
会場準備や運営をお手伝いしてくれている学生スタッフによる感想です。
「日本酒リノベーション」
新政酒造株式会社 代表取締役社長 佐藤 祐輔 氏
今回の夕学では、日本酒リノベーションとして新政酒造株式会社代表取締役社長の佐藤先生のお話でした。講演の前週に秋田県が大雨に見舞われたため、講演はどうなるのだろうと心配でしたが、予定通り講演が拝聴出来て安心しました。
日本酒は、縄文時代から製造されており、最初の製法は今話題となっている口噛酒だそうです。現在の日本では、日本酒の流通量、製造場の数が減ってきています。価格も他のお酒よりも低い価格で出回っているそうです。
そんな中、新政酒造では効率や再現性を重んじる科学的な酒造りだけでなく、一回性や多様性、自然との関係性を尊重して、素晴らしいお酒造りをされていこうとしています。そのため、ほとんどの酒蔵で使用することをやめてしまった木桶を使用しての酒造りにも挑戦されています。また、日本酒の原料となるお米を、農薬を使っていい虫も悪い虫も寄せ付けなくして生産性を上げて育てることは考えていないそうです。無農薬栽培で自分たちの手で育てることによって、手間はかかりますが、虫がいることによりいい土壌がつくり、持続的に質のいいお米を作ることで、質のいい日本酒を作ろうとされています。
今回のお話を聴いて考えたことは、生産性と多様性についてです。生産性を求める現代では生産性を上げるためにはどうすればいいのかという議論に走りがちです。しかし、今回のお話は科学的な手法などを使用して生産性を向上するのは一度置いといて、他の商品との違い、多様性を大事にしていくということでした。他業界の商品開発をする人たちも、そうしたことを大事にして開発していると思いました。そのため、生産性を考えるのは商品を開発した後なのではないかと感じました。生産性を考えることは人口減少が問題となっている日本が成長していく上でなくてはならないものですが、商品開発の段階では、まず多様性を重要視することが大切であると気付くことができました。

感想担当:おのっち 主に夕学講座準備から運営のお手伝い。 にこやかな笑顔とナイスな機転で協働してくれる頼もしい学生です。 商学科(FPコース)3年生