〈経済学部通信〉大学と楷の木

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今回は佐藤先生にご寄稿いただきました。


 岡山商科大学の「井尻記念館」の正面玄関前に赤く紅葉した【楷(かい)の木】」が植樹されています。「井尻記念館」は、その名の通り、「初代・井尻学長のご功績を記念して建設された」建物です。

 では、この建物の正面玄関前に、なぜ「楷の木」が植樹されているのでしょう か?

 今から2500年前、儒学の祖、孔子(紀元前552~479)が亡くなりました。孔子の墓所のまわりに、弟子達が中国全土から集めた美しい木々を植樹したそうです。これら木々の中で、「楷の木」が世代を超えて受け継がれ、強く美しい大樹に育ちました。

 その後、「楷の木」は科挙(中国の隋の時代から清の時代までの官僚登用試験)の合格祈願木となり、歴代の文人が自宅に「楷の木」を植えたことから『学問の木』とも言われるようになったそうです。

 また、寛文10(1670) 岡山藩主池田光政が津田永忠に命じ閑谷学校を創立しています(現存する世界最古の庶民のための公立学校です)。現在の「岡山県立和気閑谷高等学校」です。

 

 このような歴史を踏まえ、学生の皆さんには、一生懸命「学問に励んで欲しい」という大学からの願いを込めて、「楷の木」がキャンパス内に植樹されているのです。皆さんも、ぜひ、他大学を訪問したときには、キャンパス内に「楷の木」が植樹されているかどうかを探してみてください。

閑谷学校の楷の木(下記アドレスより参照ください)

https://www.nihon-kankou.or.jp/okayama/332119/detail/33211ac2102045086

  秋には美しく紅葉する「楷の木」(筆者撮影)

(経済学部 佐藤豊信)

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