【経営学科の研究紹介】「モノづくり」の知的生産性革新とコンセプト創出

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 経営学部の門脇一彦です。経営学には製造業の「モノづくり」を考える、技術経営(MOT:Management Of Technology)と呼ばれる研究領域があります。モノづくりは、「研究・製品設計・工程設計・調達・品質管理・製造」といった複数のステップが、様々な組織と構成員の協働で実践されますが、活動を如何に効率的に短期間で進め、最大の成果を生み出すかを考えるのがMOTの研究です。製造業(工場)は技術人材(理系)が頑張っている印象が強いですが、実際は多くの経営学を習得した人たちが活動の中心で活躍しています。

 私たちが普段の生活でお世話になる食品や家電といった商品は、「顧客満足を高める価値つくり」の作業によって考えられ、その考えが物質(原材料)に転写されて具現化され効果を発揮してくれます。工場のモノづくりの最上流が、「商品コンセプトつくり」という、顧客に与える価値を考える作業で、私たち経営学の力が発揮される領域です。

 1年生の教養演習活動(ゼミ)では、「商品コンセプトつくり」を体験的に実施して、次年度以降の学修活動の参考と、コミュニケーション能力の育成を図っています。

 活動はゼミ生が2チームに分かれ、6ステップで毎週少しずつコンセプトを練り上げ、そして検証活動をおこない、最後は発表会で双方の活動を評価します。彼らの活動を見ると、一番最初のコンセプト案の「小さな切っ掛け」を探すことに非常に苦労していました。ゼロの状態から何かを生み出すことの苦しさは、これまでの学生生活ではあまり経験していないことですが、大学生から以降は、自分で発想して「真っ白なキャンパスに自分で絵を描く能力」がとても重要になりますので、良い経験になったと思います。

 商品コンセプトのお題は、学生生活をアップデートする楽しい商品を考えることです。目標が非常に曖昧で手段の自由度も広いために、最初は頭を抱えて悩んでいましたが、切っ掛けを見出した後は、チーム内で「ワイワイガヤガヤ」と会話が進み、とても楽しく活動を進めています。

 チーム毎に自分たちの好きな方法で議論を進め、それを磨き挙げています。彼らにお願いしたのは「全員参加」で、誰一人黙って傍観するメンバーを作らず、全員の協働によってゴールすることをお願いしていましたが、心配を払拭し一度動き出すと全員一丸となって議論し、それぞれの個性が色々な形でにじみ出ていました。


 Googleフォームを活用した質問票も完成して、現在、家族や友人にアンケートを取る活動を実施中です。経営学では、社会調査(定量)やフィールドワーク(定性)は重要な活動で、その入門をこの活動で体験して、今後の学修の基礎固めになればとおもいます。

(経営学科 門脇)

【研究実績】
・「製品開発プロセスにおけるICTを活用した生産性向上」
・「業務改革の実践を阻害するコンフリクトの発生要因と解決」
・「技術人材の育成とナレッジマネジメント」
・「医療サービスマネジメント向上を支援するICT活用」

 

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