【経済学科の研究紹介】東南アジアの歴史と経済発展

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今回は教員の研究紹介ということで、私が何を研究しているのかについて簡単に話したいと思います。岡山商科大学経済学部の池田昌弘です。

私の研究分野はアジア経済史になります。現在は20世紀前半の東南アジア米貿易やベトナムの米生産・流通を対象としております。この時代の東南アジアは、ヨーロッパやアメリカにより植民地支配を受けていました。私が高校生だった頃、世界史の教科書では支配と現地の人々への抑圧のことが中心に書かれていたと記憶しております。

しかし経済的な側面を見てみると、貿易が急速に拡大し、ヒト・モノの交流が盛んになった時期でもあり、地域によっては一人当たりの所得水準が向上した時代でもあります。当時の経済中心地の写真を見てみると、意外にも大きな建物が並んでいることに驚かれる方もいらっしゃるかと思います(もしかしたらこのあたり、現在の教科書では記述されているかもしれませんね)。

 

写真1:1880年頃サイゴン(現ホーチミン市)のコンチネンタルホテル

[出典:https://www.historichotelsthenandnow.com/continentalsaigon.html

 

その中でも人々の生存に欠かせない米の流れを見ることで、当時の東南アジア(特にベトナム)経済がどのように発展(または停滞)したのかを明らかにすることが、私の研究テーマになります。ベトナムについて言うと、実はこのテーマは経済だけでなく反植民地運動にも密接に関わるため、当時の社会やジャーナリズム、さらには後々の独立戦争にも繋がるテーマになります。

現在の東南アジアは経済発展が著しい地域になります。経済の活発さはメディアを通じてもわかるのではないでしょうか。また、発展とともに日本との関係も非常に深くなってきています。コンビニではベトナム人の方々が対応する光景をよく見ますし、旅行ではバリ、セブ、プーケットといった有名なリゾート先を思い浮かべることができます。

ベトナムでも都市化が急速に進み、植民地時代の建物と併存して高層ビルがたくさん建設されています。

 

写真2:現在のコンチネンタルホテル(ホーチミン市中心地に立地)

[出典:写真1に同じ]

写真3:ホーチミン市の夜景

[出典:The voice of Vietnam(https://vovworld.vn/ja-JP)]

こうした人の移動や観光の賑わいは、関係性という意味において、我々と東南アジアの国々が経済的に近づいてきている様子を示しているのではないでしょうか。こうした「繋がり」を長期的な視点から見直すことで、現在の東南アジア諸国の社会経済がどのように形成されてきたのかを深く理解できればと考えています。

研究では歴史史料を読み込んだりデータを活用したりしていますが、こうした研究活動やその成果の一部は商大の講義からも垣間見ることができます。現在、私は研究と関連した下記の講義を担当しております。

「東南アジアの歴史と社会」、「アジア経済分析」、「開発政策」

 

漠然とアジアについてもっと知りたい、東南アジアってどのような地域なのだろう、と思った方がいらっしゃいましたら、ぜひ岡山商科大学へのオープンキャンパスに参加し、受験を検討していただけたらと思います。

また、今後は教員の研究紹介が定期的に更新されるかと思います。気になった分野やテーマが今後でてくるかもしれません。高校生や保護者の皆様には、今後とも長い目で我々のブログとお付き合いをしていただけますと幸いです。

(経済学部 池田)

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