けであると私の中で解釈しました。この仕掛けを日々の生活、そしてアルバイトなどの現場でどういかすことができるかを考えました。一つ浮かんできたことはアルバイトの時に販売している撥水スプレーのサンプルを使用してもらうときの布を変えるということです。今も水をかければもちろんはじくために面白く、行ってくれる方はいますがその面白さは水をかける行動をしてもらわなければわかりません。かけるという行動を選択してもらえるように例えばアニメキャラクターで水に濡れたら弱ってしまう「アンパンマン」のようなデザインにすることでかけてみたいと思ってくれる人が増えるのではないかと考えました。
これから仕掛学や行動デザインというものはブームになっていくと思います。それは人工知能、ロボットなどの進歩によって人間は単純で考えることの少ない仕事はなくなっていくからです。ただ行動するのではなく考えて行動、考えながら行動という習慣を身に着けていきたいとおもいました。

感想担当:おのっち 主に夕学講座準備から運営のお手伝い。 にこやかな笑顔とナイスな機転で協働してくれる頼もしい学生です。 商学科(FPコース)3年生